MIX (漫画)
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MIX | |
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ジャンル | 少年漫画 |
漫画 | |
作者 | あだち充 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ゲッサン |
レーベル | ゲッサン少年サンデーコミックス |
発表号 | 2012年6月号 - |
発表期間 | 2012年5月12日[1] - |
巻数 | 既刊22巻(2024年5月現在) |
アニメ:MIX(1ST SEASON) MIX MEISEI STORY 2ND SEASON 〜二度目の夏、空の向こうへ〜(2ND SEASON) | |
原作 | あだち充 |
監督 | 渡部穏寛(1ST SEASON) 神谷智大(2ND SEASON) |
シリーズ構成 | 冨岡淳広 |
キャラクターデザイン | 牧孝雄 |
音楽 | 住友紀人 |
アニメーション制作 | OLM Team Kojima(1ST SEASON) OLM Team Masuda(2ND SEASON) |
製作 | 1ST SEASON: 読売テレビ・小学館集英社プロダクション 2ND SEASON: MIX MEISEI STORY製作委員会2023 |
放送局 | 読売テレビ・日本テレビ系列ほか |
放送期間 | 1ST SEASON:2019年4月6日 - 9月28日 2ND SEASON:2023年4月1日 - 9月23日 |
話数 | 1ST SEASON:全24話 2ND SEASON:全24話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
舞台は『タッチ』から約30年後の明青学園。すっかり低迷した明青学園の野球部に入部した、同い年の義兄弟である立花投馬・走一郎たちが、上杉達也らを擁した年以来の甲子園出場を目指す[注 1]。
制作背景
「明青学園をもう一度、甲子園に連れて行ってください」との担当編集者からの希望を受け連載が決定。担当はちょうど達也たちの子どもが高校生になっているころだと思い立ち、長年温めていた新連載の案を出した。だがあだちは常々自作の続編は描かないと公言しており、あくまで同じ世界観と舞台の作品を依頼するに留める。再び同じ舞台を描くことに当初あだちは乗り気ではなかったものの、明青学園の校舎のモデルであり自身の母校でもある前橋商業に久しぶりに赴き、時間の変化のようなものが描けるかもしれないと思ったことから、現在の明青学園を舞台とする連載を引き受ける[6][7]。『MIX』は「古豪復活の物語です」[8]という。
本作であだちは面白いと思える要素を既に手がけたかどうかに囚われずに、現在の感性で描きあげることを目指している。「血の繋がらない兄妹という『みゆき』の要素とか、もういろいろとぶち込んでおきました」[7]とし、『タッチ』以外からも要素の取り入れを明言。タイトルの『MIX』とは過去作の要素のミックスを意味する[6]。当初『タッチ』の続編という意識はなかったといい[注 2]、「達也と南の『その後』に関してはすごく良いアイデアが浮かんだら描くかも」[8]と言葉を濁している。明青学園の今の世代の話として気楽に始めた連載であり、ファンからの反響の大きさで意識が変わった部分はあるが、『タッチ』のキャラクターの登場も含めて先の展開は未定だという。変に裏切ったりするのは嫌だし想像を刺激する部分は刺激させてあげようという感じとのこと[6][9]。現在のところ上杉達也と浅倉南は回想のみでの描写であり、最終話後の動向は描かれていない。サブキャラクターに関しては『タッチ』や世界観を同じくする『みゆき』から数名が再び登場し、作中での現状が描かれている。
なお『タッチ』のアニメ版独自の続編は、本作と全く関係がない。アニメスタッフからの要望を受け制作の許可を出したが、“ノー・タッチ”であるため、あだち充は原作でなく原案とクレジットされている[6][10][11]。
あらすじ
中等部
明青学園中等部2年生の立花投馬・立花走一郎は同年同月同日に生まれたが、血の繋がらない兄弟である。母を亡くした投馬と父を亡くした走一郎・妹で1年生の立花音美の3人は、7年前に両親の再婚によって義兄弟となったのだ。
野球部に所属する2人は鬱屈した気持ちを抱えていた。野球部に大きな影響力を持つOBの息子である二階堂大輔という3年生が、監督の意向によって優れた能力もないままにエースとして起用され続けていたからだ。甲子園優勝から26年、エース上杉達也の巻き起こした明青旋風の見る影もなく、野球部は高等部も中等部も低迷を続けていた。投馬が投手・走一郎が捕手のバッテリーとして活躍することを夢見ていた2人は、高校は他校に進学することを検討するようになる。
