カイラル対称性とは? わかりやすく解説

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カイラル対称性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 23:28 UTC 版)

カイラル対称性(カイラルたいしょうせい、: chiral symmetry)とは、量子色力学 (QCD) において、クォークフレーバーを右巻きスピン成分と左巻きスピン成分で独立に変換する近似的な対称性である(スピンの右巻き、左巻きについてはカイラリティを参照のこと)。QCDのダイナミクスにより、カイラル対称性には自発的対称性の破れが起き、ハドロンに大きい質量を与える。なお、南部ヨナラシニオ自発的対称性の破れの概念を最初に提唱した際に扱われた対称性は、このカイラル対称性である[1][2]


  1. ^ Nambu, Y.; Jona-Lasinio, G. (1961). “Dynamical model of elementary particles based on an analogy with superconductivity. I”. Phys. Rev. 122: 345-358. doi:10.1103/PhysRev.122.345. 
  2. ^ Nambu, Y.; Jona-Lasinio, G. (1961). “Dynamical model of elementary particles based on an analogy with superconductivity. II”. Phys. Rev. 124: 246-254. doi:10.1103/PhysRev.124.246. 
  3. ^ 標準模型では、ヒッグス場と物質場との間に湯川相互作用を導入することにより、クォークやレプトンに質量を与えている。同じヒッグス場が元になっているが、ゲージ対称性を破り(ヒッグス機構)、W, Zボゾンに質量を与える相互作用とは異なり、湯川相互作用はゲージ対称性によって要請される相互作用ではない。
  4. ^ ラグランジアンの対称性は、正確には U(2)L×U(2)R である。部分群の U(1)L×U(1)R はアノマリーにより U(1)V に破れる。
  5. ^ Particle Data Group: C. Amsler et al. (2008). “Review of Particle Physics”. Physics Letters B 667: 1-6. doi:10.1016/j.physletb.2008.07.018. 


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カイラル対称性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/12 09:01 UTC 版)

カイラリティ」の記事における「カイラル対称性」の解説

詳細は「カイラル対称性」を参照 質量0のディラック粒子フェルミオン場(英語版) ψ {\displaystyle \psi } を扱うベクトルゲージ理論はカイラル対称性を示す。例えば、スピン左巻き成分右巻き成分独立回転することは理論にとって違いもたらさない。これは場に対す回転作用として次のように記述することができる: ψ L → e i θ L ψ L {\displaystyle \psi _{L}\rightarrow e^{i\theta _{L}}\psi _{L}} and ψ R → ψ R {\displaystyle \psi _{R}\rightarrow \psi _{R}} または ψ L → ψ L {\displaystyle \psi _{L}\rightarrow \psi _{L}} and ψ R → e i θ R ψ R . {\displaystyle \psi _{R}\rightarrow e^{i\theta _{R}}\psi _{R}.} N種類フレーバーについて、単位回転SU(N)SU(N)Rを代わりに用いることができる。 質量のあるフェルミ粒子はカイラル対称性を示さないラグランジアン質量項 m ψ ¯ ψ {\displaystyle m{\overline {\psi }}\psi } はカイラル対称性を破るとも言えるいくつかの理論においては自発的対称性の破れが起こることがわかっている。これは量子色力学において最も顕著である。

※この「カイラル対称性」の解説は、「カイラリティ」の解説の一部です。
「カイラル対称性」を含む「カイラリティ」の記事については、「カイラリティ」の概要を参照ください。

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