スタンホープ印刷機とは? わかりやすく解説

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スタンホープ印刷機 (東京都)

名称
スタンホープ印刷機
区分
重要文化財
所在地
東京都
所有者
国(大蔵省印刷局記念保管

資料一覧
解説
英国のスタンホープが18世紀発明した平圧式の手印刷機本機は,嘉永3年(1850)にオランダ商館長から将軍献上されたもの。後に調所で「西洋武功美談」などの洋書印刷刊行明治以後も国の印刷所使用された,我が国洋式印刷黎明告げるものとして貴重。

スタンホープ印刷機

主名称: スタンホープ印刷機
指定番号 93
枝番 0
指定年月日 1998.06.30(平成10.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 1台
時代区分 欧米 19世紀
年代
検索年代
解説文: スタンホープ印刷機は、一八世紀末英国スタンホープ伯チャールズ一七三-一八一六)が発明した平圧式の手印刷機である。総鉄製で、レバー(スタンホープ・レバー)を操作することで圧盤に強い印圧加えて印刷を行う。前時代ネジ回転によって印圧をかけるグーテンベルク式の印刷機比べて操作簡便になり、大量印刷のできる動力式・輪転式の印刷機主流となる一九世紀半ばまで、広範に用いられた。
 本機幕末期日本もたらされ江戸幕府および明治政府内において使用され印刷機である。圧盤の寸法は二四×一九インチ六一〇×四八ミリ)で菊判ページ掛け印刷が可能である。付属活字が三ケース、百余種あわせて伝来していたが、関東大震災焼失した本体焼損しているが、被災前の写真比較すると、擬宝珠状の装飾木製基台等が後補と考えられる石井研堂著明治事物起源農工部には、本機のものとされる銘板拓本挿図として掲載するが、それには“Amsterdam”の刻銘みられる。現在、本機正面に残る銘板焼損溶融痕の形状拓本きわめて相似しており、本機伝来示唆するものいえよう
 本機は、嘉永三年一八五〇)のオランダ商館長参府の際、将軍献上されたと伝えられる安政四年(一八五七)、蕃書調所教授手伝であった市川蒹恭(斉宮、浮天斎)が命を受け、初め本機用いてオランダ語教科書西洋武功美談』(“LEESBOEK VOOR DE SCHOLEN VAN DES NEDERLANDSOHE LEGER”)の印刷従事したことが知られ幕末期蕃書調所刊行洋書一部本機用いて印刷されたものと推定される明治維新後、開成学校大学南校経て文部省創設とともに同省所管活版所移管された。政府印刷部統合により明治七年一八七四)に太政官印書局の、同八年紙幣寮(のちの内閣印刷局)の管理するところとなったが、第二次大戦後は大蔵省印刷局保存公開行っている。
 一部焼損していることは惜しまれるが、官府印刷所において実際に使用され歴史的経緯をもち、わが国における近代的印刷出版黎明期物語印刷機械として貴重である。



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