タイプI文明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 14:41 UTC 版)
「カルダシェフ・スケール」の記事における「タイプI文明」の解説
核融合エネルギーの大規模応用。質量とエネルギーの等価性(E=mc2)によれば、タイプI文明は毎秒約2kgの物質をエネルギーへ変換することを意味する。 理論的には、1秒間に約280kgの水素を核融合でヘリウムに変換させることによって、同等のエネルギー放出を達成することができる。 1立方kmの水には約1011 kgの水素が含まれ、地球の海には約1.3×109立方kmの水が含まれている。つまり、地球上の人類は、利用可能な水素の観点から地質時間スケールでこの消費率を維持できる。 大量の反物質には、現在の技術レベルを数倍上回る規模で電力を生成するメカニズムがある。反物質-物質衝突では、粒子の静止質量全体が放射エネルギーに変換される。それらのエネルギー密度(質量あたりに放出されるエネルギー)は、核分裂を使用した場合よりも約4桁大きく、核融合から得られる最高の収量よりも約2桁大きくなる 。1kgの反物質と1kgの物質の反応により 、1.8×1017ジュール(180ペタジュール)のエネルギーが生成される。反物質がエネルギー源として提案されることもあるが、これは現実的ではないと考えられている。現在の物理学の法則では、人工的に反物質を生成することは、最初にエネルギーを質量に変換する必要があり、正味のエネルギーを生み出さない。人工的に作成された反物質は、将来の技術開発(反物質に有利なCP対称性の破れなどのバリオン数の保存とは反対に)が通常の物質の変換を許可しない限り、エネルギー源としてではなく、エネルギー貯蔵の媒体として使用される。理論的には知的文明は将来、自然界に存在する多くの反物質の源を栽培し収穫する技術を持つかもしれない。 太陽光を電気に変換することによる再生可能エネルギー - 太陽電池を使用した大規模な太陽光発電。間接的にはバイオ燃料、風力、水力発電など。人工の構造物で地球の表面を完全に被覆することなく太陽エネルギーを全て吸収する方法は知られておらず、現在の人類の技術では実現不可能である。軌道上に非常に大きな太陽光発電衛星を建設した場合、タイプI文明の電力レベルが達成可能になる可能性がある。これらは太陽光をマイクロ波に変換し、地球上の受信機に送電する。
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