首都圏新都市鉄道TX-2000系電車
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改造工事
内装
- 朝夕ラッシュ時に女性専用車両を設定(2005年9月1日 - )
- 乗務員室内に無線LAN (NTT, WIPAS) のアンテナを設置(2005年夏 - 2006年夏)
- 第51 - 第59編成のボックスシート部にテーブルを設置(2006年1月 - 2006年3月)
- 優先席付近のつり革の色の変更(2007年頃)
- 開閉扉上部への小型LCD設置(2018年頃〜)
運転・走行機器
- マスター・コントローラーの取っ手部分の交換(2010年)
- 行先表示機のフルカラーLED化(2017年 - )
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未改造のLED式の行先表示器(2672)
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改造後のLED式の行先表示器(2658)
運用
秋葉原駅 - つくば駅の全区間で運用されており、全ての列車種別(快速・通勤快速・区間快速・普通)に充当される。特に快速・通勤快速の全列車と大半の区間快速には本系列が充当される。また、過去にはお召し列車として運用されたこともある。詳細は該当項目を参照。
ラッピングトレイン
本系列に『チャギントン』のキャラクターを装飾した「TXチャギントントレイン」が、2016年2月27日から4月10日までは第51編成[16]、2017年2月25日から4月9日までは第64編成を使用して運行された[17][18]。
廃車
2次増備車である第71編成は2019年2月28日に発生したつくばエクスプレス総合基地構内での脱線事故により、被災したTX-2171とTX-2271が同年7月に廃車となった。またTX-2271とユニットを組んでいたTX-2371についても2020年3月24日付で廃車となった。残った3両については社員、乗務員が研修等で使用出来る「実物教材車」として使われている。その後、内装の一部が撤去され、その内装部品がTBSテレビのテレビドラマ「ペンディングトレイン」の撮影に使用された。[19]
不具合
1次増備車24両の床敷物は本来はアルミ材を敷いた上でゴム製の床敷物を貼り付けるものであるが[20][21]、現車ではアルミ材が敷かれておらず、鉄道車両の火災対策基準を満たさないことから、国土交通省より改善指示が出された[20][21]。これに対し、首都圏新都市鉄道は2011年(平成23年)度末までの予定で取り替えを回答している[20][21]。
2019年5月10日に、2次増備車である第73編成の全般・重要部検査を行った際に、主変換装置の機器吊り用レールの取り付け部においてひび割れが発見された[22][23]。これを受けてTX-2000系およびTX-1000系の全編成について取り付け部を確認したところ、同じく2次増備車である第72編成においても同様のひび割れが発見された[22][23]。それ以外のTX-2000系およびTX-1000系の編成についてはひび割れがないことが確認された[22][23]。
その後、当該2編成の製造の過程において、車体側の機器吊り用レールの位置と主変換装置の取り付け穴位置が合わなかったのを修正するために矯正作業を行なった結果ひび割れが発生し、その状態で主変換装置を取り付けたため主変換装置の重量によりひび割れが拡大したとの調査結果が発表された[22][24]。
不具合が発見された第72・73編成については直ちに営業線での運転が取りやめられた[25]。機器吊り用レールの変形部分を除去し、正常な機器吊り用レールに補強材を追加した上で主変換装置を付け直す作業を実施し、検証試験で安全性を確認したため、順次運行を再開させるとした[22][24]。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2009年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2009年版「首都圏新都市鉄道TX-2000系増備車」記事。
- ^ 輸送力増強に向けて車両を増備! 3編成18両(TX-2000系車両)を導入します。 アーカイブ 2012年10月7日 - ウェイバックマシン(首都圏新都市鉄道株式会社 ニュースリリース)
- ^ a b c d e f g h i j 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2008年8月号「TX-2000系増備車両について(第67 - 70編成)」記事。
- ^ 2008年度増備車については、交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2008年8月号においてTX-2000系増備車両ならびに鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2009年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2009年版においてTX-2000系増備車との記載がある。ただし、2012年度増備車の解説記事『レールアンドテック出版「鉄道車両と技術」No.192』ならびに『日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOCK&MACHINERY」2013年1月号』においては2008年度増備車は1次増備車(一次増備車)、2012年度増備車は2次増備車(二次増備車)との記載がある。
