iモード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 05:21 UTC 版)
特徴
基本操作
iモードボタン(携帯電話端末の『i』ロゴボタン)を押すことでiモードが起動してiメニューが表示され、iモードブラウザ等の各種サービスの項目からコンテンツを選択することで使用することが可能である。iモードブラウザーでは、各種サービスの登録にて有料、無料問わずコンテンツが楽しめるシステムになっている。基本操作は矢印ボタンと決定ボタンで行い、文字入力などは番号ボタンを使用する。メニュー項目選択時に番号ボタンを押すことで直感的な操作も可能である。iアプリについては、『i』ロゴボタンを長押しすることでiアプリメニューが起動し、各種アプリを選択する。
iモードメールを使用する場合は、携帯電話端末の『i』ロゴボタンとは別に独立したメールボタンを押すことでメールブラウザが起動し、文字の入力、iショット画像の添付、メール送信が可能である。受信メールの閲覧はメールブラウザを起動することで可能である。尚、iモードメールのドメインは「○○○○○@docomo.ne.jp
」である。
通信
通信はパケット方式(movaではDoPaを使用)で行われ、通信料金は通信時間単位ではなく通信データ量(パケット量)に応じた課金システムとなっている。利用にあたっては、iモード基本料、iモード付加機能使用料、パケット通信料が課金される(→#基本料金)。iモードブラウザではページの更新時に、iモードメールではメールの送受信時及びiショット画像のアップロード時に(iショット画像や他社の画像メールサービスの受信時は、iモードブラウザの通信データ量に準拠)、iアプリでは、アプリにもよるがアプリ側が通信を要求して認可した場合に通信データ量が発生する。
初期の頃は、通信データ量に応じて料金が加算される従量制の課金システムのため、iモードの使用頻度が多くなるにつれて通信データ量が多くなり、結果的に莫大な使用料金となるいわゆる「パケ死」が社会問題となっていた。FOMAでは通信データ量が見直され、後にパケット通信料が定額制の「パケ・ホーダイ」の開始により、パケ死の問題は解消された。
システム
端末がアクセスポイントとして接続するiモードセンターは、閉鎖的な「iモード専用ネットワーク」と外部のインターネットに接続するゲートウェイの役割がある。iモード専用ネットワーク内ではNTTドコモに認可されたコンテンツプロバイダによる各種ウェブサイトがiメニューサイトを介して提供される。情報料を設定することが可能であり、課金する場合はドコモがiモード情報料として課金徴収代行を行う。
また、iモードメールの設定や契約情報の変更(eサイト)なども行える。外部のインターネットからiモード専用ネットワーク内のURLを指定しても403エラー(アクセス拒否)または「お客様のご利用機種には対応しておりません」と応答するなど高セキュリティとなっている。
iモードのシステムは、2003年からNTTデータと日本電気が共同開発したCiRCUSによって運用され、CARNiVALというシステムによって24時間365日有人監視されている。
ウェブの規格
携帯電話業界の規格であるWAP・HDML・WMLを採用せず、一般的に普及しているHTTPとHTMLを採用したことにより、コンテンツの開発が容易になった。これによって、iモードサービス開始後も、iアプリ、iエリア、デコメール、iモードFelicaなどの派生サービスを投入できた。
ウェブの通信プロトコルおよび記述言語は、HTTPと、Compact HTML(HTMLのサブセット)を採用している。2001年に登場したFOMAではIMT-2000規格のパケット通信によってiモードに接続する。
iモードの正式なコンテンツプロバイダとして承認されていない企業や個人でも Compact HTMLで記述し、インターネットのWebサーバー上に勝手サイトとして公開することでコンテンツを提供することが可能であった。当然ながら、ISPとなるドコモは勝手サイトの内容については一切関知していない。
注釈
出典
- ^ “「iモード」新規受付が終了、2019年9月30日で(Impress Watch)”. Yahoo!ニュース. 2019年4月15日閲覧。
- ^ a b 7. 新規受付終了
- ^ a b 「iモード」新規受付が終了、2019年9月30日で
- ^ “「FOMA」および「iモード」のサービス終了について”. NTTドコモ (2019年10月29日). 2020年7月20日閲覧。
- ^ “Largest Wireless Internet Provider”. ギネス・ワールド・レコーズ. 2011年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月20日閲覧。
- ^ 「iモード」とは何だったのか その本質と功績、iPhoneに駆逐された理由(3/3 ページ) - ITmedia NEWS
- ^ iモード公式サイトの終焉とコンテンツビジネス進化の系譜【西田宗千佳のイマトミライ】-Impress Watch
- ^ ドコモ ケータイ(iモード)出荷終了について
- ^ 報道発表資料 :新たな海外iモード対応端末ラインナップの展開について|お知らせ|NTTドコモ
- ^ ドコモ、「S60」用のiモード環境を海外オペレータに提供 - ITmedia +D モバイル
- ^ ドコモ、ノキア「S60」でiモードが利用できるアプリ
- ^ 【速報】NTTドコモが「iPhoneの提供は考えていない」と正式に回答
- ^ 2次創作がコンテンツの寿命を延ばす──角川会長と川上会長が話す、ネット時代の電子書籍 (3/3) - ITmedia ニュース 「プラットフォーマーはどうしても強くなってしまう。『iモード』モデルを世界に普及させた時、国内のNTTドコモの取り分は10%だったが、海外の事業者は50%取った。それが正しい配分だからだ。だがその結果、携帯コンテンツ文化が花開いたのは日本だけだった」
- ^ 日経クロステック(xTECH). “iPhone登場で僕がドコモでやるべきことは終わった。だから辞めた──ドワンゴ夏野氏”. 日経クロステック(xTECH). 2021年2月3日閲覧。
- ^ Mallon, Diarmuid. “Where Are They Now? i-mode” (英語). ZDNet. 2021年2月3日閲覧。
- ^ ドコモのiモード、豪英通信事業者がサービス終了(ロイター、2007年7月18日)
- ^ オーストラリアTelstra社のiモードサービス終了について<2007年7月17日>
- ^ 英国の「iモード」打ち切り方針 利用者低迷で(産経新聞 2007年7月18日付)
- ^ [1]
- ^ [2][3]
- ^ [4]
- iモードのページへのリンク