その手法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 05:07 UTC 版)
米澤は自己主張をあまりせず、異なった意見の持ち主も排除しないやり方を取っていた。コミックマーケットでは表現に対する自由性を理念に掲げ、批判者を排除しない姿勢を強調した。また表現規制に対して一貫して批判を行っていた。松文館裁判でも、被告人を有罪とした1審の東京地裁判決を「論理もなく、ムチャクチャなもの」「判決文をよく読むと、三権分立は否定され、現行の司法システムに則っておらず、憲法や刑法さえないがしろにされていることがわかる」「一言で言うなら「魔女裁判」である」(『売れるマンガ、記憶に残るマンガ』128~129ページ)など、強く批判している。しかし、全面対決の姿勢は取らず、コミックマーケットの実務では、性器の修正について、むしろ率先して厳しく自主規制を敷かせる一面もあった。これは、コミックマーケットという“場”の存続を重視し、無理を避けた為といわれている。 一方、1981年のコミックマーケット分裂騒動では、『ふゅーじょんぷろだくと』(後の『COMIC BOX』)誌の取材に来た者からメモ書き原稿を見せて貰い、事実関係の訂正の他、微妙に自分寄りの内容にして編集部に送るという大胆な行為にも出ている。米澤は取材側に無理強いせず、雑談の体で自然に行動したためそのまま通ったという。
※この「その手法」の解説は、「米澤嘉博」の解説の一部です。
「その手法」を含む「米澤嘉博」の記事については、「米澤嘉博」の概要を参照ください。
- その手法のページへのリンク