さまざまな撮像管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 19:02 UTC 版)
ビジコン(Vidicon、通称:hivicon tube) ターゲット材料に光導電体Sb2S3を使用し光導電面に電荷を蓄積する蓄積型撮像管である。1950年代にRCAのPK WeimerとSV ForgueとRR Goodrichによって開発された。当初は光導電体にセレンやシリコンダイオードアレイが使用された。 プランビコン (Plumbicon) フィリップスの商標である。光電面が酸化鉛(PbO)のビジコンである。放送局で使用された。出力は弱かったが、信号/雑音比が優れていた。イメージオルシコンに比べて解像度が優れていたが、輪郭が不自然だった。CBSはプランビコンによって生成された映像の輪郭補正回路を初めて開発した。 プランビコンはサチコンと比べてコメットテールの長さは短く、わずかに高い解像度を有していた。1980年以降、ダイオードガンプランビコンの開発により、双方の性能は放送用レベルの頂点に達した。放送用カメラはCCDにとって代わったが、医療分野では現在もプランビコン管は使用されている。 サチコン (Saticon) NHK放送技術研究所と日立製作所が開発した。日立とトムソンとソニーの商標である。光電面はセレン砒素テルル(SeAsTe)である。価格はプランビコンと比較しても安価で高性能であったことから、放送用・業務用ビデオカメラにとどまらず、家庭用ビデオカメラや、後述のトリニコンの開発にも貢献した。初期のアナログ・ハイビジョンカメラの撮像部は静電収束・静電偏向(SS)型サチコン管を使用していた。 サチコン サチコン搭載カメラ Pasecon Heimannの商標である。光電面はカドミウムセレン(CdSe)である。 ニュービコン ニュービコン、ニューコスビコンはパナソニックが開発しパナソニックの商標である。高感度であった。光電面は亜鉛セレン(ZnSe)、亜鉛カドミウムテルル(ZnCdTe)である。 トリニコン (Trinicon ) ソニーが開発しソニーの商標である。垂直の縞状のRGBフィルターが受光部にあり、赤、緑、青を走査する。放送用のカメラは各色にそれぞれ1本の撮像管を使用していたのに対してローエンドのカメラやカムコーダーにはこの1本で3色受け持つ撮像管が使用された。1980年代DXC-1800やBVP-1に使用された。CCDの普及により使用されなくなった。
※この「さまざまな撮像管」の解説は、「撮像管」の解説の一部です。
「さまざまな撮像管」を含む「撮像管」の記事については、「撮像管」の概要を参照ください。
- さまざまな撮像管のページへのリンク