クォーク・ハドロン相転移
クォーク・ハドロン相転移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 00:54 UTC 版)
「秩序変数」の記事における「クォーク・ハドロン相転移」の解説
陽子や中性子のようなハドロンは、クォークやグルーオンのような素粒子から構成されるが、低温・低密度相においてはクォークの閉じ込めの機構によって、クォークやグルーオンを独立に取り出すことができなくなっている。しかし、温度や密度(化学ポテンシャル)を上げていき、転移温度・転移密度を超えると、クォークグルーオンプラズマのようなクォークとグルーオンが独立な粒子として振る舞う相へと相転移する。このような相転移は、異なる2種類の秩序変数を設定することにより、カイラル相転移と閉じ込め相転移に大別される。 カイラル相転移における秩序変数は、クォークと反クォークの演算子積の真空期待値であるカイラル凝縮である。低温・低密度相においてはクォークと反クォークが真空中に凝縮することで秩序変数は有限の値を持ち、カイラル対称性が破れている。一方、高温相や高密度相においては、クォークと反クォークの凝縮は起こらず秩序変数はゼロとなり、カイラル対称性は回復する。 有限温度系の閉じ込め相転移における秩序変数は、ポリャコフ・ループの真空期待値である。ポリャコフ・ループを秩序変数とする場合、低温相では秩序変数がゼロとなるが、高温相では秩序変数は有限の値をとる。
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