L-リブロース-5-リン酸-4-エピメラーゼ L-リブロース-5-リン酸-4-エピメラーゼの概要

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L-リブロース-5-リン酸-4-エピメラーゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/01/21 06:38 UTC 版)

L-リブロース-5-リン酸-4-エピメラーゼ
識別子
EC番号 5.1.3.4
CAS登録番号 9024-19-5
データベース
IntEnz IntEnz view
BRENDA BRENDA entry
ExPASy NiceZyme view
KEGG KEGG entry
MetaCyc metabolic pathway
PRIAM profile
PDB構造 RCSB PDB PDBe PDBsum
遺伝子オントロジー AmiGO / EGO

この酵素の分子量は102 kDaで、4つの相同な25.5 kDaのサブユニットで構成されていると考えられている。異性化酵素、特に炭水化物及びその類縁体に作用するラセマーゼエピメラーゼに分類される[2]。系統名は、L-リブロース-5-リン酸 4-エピメラーゼである。その他、phosphoribulose isomerase、ribulose phosphate 4-epimerase、L-ribulose-phosphate 4-epimerase、L-ribulose 5-phosphate 4-epimerase、AraD及びL-Ru5P等とも呼ばれる。この酵素は、ペントースグルクロン酸の相互変換、またアスコルビン酸及びアルダル酸の代謝に関与している。

機構

L-リブロース-5-リン酸-4-エピメラーゼは、逆アルドール切断とそれに続くアルドール反応によって、L-リブロース-5-リン酸をエピマー化してD-キシルロース-5-リン酸に変換する反応を触媒する。提案されている作用機構は、C-4位のヒドロキシル基からプロトンを奪い、その後C-3位とC-4位の間の結合を切断して、金属安定なエン二酸アセトンとグリコールアルデヒドリン酸の断片を与えるというものである。その後、グリコールアルデヒドリン酸のC-C結合は180°回転し、C-3位とC-4位の間のC-C結合が再生されて、C-4位の立体化学が逆転する[3]

この機構以外のスキームとしては、脱水反応によるものがあるが、論文[2][3]では2つの理由からアルドール機構が優勢である。1つ目は、逆アルドール切断機構は、L-フクロース-リン酸アルドラーゼにより触媒される反応のアナログで、一連の類似性がかなり高い。2つ目は、炭素13重水素を用いた速度論的同位体効果]の分析がアルドール機構を示していることである。C-3位とC-4位の重水素同位体効果はほとんどか全く差がないと報告されており、これらのC-H結合はエピマー化の際に壊れていることが示唆される。脱水機構の場合は、C-H結合の開裂が律速段階となり、C-3位の水素から重水素への置換がその速度をかなり変化させるため、C-3位の同位体効果が変化するはずである[3]。同時に、かなり大きな炭素13同位体効果があり、アルドール機構で予想されるような律速のC-C結合の開裂があることが示唆される[3]

構造

構造はホモの四量体で、C4対称性を示す[4]。それぞれのサブユニットは、中央のβシートαヘリックスの層で両側面に位置する1つのドメインから構成されている。中央のβシートは、9つのβらせん(b1-b9)からできており、b7とb8の間以外は逆平行である。8つのαヘリックスは、中央のβシートの両端に2つの層を形成している。活性部位は、触媒性の亜鉛残基の位置で識別でき、2つの隣接サブユニットの間に位置している。Asp76、His95、His97及びHis171は、金属結合残基として働く。この構造の特徴は、L-フクロース-リン酸アルドラーゼに非常に似ている[2]。これは、両酵素が金属安定エノラート中間体を介してC-C結合の切断反応を触媒するエピメラーゼ/アルドラーゼのスーパーファミリーに属していることと合致する。


  1. ^ Englesberg, E.; R.L. Anderson, R. Weinberg (29 January 1962). "L-Arabinose-Sensitive, L-Ribulose 5-phosphate 4-Epimerase-Deficient Mutants of Escherichia coli". Journal of Bacteriology 84 (137). Retrieved 17 May 2011. 
  2. ^ a b c d Yu, Luo; Jomy Samuel; Steven C Mosimann; Jeffrey E Lee; Martin E Tanner; Natalie CJ Strynadka (2001). "The Structure of Ribulose-5-Phosphate 4-Epimerase: An Aldolase-like Platform for Epimerization". Biochemistry (40): 14763–14771. doi:10.1021/bi0112513. PMID 11732895. Retrieved 16 May 2011. 
  3. ^ a b c d Lee LV, Vu MV, Cleland WW (April 2000). "13C and deuterium isotope effects suggest an aldol cleavage mechanism for L-ribulose-5-phosphate 4-epimerase". Biochemistry 39 (16): 4808–20. doi:10.1021/bi992894+. PMID 10769138. 
  4. ^ Andersson, Arnold; Gunter Schneider (15 May 1995). "Purification and preliminary X-ray crystallographic studies of recombinant ~-ribulose-5-phosphate 4-epimerase from Escherichia coli". Protein Science 4 (12): 1648–1650. doi:10.1002/pro.5560040823. PMC 2143197. PMID 8520491. 
  5. ^ Samuel, Jomy; Yu Luo; Paul M Morgan; Natalie CJ Strynadka; Martin E Tanner (9 November 2001). "Catalysis and binding in L-Ribulose 5-Phosphate 4-Epimerase: A Comparison with L-Fuculose Phosphate Aldolase". Biochemistry 40 (49): 14772–14780. doi:10.1021/bi011252v. PMID 11732896. Retrieved 17 May 2011. 


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