エクイティ理論
別名:公平理論
英語:equity theory
自分の仕事への頑張りと報酬が、他人と比較して不公平と感じた場合、その状態を解消しようとする心理が働くという理論。ステイシー・アダムス(J. Stacy Adams)によって提唱された。
エクイティ理論では、自分の仕事への頑張りをIp、報酬をOpとし、他人の仕事への頑張りをIo、報酬をOoとすると、「Op/Ip<Oo/Io」と感じた場合は他人より報酬が低い状態とされる。また、「Op/Ip>Oo/Io」と感じた場合は他人より報酬が高い状態とされる。
またエクイティ理論では、特に「Op/Ip<Oo/Io」と感じた時にはその状態を解消するために、仕事をさぼったり、賃上げの要求をしたり、会社の物品を盗んだり、報酬に対する認識を変えたり、会社を辞めたりするといった行動をとるとされている。
公平理論(エクイティ理論)
公平理論 エクイティ理論
【英】equity theory
・1965年アダムスミスによって提唱された公平理論である。
・自分が「自分の仕事量や投入量(Input)と対価としての報酬(Outcome)」と、「他者の仕事量や投入量(Input)と対価としての報酬(Outcome)」を比較し不公平さを感じる場合、解消し公平となるような行動をとるように動機付けられる。公平とは「自分の投入に対する報酬の比が、他者のそれと等しい場合」に存在する。尚、Inputは「努力、経験、学歴、能力」、Outputは「給与水準、賃上げ、表彰」等が挙げられる。
・自分(a)の投入Ia、自分が得た成果Oa、他者(b)の投入Ib、他者が得た報酬 Ob、とすると、以下のようなパターンが存在する。
①Oa/Ia = Ob/Ib 自分の投入量に対する出力の割合が、他者と同等で、公平な状態。
②Oa/Ia < Ob/Ib 自分の投入量に対する出力の割合が、他者より低く、不公平な状態。
③Oa/Ia > Ob/Ib 自分の投入量に対する出力の割合が、他者より高く、不公平な状態。
②③のパターンの様に、均衡状態が崩れて、不公平さを感じると、その人は公平回復されたOa/Ia = Ob/Ibへと動機付けられる。
Ⅰ自己のパラメータを変える
→Oaを変える。例:報酬を増やす(或いは減らす)ことを要請する。
→Iaを変える。例:自己の努力を増やす(或いは減らす)。
Ⅱ他者のパラメータを変える
→他者の投入量と報酬の比を変える。例:他者の努力を増やす(或いは減らす)ことを要請する。
→比較対象を変える。例:自己の投入と結果の比と等しい他者にする。
Ⅲ①~③のパターンを認識しない(出来ない)状態にする
→比較そのものを避ける。例:退職する。
・不公平感は給与の絶対額の多寡ではなく、他者との比較によってもたらされる。
・他者と比較して報酬が多い(或いは少ない)と感じるかがモチベーションに影響するのである。
・つまり、公平性は、社員の主観的な判断によるものであるため評価者がコントロールすることは難しい。
・しかし、公平性を分解すると、「分配的公平」、「手続き的公平」があり、それぞれ「結果」に対する公平性、「プロセス」に対する公平性を指すが、「結果」に対する公平性が損なわれても、「プロセス」に対する公平性が確保されていれば、モチベーションが維持されるという考え方がある。よって、評価者は、社員のモチベーションを維持するために「結果(賃金など)」に対する公平性が担保出来なくとも、「プロセス」に対する公平性の確保に留意することが求められる。
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