17.5mmフィルム 17.5mmフィルムの概要

17.5mmフィルム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/02 15:50 UTC 版)

各規格での17.5mmフィルムの形態の違い。画像中「1. Biotac」は「1. Birtac」の誤り。

1937年(昭和12年)に日本の美篶商会が同幅のフィルムを写真用に導入している。⇒ #写真用フィルムミゼットフィルム

略歴・概要

1885年(明治18年)にアメリカ合衆国からイギリス・ロンドンに移住したバート・エイカーズは、写真家であったが、1895年(明治28年)には映画の撮影機「キネティックカメラ」を開発、映画作家になり、その過程で1898年、家庭用の小型映画の撮影・複写・映写の兼用機とそのためのフィルム規格「バータック」を発表した[1][2]。幅17.5mmの世界初のフィルム規格「バータック」は、パーフォレーション穴が1フレームあたり2個の片側穿孔タイプであった[1][2]。翌1899年(明治32年)、同じくロンドンのアルフレッド・ダーリング英語版がアルフレッド・レンチとともに、映画の撮影・複写・映写および写真撮影の兼用機「バイオカム」(英語: Biokam)を開発、アマチュアおよびセミプロ市場向けとした[2]。「バイオカム」のフィルムは、パーフォレーション穴が1フレームあたり1個のフレーム間穿孔タイプであった。さらに翌年の1900年(明治33年)には、同じくロンドンで、W・C・ヒューズが「ラ・ペティート」(フランス語: La Petite, ラ・プティットの英語読み)を発表、これも「バイオカム」同様、フィルムはパーフォレーション穴が1フレームあたり1個のフレーム間穿孔タイプであった。

1902年(明治35年)、ドイツ・ドレスデンエルネマン社が撮影・複写・映写兼用機「キノ」(ドイツ語: Kino)を発表、1904年(明治37年)には「キノII」を発表した。これもフィルムは、パーフォレーション穴が1フレームあたり1個のフレーム間穿孔タイプであった。1905年(明治38年)には米国・ニューヨークのイコノグラフ社が「イコノグラフ」(英語: Ikonograph)を発表、大量生産を行った。これもフィルムは「キノ」のものによく似ていたとされる。

1912年(大正元年)、ロンドンで「デュオスコープ」(英語: Duoscope)が発表になる。このフィルムは、パーフォレーション穴が1フレームあたり2個のフレーム間穿孔タイプであった。1917年(大正6年)には、コダックの所在地であるロチェスターで、「ムーヴェット」(英語: Movette)が発表になり、このフィルムは、パーフォレーション穴が1フレームあたり2個の両側穿孔タイプであった。1920年(大正9年)には、オーストリアで「クルー」(フランス語: Clou)が発表され、フィルムは、パーフォレーション穴が1フレームあたり2個のフレーム間穿孔タイプであった。

1926年(大正15年)、パテ社が、パーフォレーション穴が1フレームあたり1個の両側穿孔タイプのフィルム規格「パテ・ルーラル」を発表、1932年(昭和7年)には光学サウンドトラックを導入してトーキー化したが、さほど普及はしなかった。米国のコダックが、1921年(大正10年)には16mmフィルムシネコダック英語版)、1932年(昭和7年)には8mmフィルム(シネコダック8、のちの「ダブル8」)を発表し、世界流通を始めていた。

写真用フィルム

東郷堂のミゼットフィルム用写真機ヒット(1950年代発売)。

1937年(昭和12年)、日本の美篶商会が同幅のフィルムを写真用に導入、超小型写真機「ミゼット」とともに新規格「ミゼットフィルム」を発表した。同規格は、第二次世界大戦終了(1945年)後しばらくまでの間、日本の超小型写真のスタンダード規格となった。裏紙つき・無孔のロールフィルム、画面サイズ「14×14mm判」の正方形、10枚撮り。


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  1. ^ a b c d Birt Acres (英語), earlycinema.com, 2012年3月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e MACHINES (英語), Who's Who of Victorian Cinema, 2012年3月14日閲覧。


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