魔女っ子メグちゃん 概要

魔女っ子メグちゃん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 01:53 UTC 版)

概要

本作の企画案は、前作『ミラクル少女リミットちゃん』と同じひろみプロが作成。これをもとに、魔法使いから発展した魔女の世界観を用いて、魔界の女王候補となるライバルとの駆け引きを描くことを軸とし、従来路線との差別化を図った。魔法少女作品において、主人公の魔法少女とほぼ同じ能力を使うライバルキャラクターが登場した最初の作品である。また、クールなライバルヒロインのノン、コメディーリリーフの調査官チョーサン、真の悪役として設定された闇の女王サターンは、後の魔法少女物のサブキャラクター像に大きな影響を与えている。

前川陽子の歌唱による、背伸び気味の少女期の気分や魅力を強調した七五調の主題歌も特徴のひとつで、オープニングに描かれた「チラ見え」のエロチシズムも相まって、メグの小悪魔的な魅力を高めるのに一役買った傑作といわれる。オープニングでも表れているように、本作のコンセプトは「『ハニー』より控えめで綺麗に可愛く小粋にいこう」である。西洋の街並みを思わせる無国籍な世界観、少女マンガやファッショングラビアを彷彿とさせる画面構成やデザインは、これを意識したスタッフの試みの表れである。

感情的かつお転婆でやんちゃなメグのキャラクターは従来の優等生的な魔法少女像を払拭し、これ以降の魔法少女物では、活発かつ活動的な性格付けの主人公が主流となる。さらにコメディーの要素も加味したことで、ドタバタのお笑い、露出度のやや高いサービスシーンも追加された。

それまでの魔法少女アニメの主人公よりも年齢が高めで思春期を迎えた年頃の少女像を伴ったメグの魅力と健康的なお色気を押し出した作風は、少年層に大きく訴求し、結果的に本作は少女のみならず少年の視聴者層からも人気を集めることとなった。

ともすればメグのあられもない描写に注目が行きがちな本作であるが、悩むより走り出す性格のメグを描くことは、やがて人間中心の物語展開を導くこととなった[2]

本作の終了後、『魔法使いサリー』から10年間放映された東映魔法少女アニメは、3年以上の休息期間を経て、次作『花の子ルンルン』の放映に至る。


  1. ^ 再開後のシリーズが何作目に当たるかについて、特に公式見解は見られない。そもそもシリーズの範囲が明確ではなく、『ルンルン』以外にも解釈によっては次作と見なされる可能性がある作品が存在する。
  2. ^ 『魔女っ子アニメ大全集』:東映動画篇、(株)BANDAI、1993年8月20日 98頁。ISBN 4-89189-505-5
  3. ^ 演じている大竹は『マジンガーZ』でもボス役を担当している。
  4. ^ なお、放送開始当初はかつてこの枠で放送され、渡辺が劇伴を担当した「魔法のマコちゃん」からのBGMの流用もあった。
  5. ^ 丘灯至夫顕章事業実行委員会『丘灯至夫生誕100周年記念誌 あの青春 この詩』小野町 ふるさと文化の館、2016年12月3日、37頁。 
  6. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1974年(昭和49年)4月 - 1975年(昭和50年)9月、テレビ欄。
  7. ^ a b 河北新報』1974年8月25日付朝刊テレビ欄。
  8. ^ 『河北新報』1974年4月28日 - 1975年11月23日付朝刊テレビ欄。
  9. ^ 『河北新報』1974年9月16日 - 1975年9月29日付朝刊テレビ欄。
  10. ^ 『河北新報』1974年4月1日 - 1975年9月29日付朝刊テレビ欄。
  11. ^ 福島民報』1974年4月1日 - 1975年9月29日付朝刊テレビ欄。
  12. ^ 日刊スポーツ』1975年9月1日 - 9月29日付テレビ欄。
  13. ^ a b 『日刊スポーツ』1975年9月4日 - 9月24日付テレビ欄。
  14. ^ 『日刊スポーツ』1975年9月5日 - 9月26日付テレビ欄。
  15. ^ 北國新聞』1975年9月30日付朝刊テレビ欄。
  16. ^ 『北國新聞』1975年3月6日付朝刊テレビ欄。
  17. ^ 『北國新聞』1976年7月19日 - 7月22日付朝刊テレビ欄。
  18. ^ 山陰中央新報』1975年9月テレビ欄。
  19. ^ a b c 山陽新聞』1975年9月テレビ欄。
  20. ^ 高知新聞』1975年9月テレビ欄。
  21. ^ a b c 熊本日日新聞』1975年9月テレビ欄。
  22. ^ 大分合同新聞』1975年9月テレビ欄。
  23. ^ a b 宮崎日日新聞』1975年9月テレビ欄。
  24. ^ 1975年夏の『東映まんがまつり』上映時期は『メグちゃん』の本放送期間と重なるが、本作からの作品の上映はなかった。
  25. ^ ただし1979年7月時の「まんがまつり」は一部地域のみの公開であり、全国公開の作品は、1980年3月15日の『花の子ルンルン こんにちわ桜の国』まで待つ事になる。






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