だが、エースの不甲斐なさに憤っていたある日、二階堂が重い病を抱えていたことに気が付く。病院で奇跡的に手術が成功していた二階堂と対面し、死ぬ前に父親にエースとしての自分の活躍を見せるため監督に無理を言っていたという告白を受け、完全ではないにしろわだかまりを解く。そして明青のエースナンバー背番号1を託される。
高等部 1年目
明青学園高等部に進学した投馬・走一郎は、新監督として迎えられた大山吾郎、中等部からの内部生である駒耕作や一学年上の今川正、外部生の南郷四郎、大山監督の娘でマネージャーとして途中加入した大山春夏らとともに甲子園を目指す。1年生エース西村拓味とその父西村勇監督の率いる勢南高校、名門復活に取り組み1年生で4番の赤井智仁などの人材を確保した健丈高校(元須見工業高校)、プロ注目の3年生エース三田浩樹を擁する東秀高校など、東東京地区は強豪揃い。 そのさなか2人は大山監督と投馬の父の英介だけでなく、走一郎の実父の澤井圭一も明青学園野球部に所属していたことを知る。圭一は、1年生の東東京大会で負傷し引退したものの、上杉達也卒業後の世代で最も才覚を示した伝説のエースだったのだ。英介が古い納戸にこっそり保管していた背番号1も圭一から譲り受けたものだった。走一郎はエースを争ってみないかと英介や大山監督から提案されていたが、エースにふさわしいのはあくまで投馬だと固辞し、捕手に徹する。
夏の東東京大会初戦の相手は健丈高校。投馬にとって赤井智仁は第一印象の悪い相手だったが、プレーの中で考えを改める。明青が勝利を収めるものの、結果的にこの大会中投馬から打点をあげたのは智仁のみであった。その後も明青は快進撃を続け、準決勝戦で東秀と激突する。投馬は三田浩樹と熾烈な投手戦を繰り広げるが、経験と体力がおよばず惜敗。野球部の復活と投馬の活躍は世間からの大きな注目を集めた。入部希望者が続々と現れる中、中等部時代に監督に反発して部を辞めていた錦研二も戻り、新たな人員とともに野球部は練習を重ねる。
高等部 2年目
翌年、明青学園高等部に音美とピッチャー志望の夏野一番、三田浩樹の妹の三田亜里沙、赤井智仁の弟の赤井遼が入学する。投馬は智仁から自分たちも血の繋がらない兄弟であること、過去のトラブルにより兄弟仲がうまく行っていないこと、自分に対するコンプレックスから辞めてしまったが弟は元々野球好きで才能もあると考えていることなどを打ち明けられる。そして、おれを悪者にしてあいつをくどけと頼まれ、承諾。夏野や遼ら新入部員を迎えてこの年の野球部が始動する。
エースの投馬と走一郎どのバッテリーを中心に東東京大会を順調に勝ち進み、準決勝ではエース西村拓味の勢南高校を2-1で下し、決勝進出を決める。しかし投馬の父、立花英介が準決勝を観戦中にトイレで心筋梗塞を発症して病死。そのことから投げられないとした走一郎の判断で決勝戦の健丈戦では夏野が登板するも3-1で敗北し甲子園出場はできず、投馬達には不完全燃焼のまま2年目の夏は終わる。
- ^ a b 高等部の過去の成績について、1話目の今川の台詞と5話目の作者の解説によると、本作では『タッチ』作中での甲子園出場が最初で最後ということになっており、『KATSU!』でのそれから16年後にも出場したという設定は引き継がれなかった[5]。
- ^ 『タッチ』の上杉達也を主人公とするストーリーとは筋立ての連続性がない点からあだちは続編でないと語る場合があるが[7][8]、世界観と舞台は同一である点から続編とする場合もある[6]。思わぬ反響の広がりについての戸惑いをしばしば語るが、『タッチ』で育った世代が大きく話題にしてくれている点自体に対しては肯定的に捉えている[7]。
- ^ 錦からは一人っ子と勘違いされている。
- ^ 立花英介が死んだことを暗示させた風が吹き投馬の気が抜けた。
- ^ 「サンデーうぇぶり」で行われた「あだち充キャラクタークイズ!」[27]では、本作に登場する間崎を【間崎 竜一<大人>】、『みゆき』に登場する間崎を【間崎 竜一<高校生>】と記載している。
- ^ 宣伝などにら~めんドラゴンを元「南風」(『タッチ』の浅倉家の喫茶店)と表記するものがあったが、当時の漫画本編にそれを裏付ける描写はなく、第71話にて南風は別の場所であり現在駐車場となっていることが描写された。
- ^ 同局アナウンサー(当時)の青木源太を実況役として出演[64]させる形で協力。
- ^ a b このうち福井放送はNNS/ANNのクロスネット局だが、大半の時間帯がNNN/NNS系列主体の番組編成となっている。また、NNS/FNSのクロスネット局であるテレビ大分では遅れネットで放送されたほか、FNS/NNN/ANN(NNSは非加盟)のクロスネット局であるテレビ宮崎では放送されなかった。
- ^ a b 遅れネットの大分県、およびNNS系列局が所在しない佐賀県・宮崎県・沖縄県を除く。
- ^ ただし、系列キー局の日本テレビをはじめとする一部同系列局では10月19日(この日は前週台風情報に差し替えた特例遅れネット各局にて、前週分と同時ネット分の2回放送を実施)。
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