アメリカン・トラディショナル
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アメリカン・トラディショナル(American traditional)とはアイビールックやアイビー・リーグ・モデルのスーツなど、米国東部で培われた伝統的服装のことを指し、ブリティッシュ・トラディショナルなどと対比的に使われる。略してアメトラともいう。アメリカの気候や合理主義の影響、アメリカ移民にイギリスの上流階級が少なかったことによる中産階級文化や他国の文化の流入などの影響を受けた。結果的にブリティッシュ・トラッドに比べて簡略化やカジュアル化が行われている。米国西部ではまた違った服装が伝統的であり、アメリカ全体を象徴するスタイルでないことに注意。
- 1 アメリカン・トラディショナルとは
- 2 アメリカン・トラディショナルの概要
アメリカン・トラディショナル
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「トラディショナル・スタイル」の記事における「アメリカン・トラディショナル」の解説
機能的でスポーティな感覚のオーソドックスなスタイルで質感にこだわる。広くブリティッシュ・トラディショナルや、さらには同様な感覚をもつ女性のファッションを含めていうこともある。アメリカン、ブリティッシュ両方とも流行に流されず、受け継がれてきた国民的なファッションといえる。服装だけでなく、背景にある特有の生活様式を包含して使う。 アメリカ、イギリスではトラッドは単なる上流階級の身だしなみという認識が根強い。例えばアメリカ東海岸でトラッドを象徴する職業は政治家や弁護士、医師、実業家などであり、その服装は生まれ育ちや政治信条(主に保守系)を表明する手段になっている。その為、かつては労働階級者や芸術家、作家などはトラッドを「保守的な人々の象徴」と見なし、忌避する傾向があった。アメリカでトラッドがファッションとして受け入れられ始めたのは、トム・ブラウンの成功以降である。日本では、1960年代の「みゆき族」から始まって、ほぼ10年置きにトラッドブームが繰り返されている。日本で、トラッドがファッションとして根付いた背景には階級制度のない社会構造が影響している。また、男性発祥のトラッドだが、日本では女性に対する独自の影響が見られる。 トラッドは上流階級の生まれ育ちの表明手段だった為、往々にしてパロディの対象になってきた。芸術家アンディ・ウォーホルの服装はその象徴であった。しかし、アメリカでは1970年代後半にゲイ・カルチャーが社会的少数派なりのパロディとしてそれを取り入れたこともあり、結果的にトラッドをファッションの1ジャンルとして確立する結果となった。とはいえ、保守的なイメージは根強いようで、ユナイテッドアローズ共同創立者でジャーナリストの栗野宏文によると、ユナイテッドアローズのメンズフロアでバレンシアガと3つボタンのブレザーを並べている光景を理解できないアメリカ人が多かったという。 明確な着こなしのルールが設けられている数少ないファッションであり、いつの時代も着こなしには「シックになりすぎない」という法則がある。これは、「基本的に地味でストイックな世界観に派手なものが入ってくると、お互いを引き立てあう」という効果によるもので、トラッドでタータンチェックやペイズリーなど目を引くような模様が用意されているのは、このためである。2010年秋冬コレクションにおいて、トラッドでクラシックなものが登場するなど、近年、女性向け衣類にトラッド回帰の動きが見られる。現代女性とトラッド回帰の関係について、前述の栗野は「セクシュアリティの変化」を予感していると語っている。1990年代半ばから2004年にトム・フォードが引退するまで、セクシャルなイメージが多かった。その手法に飽き飽きした人々が増えた結果、禁欲的ともいえるトラッドが復活を果たしたと批評した。栗野はトラッドの禁欲的な色使いからは「イージーなセックス感の安売りが終わった」ことが感じられ、トラッドが「男性を意識したファッション(モテ服)からの脱却」を象徴していると述べている。女性の方が活発化している時代だからこそ、今後は女性がトラッドの新しい担い手になっていくだろうと分析している。
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