MIDI 用途と機器

MIDI

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/12 02:19 UTC 版)

用途と機器

本項ではMIDI規格が使われる用途と、MIDI規格を使用するハードウェア(機器)、ソフトウェアについて解説する。なお、箇条書きにしているハードウェアやソフトウェアは一例である。

音楽制作

総合的な音楽制作用途は、MIDIの代表的な使用例である。パソコンソフトウェア音源さえあれば、大がかりな設備投資をする必要無くDTMを楽しめるといったことで、90年代から一般の趣味としても普及し出した。

現代は、オーディオ編集とMIDIデータ編集を同時に行える統合環境DAWが業務向けを中心に普及している。

ハードウェア
送信側
受信側
ソフトウェア
送信側
受信側

かつては、ハードウェア音源の代わりに、PCM音源等の音源データをソフトウェア向けに加工し、パソコン上のサウンドボードでMIDIファイルの再生を可能にしたソフトウェアMIDI音源も開発された。しかしながら、同時発音数や音質がCPUの性能に依存するなど、ソフトウェアMIDI音源発売当初はリアルタイム演奏には不向きであった。

現在は、一般のパソコンがソフトウェア音源を処理するのに十分な性能を持ったことや、再生時に音源が不要なMP3等の圧縮音声ファイルフォーマットの普及により、一般ユーザーではDTM愛好家以外のハードウェアベースのMIDI音源の使用は著しく減少している。

録音・MA

録音MA (Multi Audio) でもMIDIは使用される。演奏情報の送受信ではなく、システムメッセージを中心とした同期処理が行われている。

ハードウェア
送信側
受信側
ソフトウェア
送信側
受信側
(別々のコンピュータ上のソフトウェアに関する同期)

カラオケ

カラオケ機器は、MIDIデータを再生する機能が備わっている。各カラオケ店舗では、インターネット回線を通じて最新曲のMIDIデータを受信する仕組みになっており、通信カラオケと呼ばれるのはこのためである。ブロードバンドインターネット接続が普及する以前は、現在のように大量の音声データをインターネットで送受信するのは困難であったが、MIDIデータであれば、当時の低速な回線でも十分に送受信可能であった。

なお、カラオケ用MIDIデータはカラオケデータ制作専門のプログラマなどが、ソフトシーケンサーなどを用いて制作し、通信カラオケ配信会社に卸す仕組みとなっている。

モバイル機器・着信メロディ

スマートフォンの登場以前、携帯電話の着信メロディにおいてMIDI規格が利用されていた。携帯電話内のデータを、携帯電話内に搭載された音源が処理し音を鳴らしている。携帯電話向けのRPも複数拡張された。

舞台照明・演出

1991年にRP-002としてMIDIショーコントロールが定義された。これにより、MIDIで舞台装置、照明、演出効果などが制御できるようになった。

ハードウェア
送信側
受信側
  • 各舞台用機材(照明など)

音声合成

2009年頃、音声をフーリエ解析し周波数ごとに分離して正弦波にし、それをMIDIで再生することで音声を擬似的に再現する技術が発明された。

その他

鉄道プラットホームで流れる発車メロディや、学校会社で流れるチャイムを再生するタイマーなどでもMIDI規格が応用されることがある。


  1. ^ a b c 藤本健 (2019年1月19日). “MIDIが38年ぶりのバージョンアップでMIDI 2.0に。従来のMIDI 1.0との互換性を保ちつつ機能強化|藤本健の “DTMステーション””. 藤本健の “DTMステーション”. 2019年4月24日閲覧。
  2. ^ 音楽電子事業協会 2016, p. 2-10.
  3. ^ ローランドとヤマハがMIDI規格の互換性向上で協力
  4. ^ ローランド創業者・梯郁太郎さんが受賞 米グラミー技術賞”. スポニチアネックス. スポニチアネックス (2013年2月10日). 2013年2月20日閲覧。
  5. ^ 劉尭 (2017年6月7日). “音楽電子事業協会、MIDI 1.0規格書を無償ダウンロード提供”. PC Watch. インプレス. 2017年6月7日閲覧。





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