サハリン-2コンソーシアム
読み方: さはりん つー こんそーしあむ
【英】: sakhalin 2 consortium
【英】: sakhalin 2 consortium
ロシアのサハリン島沖合のピルトン・アストフスコエ(Piltun-Astokhskoye)およびルンスコエ(Lunskoye)の2つの鉱区を開発対象としするコンソーシアム。 1996年6月に生産分与協定が発効した。ロイヤル・ダッチ・シェル(オペレーター)、三井物産、三菱商事の3社が出資するコンソーシアムであるサハリン・エナジー社(Sakhalin Energy)により、1999年7月に原油の生産が開始されて、1999年8月には韓国向けに原油が輸出された。 天然ガスに関してはLNG(液化天然ガス)による輸出方式を決定し、2トレインの液化設備(合計液化能力は960万トン/年)を建設中である。日本の複数の電力会社およびガス会社を中心に既にLNGの販売・購入契約が調印されていて、2008年にはLNG供給が開始される見込みである。 2005年9月にオペレーターであるロイヤル・ダッチ・シェルはガスプロムとの間で、シェルが保有するサハリン2の権益の25%とガスプロムが保有する西シベリアにあるザパリャールノエ・ガス田のネオコム層権益の50%の一部を交換することで合意した。しかし、その後、サハリン2の総事業費が当初予定の100億ドルから200億ドルまで増加することが発表されたため、この権益交換に関する交渉は見直しがはかられることとなった。 さらに、2006年9月にロシアの天然資源省はサハリン・エナジー社に対して環境面の不備を理由にパイプライン建設の停止命令を出した。一方で、サハリン2の(ロシア側にとって不利な)生産分与協定に対するロシア側の不満があったが、事業費の大幅な増加が一方的にロシア側の収益を大きく圧迫することから、事態の改善がロシア側から求められた。 2006年12月、ガスプロムとロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産、三菱商事との間で (1)ガスプロムがサハリン2の権益の50%プラス1株を74億5,000万ドルで取得すること(シェルとの間の権益交換は白紙撤回し、株式比率は、シェル25%、三井物産12.5%および三菱商事10%となった) (2)事業費超過分の一部をロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産、三菱商事側が負担することが合意された。 これにより、ガスプロムはサハリンのLNGの生産・輸出事業に本格的に参入を果たした。 (小森 吾一、2007年3月) |
サハリン-2コンソーシアムと同じ種類の言葉
サハリンに関連する言葉 | サハリン サハリン-1コンソーシアム サハリン-2コンソーシアム |
- サハリン-2コンソーシアムのページへのリンク