セヴラック:ひなたで水浴びする女たち(バニュルス=シュル=メルの思い出)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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セヴラック:ひなたで水浴びする女たち(バニュルス=シュル=メルの思い出) | Baigneuses au soleil (Souvenir de Banyuls-sur-Mer) | 作曲年: 1908年 出版年: 1909年 初版出版地/出版社: Rouart-Lerolle |
作品解説
ひなたで水浴びする女たち(バニュルス=シュル=メルの思い出) / Baigneuses au soleil(Souvenir de Banyuls-sur-Mer)
1908年に作曲された。同年に《水の精と不謹慎な牧神》も作曲されている。セヴラックの曲には組曲の形式で書かれたものが多いが、これらは単独のピアノ曲として重要な作品である。水を扱っているという点において、ラヴェルの《水の戯れ(1901)》と共通する要素を見ることができる。また、モルデエントやアッポジャトゥーラを華やかに駆使しており、軽妙洒脱で優雅なその響きはラモーやクープランをも思わせる。コルトーに献呈された。コルトーはこれを「セヴラックの作品において、ピアニスティックな探求の頂点を示している」と絶賛した。
《水の精と不謹慎な牧神》は夜の魅惑的な雰囲気をもっているが、この曲には日の光のまぶしいほどの輝きがあり、水浴びを楽しむ女たちの明るい笑い声があり、また午後の気だるさがある。流れ落ちるようなグリッサンドは、はじけて泡となり、光をきらきらと反射させる。同じ音型の反復の中にも、微妙な陰影を感じて変化を楽しみたい。終結部では緩やかに曲が流れていく。調和された不協和音の響きが絶妙な揺れをつくりながら、最後は消えるように曲をとじる。
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