サンガネーブ海洋国立公園
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「サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園」の記事における「サンガネーブ海洋国立公園」の解説
サンガネーブ海洋国立公園は1990年に設定されたスーダン初の海洋保護区である。サンガネーブ環礁は紅海では唯一の環礁であり、欧米人にとっては人気のダイビングスポットになっている。南北に細長い環礁で長さ6.5 km、幅1.6 km、礁湖の面積は約4.6 km2である。 紅海にはサンゴ礁が多い。ペルシア湾と紅海は塩分濃度と海水温の点で類似するが、土砂流入量の違いなどから透明度では紅海が優り、造礁サンゴの種の数はペルシア湾側を大きく上回っている(ペルシア湾は51、紅海は北・中・南部あわせて500を超える)。サンガネーブ環礁があるあたりはその中でも特にサンゴ礁の発達に適しているとされており、以北に比べれば寒くなりすぎることもなく、アデン湾の湧昇流の影響を受ける以南に比べれば生物侵食の影響も大きくない。結果、サンガネーブ環礁で見られる刺胞動物は124種にのぼる。1980年代にオニヒトデが大発生してサンゴが食い荒らされたことがあったものの、21世紀初頭の調査ではオニヒトデの生息数は標準的な数値に落ち着いているとされている。 魚類は1990年代の報告で251種が特定されており、実際には300種以上が棲息しているものと推測されている。棲息が確認されているのは、サメ(アカシュモクザメ、オグロメジロザメ、ツマジロ、ツマグロ、ネムリブカ)、エイ(オニイトマキエイ、マダラトビエイ、ルリホシエイ(英語版))、メガネモチノウオなどのベラ科31種のほか、スズメダイ科(24種)、ハゼ科(18種)、ハタ科(13種)、チョウチョウウオ科(12種)、テンジクダイ科(12種)、ニザダイ科(10種)、ブダイ科(9種)、イソギンポ科(9種)、フエダイ科(8種)の魚などである。また、海洋哺乳類としては、オキゴンドウ、ゴンドウクジラ、ザトウクジラ、ハンドウイルカなどが挙げられる。爬虫類では、確定的なものではないが、タイマイの餌場になっている可能性やアオウミガメを目撃しうる時期のあることが指摘されている。 商業的にはスジハタ (Plectropomus maculatus) とニシキウズガイ (Trochus) が重要であり、ニシキウズガイについては20世紀末の約20年間の輸出実績でスーダンは世界3位、太平洋以外では1位だったが、それはもっぱらこの海域での生産に負っている。その生産量は年間300トンに上っていたと推測されているが、21世紀の生息数調査でも乱獲はされていないものと認識されている。スジハタは地元では最も高い値のつく高級魚である。 鳥類で確認されているのは6種にとどまるが、うち1種は紅海一帯の固有種であるメジロカモメである。 藻類は緑藻、褐藻、紅藻、藍藻で計91種が確認されているが、海草についてのまとまった研究は2010年代半ばの時点では存在しない。
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