《足袋》の正しい読み方
「足袋」の正しい読み方
「足袋」の正しい読み方は「たび」である。足袋の「足」は訓読みで「あし」、音読みで「そく」、「袋」は訓読みで「ふくろ(袋)」音読みで「たい」「てい」と読むことができるが、「あしぶくろ」という読み方は正しくない。足袋を「たび」と読むのは熟字訓の読み方で、熟字(二字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みがあてられている。熟字訓は、漢字一つ一つに読み方があてられていないため、「足袋(たび)」の「足」を単体で「た」と読んだり、「袋」を単体で「び」と読んだりすることはない。「足袋 」の意味解説
足袋は「つま先が二つに分かれた袋状の履物」のことを意味する。主として、和装や礼装のときにはかれるが、足の甲と底の部分だけが覆われるような袋状の履物は、親指だけがわかれている。そして、冬の季節や寒い日などに、下駄や草履を履く前に防寒目的で用いられるため、親指と他の四本の指で鼻緒の部分を挟めるようなつくりになっている。現在の足袋は、縫い付けられた爪型の小さな留め具・鞐(こはぜ)留めになっているものが多い。なぜ「足袋」と読むのか・理由
足袋は奈良時代に存在したとされる「襪(したうず)」と呼ばれるものに由来する。これは、当時の富裕層の間で使われていた指の股の分かれていない鹿皮から作られた外履きで、「単皮(たんぴ)」とも呼ばれ、この呼び方が足袋(たび)の語源となったようだ。また、旅に出る際に履かれていたので、「旅沓(たびぐつ)」と呼ばれ、それが「たび」になったとも言われる。「足袋 」の類語・用例・例文
足袋の類語には、「靴下(くつした)」「脚絆(きゃはん)」「ソックス」などが挙げられる。そのほかにも、足の形に作った袋状で、足にはかれるもの全般が類語になるだろう。「足袋跣(たびはだし)」といった言葉があるが、これは、下駄や草履を履かず、足袋のまま地面を歩くようすを表すもので、「足袋跣で、外に逃げ出す」といった用いられ方をする。例文として、「車夫は草鞋も足袋も穿かずに素足を柔かそうな土の上に踏みつけて、腰の力で車を爪先上りに引き上げる。」(夏目漱石 「初秋の一日」)「子供のときから何かといえば跣足になりたがった。冬でも足袋をはかず、夏はむろん、洗濯などするときは決っていそいそと下駄をぬいだ。」(織田作之助 「雨」)「なんでも手足がなおれば、足袋なり手袋なりこしらえて上げるんだそうよ、ねい省さん。」(伊藤左千夫 「春の潮」)「髪の毛を前へおろして、糊の寝た浴衣を着、暑いのに黒足袋を穿いていた。」(梶井基次郎 「城のある町にて」)などの名作にも多く残されている。
「足袋 」の英語用例・例文
足袋を英語に訳すと、「Japanese socks」「 tabi」「 socks」になる。足袋は2つで1セットのため、「~a pair of tabi」と用いられることが多い。「put on a pair of tabi(足袋をはく)」「 wear (have on) a pair of tabi(足袋をはいている)」「be in tabi(足袋はだしになっている)」と表現される。また、足袋屋を意味する場合、足袋を扱うお店を「 a tabi store (shop)」、足袋職人を「 a tabi maker」と表す。例文として、「Shirotabi (white japanese socks ) are worn.(白足袋をはく)」「I did not allow you to wear a tabi.(足袋を履かせなかった)」などが挙げられる。- 《足袋》の正しい読み方のページへのリンク