共謀罪
きょうぼう‐ざい【共謀罪】
共謀罪(きょうぼうざい)(conspiracy)
4年以上の懲役または禁固にあたる犯罪について、犯罪の着手がなくても団体の活動として共謀した段階で罪が成立する行為。組織的犯罪処罰法の改正案として今国会で提出されたが、まだ成立していない。
殺人罪や放火罪などのように死刑または無期もしくは10年を超える懲役・禁固にあたる犯罪について共謀した場合は、5年以下の懲役または禁固に処する。また、窃盗罪などのように4年以上10年以下の懲役・禁固にあたる犯罪について共謀した場合は、2年以下の懲役または禁固に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、刑を免除するか、さもなければ減刑する。
日本が2000年に署名した「国連組織犯罪防止条約」に伴う国内法整備として共謀罪の新設が浮上した。同条約では、共謀罪の要件を「組織的犯罪集団が関与するもの」としている。
犯罪の国際化と組織化、それに情報技術の高度化に対処することを目的に、甚大な被害が予想される犯罪の発生を未然に防ぐ必要性はあるが、共謀罪として犯罪の着手がなくても処罰可能とする点には、運用方法によっては人権侵害につながるおそれがある。
犯罪の処罰範囲が広すぎると批判されていた共謀罪の新設について、今国会の会期末までの審議時間が確保できない見通しになったことから、秋の臨時国会での継続審議を目指すことになった。
(2005.08.01掲載)
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