Kuバンド セグメントと地域

Kuバンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 16:02 UTC 版)

セグメントと地域

このバンドの1つの使用例は直接放送衛星テレビである。地球から35,700km離れた静止軌道にある放送通信衛星からのKu バンドマイクロ波ビームを介した衛星テレビチャンネルを受信する住宅の衛星放送受信アンテナ

アメリカ

北米および南米のほとんどは、ITU第2地域であり、11.7-12.2 GHz (局部発振器周波数 (LOF) 10.75-11.25 GHz)がFSS(固定衛星業務)に、14.0-14.5GHzがアップリンクに割り当てられている。北米の周りを回っているFSS Ku バンド衛星が22以上あり、1つ1つが12から48のトランスポンダを搭載し、1つのトランスポンダあたり20-120ワットであり、はっきりと受信するためには0.8-1.5mのアンテナが必要である。

12.2-12.7 GHz (LOF 11.25-11.75 GHz) のセグメントはBSS(放送衛星業務)に割り当てられる。BSS (DBS直接放送衛星) は100から240ワットの電力で動作する27GHz帯域幅のトランスポンダを通常16から32個搭載し、18インチ(450mm)ほどの小さい受信アンテナの使用を可能にする。

ヨーロッパ・アフリカ

ヨーロッパ・アフリカでのセグメントはITU第一地域で表され、11.45-11.7および12.5-12.75GHz帯域がFSS (固定衛星業務, アップリンク14.0-14.5 GHz) に割り当てられている。ヨーロッパにおいてはKuバンドは10.7-12.75GHz (LOF低 9.750 GHz, LOF高 10.750 GHz) がアストラ衛星に搭載されるような直接放送衛星業務に使用されている。11.7-12.5GHzはBSS(放送衛星業務)に割り当てられている。

オーストラリア

オーストラリアはITU第3地域の一部であり、オーストラリアの規制環境は11.70-12.75GHzのダウンリンクおよび14.0-14.5GHzのアップリンクに及ぶクラスライセンスを提供している[4]

インドネシア

ITUインドネシアを非常に高い降雨量である地域Pに分類している。これによりインドネシアでKuバンド (11 – 18 GHz) を使うことについて多くの人々が確信を持てなくなった。もし豪雨の地域で10GHzを超える周波数を使うと、通信の有効性が低下する。この問題は無線通信回線を設計する際に適切なリンクバジェットを使用することで解決することができる。高いパワーにより雨の損失で減衰するのを克服できる。

インドネシアにおける降雨による減衰の測定は、パダン、チビノン、スラバヤ、バンドンの衛星通信回線に対して行われた。インドネシアにおいてITUモデルに加え、DAHモデルが雨による減衰を予測するのに有効である。DAHモデルは2001年よりITU勧告となっている(勧告番号 No. ITU-R P.618-7)。このモデルは99.7%利用可能な回線を作製することができ、Kuバンドをインドネシアで適用できるようになる。

インドネシアのような熱帯地域の衛星通信にKuバンドを使用することの頻度が増えている。インドネシア上の衛星のいくつかはKuバンドのトランスポンダ、さらにKaバンドのトランスポンダを搭載している。2002年12月に打ち上げられ95°東に位置するNewskies (NSS 6)にはインドネシア(スマトラ島ジャワ島ボルネオ島スラウェシ島バリ島小スンダ列島モルッカ諸島)で受信可能なKuバンドトランスポンダのみ搭載している。NSS 6は2018年6月に打ち上げられ54個のKuバンドトランスポンダを搭載する同じ場所にあるSES-12に置き換えられる予定である。2004年に打ち上げられたiPSTAR衛星もKuバンドを用いている。Kuバンドを用いてインドネシアで受信できる衛星は他にパラパ D, MEASAT 3/3A, JCSAT-4B, AsiaSat 5, ST 2, Chinasat 11, Korea Telecom Koreasat 8/ABS 2 (2nd half 2013), SES-8がある。

Kuバンド内のITUの他の割り当てには、固定業務(マイクロ波塔)、電波天文学業務、宇宙研究業務、移動業務、無線測位業務(レーダー)、アマチュア無線業務、無線ナビゲーションなどがある。しかし、これらの業務のすべてが実際にこの帯域で動作しているわけではなく、あまり使われていないものもある。


  1. ^ IEEE Std 521 - 2002 URL only available to IEEE members
  2. ^ 11.2–12 GHzの帯域ではKuバンドとXバンドの「動作」定義が重複している。衛星通信のエンジニアは通常11.2 GHzを超える周波数をKuバンドの一部とみなす。
  3. ^ Radar Detectors Glossary
  4. ^ Radiocommunications (Communication with Space Object) Class Licence 1998”. Federal Register of Legislation. Australian Government (2012年3月21日). 2016年7月6日閲覧。
  5. ^ Mirabito, M; Morgenstern, B (2004). Satellites: Operations and Applications. The New Communication Technologies (5 ed.). Burlington: Focal Press.. ISBN 978-0240805863 
  6. ^ Satellite Communications: Advantage and Disadvantages Archived 2007-10-23 at the Wayback Machine.
  7. ^ Martin Chaplin: Water and Microwaves.
  8. ^ TECH-FAQ: Ku band.


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