システムの概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 14:38 UTC 版)
SCADA という用語は一般に、1つのサイト全体や地理的に分散したシステム群を集中的に監視制御するシステムを指す。制御のほとんどは遠方監視制御装置 (RTU) またはプログラマブルロジックコントローラ (PLC) が自動的に行う。ホストの制御機能は監督的な介入や優先的なものに限られることが多い。例えば、PLCが工業プロセスにおける冷却水の流量を制御する場合、フィードバック制御ループ自体はRTUやPLCでほぼ完結している。これに対し、SCADAシステムはそれらループの状態を監視するシステムという位置づけで、具体的には、SCADAシステムによりオペレータが流量の設定値を変更出来たり、警報発生条件(不正な流量や高温)を変更出来たり、現在の状態をオペレータに対して表示し記録する機能を提供する。 データ収集はRTUやPLCのレベルで行われ、必要に応じてSCADAに送られる。SCADAでは、収集されたデータを監視室のオペレータが見て監督的決定を行えるような形にして提示する。データは普通のデータベース管理システム上に構築された履歴システムにも送られ、傾向などの分析に使われる。 SCADAシステムでは通常、「タグデータベース」と呼ばれる分散データベースを実装している。これは、「タグ」または「ポイント」と呼ばれるデータ要素を格納するものである。1つのポイントは、1つの入力信号(監視データ)または1つの出力信号(制御コマンド)に対応している。ポイントには「ハード」と「ソフト」がある。ハードポイントはシステム内の実際の入出力に対応し、ソフトポイントは他のポイント群の値を使って計算や論理で得られるものである(多くの実装では、ハードポイントもソフトポイントの一種とされており、単に1つのデータだけを使ってそのまま出力するソフトポイントになっている)。ポイントは通常、値とタイムスタンプの対で格納され、この場合のタイムスタンプは記録または計算した時刻を表している。一連の値とタイムスタンプの対によって、そのポイントの履歴が得られる。タグに付加的なメタデータを格納することも多く、対応する機器やPLCレジスタへの経路、設計時コメント、警報情報などが記述される。
※この「システムの概念」の解説は、「SCADA」の解説の一部です。
「システムの概念」を含む「SCADA」の記事については、「SCADA」の概要を参照ください。
- システムの概念のページへのリンク