馬頭観音 真言・三昧耶形・種子・手印

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馬頭観音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/15 05:15 UTC 版)

真言・三昧耶形・種子・手印

真言

  • おん あみりと どはんば うんはった そわか[11]
  • おん あみりとどはば うん はった (天台宗系) [12]
  • Oṃ amṛtodbhava hūṃ phaṭ [13]

三昧耶形

  • 「白馬頭」。
  • 「碧馬頭」[14]
  • 三角形の中の「棍棒」。

種字

  • हूं (ウーン、hūṃ[11]または हं(カン、haṃ)[15][16]

  • 「馬頭観音印」[11]

馬頭観音の石仏・石碑

馬頭観音の石仏(千葉県)
馬頭観音の祠(静岡県沼津市)

近世以降は国内の流通が活発化し、馬が移動や荷運びの手段として使われることが多くなった。これに伴い馬が急死した路傍や芝先(馬捨場)などに馬頭観音が多く祀られ、動物への供養塔としての意味合いが強くなっていった。特に、このような例は中馬街道などで見られる。なお、「馬頭観世音」の文字だけ彫られた石碑は、多くが愛馬への供養として祀られたものである。また、千葉県では馬に跨った馬頭観音像が多く見られる[17]

現代の日本においては競馬場の近くに祀られていて、レース中の怪我により予後不良と診断されて薬殺された馬厩舎で亡くなった馬などの供養に用いられている場合もある。また、赤字等で廃止された地方競馬の競馬場では、旧敷地の片隅にあった馬頭観音が撤去されずに残され、かつての競馬場の存在を現在に伝える数少ない痕跡となっていることもある。

寺院

  • 西明寺栃木県:六観音) - 木造「馬頭観音立像」、鎌倉時代。
  • 輪王寺(栃木県) - 木造「馬頭観音立像」、三面八臂、1565年。
  • 行沢観音堂(群馬県) - 木造「馬頭観音立像」、三面六臂、鎌倉後期。
  • 橋立堂(埼玉県) - 木造「馬頭観音坐像」、三面六臂、鎌倉時代、秩父三十四観音霊場・28番札所。
  • 願定院(千葉県) - 木造「馬頭観音立像」、一面二臂、室町時代(1558年以前)。
  • 蓮華堂(千葉県) - 紙本著色「馬頭観音像」、一面八臂、江戸時代。
  • 浅草寺駒形堂(東京都) - 木造「馬頭観音立像」、三面六臂、17世紀。
  • 豊財院(石川県) - 木造「馬頭観音立像」、三面六臂、11世紀後半。
  • 中山寺福井県) - 木造「馬頭観音坐像」、三面八臂、鎌倉時代。
  • 馬居寺(福井県) - 木造「馬頭観音坐像」、三面八臂、12世紀。
  • 東観音寺愛知県) - 懸仏「馬頭観音坐像」、三面六臂、1271年、沙弥成仏作。
  • 補陀寺(愛知県) - 木造「馬頭観音立像」、三面六臂、12世紀。
  • 山門公民館(滋賀県) - 木造「馬頭観音坐像」、三面六臂、11世紀。
  • 浄瑠璃寺京都府) - 木造「馬頭観音立像」、三面八臂、1241年。
  • 大報恩寺(京都府) - 木造「馬頭観音立像」(六観音)、三面六臂、1224年、肥後別当定慶作。
  • 松尾寺(京都府) - 木造「馬頭観音坐像」、三面八臂、平安後期、西国三十三所・29番札所。
  • 金剛寺島根県) - 木造「馬頭観音坐像」、三面二臂、11世紀。
  • 観世音寺福岡県) - 木造「馬頭観音立像」、四面八臂、1126-1130年。
  • 殿原寺(佐賀県) - 木造「馬頭観音立像」、三面八臂、12世紀。
  • 長安寺大分県) - 銅筥板「馬頭観音図」、三面八臂、12世紀。

美術館等


注釈

  1. ^ 本壽院のものは文政6年(1823)造立、萬徳寺のものは平成4年(1992)の造立で、いずれも僧形を成す石像、馬の供養塔ないしは墓碑として作られたものである。

出典

  1. ^ a b 「馬頭観音」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
  2. ^ 『如意輪観音・馬頭観音像』(至文堂)、p54。
  3. ^ 『馬頭観音供』(芝金聲堂)、pp.56-58。
  4. ^ 『秋季特別展 馬頭観音信仰のひろがり』(馬の博物館)、p38。
  5. ^ 『秋季特別展 馬頭観音信仰のひろがり』(馬の博物館)、p34。
  6. ^ 『秋季特別展 馬頭観音信仰のひろがり』(馬の博物館)、p51。
  7. ^ 大護八郎 著 「馬に関する信仰と馬頭観世音」(『日本の石仏』 季刊第10号 特集・馬頭観世音)、pp.4-10。
  8. ^ 『チベットの仏たち』(方丈出版)、pp.60-64。
  9. ^ ラサ・セラ寺の巡り方 [LHASA・TIBET(風の旅行社)]
  10. ^ 「西蔵仏教宗義研究 第三巻 トゥカン『一切宗義』 ニンマ派の章」(東洋文庫)、pp.108-109、p161。
  11. ^ a b c 「印と真言の本」、学研、2004年2月、 p.100
  12. ^ 羽田守快『あなたを幸せにみちびく 観音さま』、大法輪閣、p. 127、2014年5月
  13. ^ 秋山学『呉音から西洋古典語ヘ(第1部)印欧語文献としての弘法大師請来密教経典』、文藝言語研究. 言語篇 -(61)、p.13、 2012年、筑波大学文藝・言語学系
  14. ^ 『観音像』(至文堂)、p70。
  15. ^ 児玉義隆『梵字必携』 朱鷺書房、1991年、p232
  16. ^ 徳山輝純『新版梵字手帖』 木耳社 1976年 p15
  17. ^ 『房総の馬乗り馬頭観音』(たけしま出版)、pp.14-23。
  18. ^ 『ボストン美術館蔵馬頭明王像』(美術史學會)、pp.140-142。


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