- ^ “平成31年度末の輸送力増強に向けて車両5編成(30両)を増備します”. 首都圏新都市鉄道 (2016年10月19日). 2019年1月3日閲覧。 アーカイブ 2019年1月11日 - ウェイバックマシン
- ^ “TX-2000系にロングシート改造車が登場”. 鉄道ファン・railf.jp. 交友社 (2017年4月28日). 2017年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月29日閲覧。 アーカイブ 2017年4月29日 - ウェイバックマシン
- ^ “つくばエクスプレス 中期経営計画(2018〜2020年度)” (PDF). 首都圏新都市鉄道 (2018年6月). 2019年1月3日閲覧。 アーカイブ 2018年11月22日 - ウェイバックマシン
- ^ a b c d e f g h i レールアンドテック出版「鉄道車両と技術」No.192「つくばエクスプレスTX-2000系 2次増備車の概要」記事。
- ^ a b c d e f g 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOCK&MACHINERY」2013年1月号研究と開発「TX-2000系 二次増備車の概要」記事。
- ^ 定格出力190kW、定格回転数2,310rpm
- ^ KW-167 KW-168/首都圏新都市鉄道TX-1000系(鉄道ホビダス台車近影・インターネットアーカイブ)。
- ^ 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』2005年9月号特集「開業目前!つくばエクスプレス」p.25。
- ^ a b c d e f 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2013年5月号「乗務員から見たATOシステム - 運転操作をしなくても良い運転士の実務 - 」pp.52 - 57。
- ^ a b c d e f 日本鉄道運転協会『運転協会誌』2017年11月号自動運転特集「首都圏新都市鉄道 ニーズに対応した快適性を求めて」pp.9 - 11。
- ^ つくばエクスプレス6両から8両編成に 混雑緩和へ沿線自治体は歓迎 アーカイブ 2019年9月30日 - ウェイバックマシン 毎日新聞2019年9月26日 09時32分
- ^ “開業10周年記念 春休み特別企画 2月27日(土)〜4月10日(日)まで『TXチャギントン スタンプラリー』を開催します。-TXチャギントントレインが運行します-”. 首都圏新都市鉄道 (2016年2月12日). 2017年2月27日閲覧。 アーカイブ 2017年1月14日 - ウェイバックマシン
- ^ “春休み特別企画 2月25日(土)〜 4月9日(日)までの期間『TXチャギントン スタンプラリー2017』を開催!〜期間中、TXチャギントントレインを運行!!〜”. 首都圏新都市鉄道 (2017年2月20日). 2017年2月27日閲覧。 アーカイブ 2017年2月28日 - ウェイバックマシン
- ^ つくばエクスプレスで「TXチャギントントレイン」運転 アーカイブ 2017年2月27日 - ウェイバックマシン - 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース 2017年2月26日
- ^ TX(つくばエクスプレス)を運営する首都圏新都市鉄道(株)の公式Twitterです。
- ^ a b c 鉄道車両の床材料の交換指示について(国土交通省報道発表資料・インターネットアーカイブ)。
- ^ a b c 鉄道車両の床材料の改良計画について(国土交通省報道発表資料・インターネットアーカイブ)。
- ^ a b c d e “TX 交直流車の構体床板(機器吊り用レール)の不具合対策とその後について” (PDF). 首都圏新都市鉄道 (2019年7月18日). 2019年10月12日閲覧。 アーカイブ 2019年10月12日 - ウェイバックマシン
- ^ a b c “重要機器を固定するボルトを支えるパーツに異常…つくばエクスプレスのTX-2000系”. レスポンス. (2019年5月27日). オリジナルの2019年10月12日時点におけるアーカイブ。 2019年10月12日閲覧。
- ^ a b “原因は製造過程に…不具合が発生したTX-2000系電車のその後”. レスポンス (2019年7月19日). 2019年10月12日閲覧。 アーカイブ 2019年10月12日 - ウェイバックマシン
- ^ “TX 交直流車の構体床板(機器吊り用レール)の不具合について” (PDF). 首都圏新都市鉄道 (2019年5月24日). 2019年10月12日閲覧。 アーカイブ 2019年10月12日 - ウェイバックマシン
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