露木志奈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/14 04:13 UTC 版)
活動
学校での講演と化粧品開発の2つを軸に活動している[10]。2021年2月時点において、大局的な目標として2050年までの地球の平均気温上昇を1.5℃までに抑制することを掲げている[3]。ただし、1.5℃でも大きな影響が及ぼされると予想されることから、「環境活動家をなくしたい」として活動していながら、環境活動家としての役割が終わることはないだろうとも述べている[10]。またそのための抱負として、日本の中高生600万人のうち3.5%にあたる21万人への講演を挙げている[3]。この3.5%という数字は、20世紀に行われた市民活動や社会革命がコミュニティの3.5%の人口の賛同を受けて成功しているとする研究を、温暖化防止を地球規模の社会革命と解釈して適用している[12]。
また以下に挙げる活動の他に、日本企業による石炭火力発電所に対して抗議の声を上げ、公開質問状を送るなどの行動にも出ている[7]。
講演
対象は小学校から大学までで、初回の講演は札幌市の女子高校で実施された[9]。同年12月時点で登壇した学校数は30校に上った[14]。新型コロナウイルス感染症の流行を受けてオンラインでの講演も取り入れ、2021年9月時点において約120校で講演を実施している[6]。2023年6月時点で220校、3万2千人に講演した。
講演活動を始めるにあたっての考えは、環境問題に関して行動が起こらない原因の一つは問題自体が周知されていないためであるというものであった[6][12]。学校を対象とした理由は、同世代の学生であれば話を受け入れやすいことと、これまで知る機会のなかった人にも情報を発信できることが理由に挙げられている[6][14]。
化粧品開発
消費活動が社会に対する意思表示になり世界を変えられると考え、消費者に提供される選択肢を増やすべきであるとも考えている[6][10]。その例の一つが先述の口紅開発である。自然系化粧品に妹の肌が合わなかったことから、グリーンスクール在学時に環境と肌を意識した口紅の開発を進め[3]、ブランドも立ち上げている[6]。化粧品づくりのワークショップも開催していたが[3]、新型コロナウイルスのパンデミックを受けてコスメキットの販売およびワークショップの録画映像の上映に切り替えている[4][19]。
市販の化粧品を購入するのではなく製作することで、その材料が何に由来するのかという点に注意が向くことに期待している。また、化粧品の中でも口紅を選んだ理由は、唇に直接塗布するものであるため徐々に体内に入ることがあり、健康面での懸念があったためとしている[19]。
朝日新聞公式コメンテイター[20]
2021年から、朝日新聞デジタルの環境問題に関する記事のコメントを行っている。
- ^ “露木しいなに電気で寄付”. ハチドリ電気. 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 深澤献 (2021年4月5日). “自然大好き少女を育んだ個性派幼稚園、山村留学 グリーンスクールという必然/露木志奈・環境活動家”. ダイヤモンド社. 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「グレタさんに背中をおされ…20歳の環境活動家・露木志奈 最大の目標は「世界中から環境活動家をなくすこと」」『ABEMA TIMES』ABEMA TV、2021年2月9日。2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f “環境活動家 露木しいなさん”. JP21 (2021年). 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d “英語の成績が「1」だった少女が、たどり着いた“学びたい気持ち”が生まれる学校”. 週刊女性PRIME. 主婦と生活社 (2019年12月8日). 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m “「気候変動は待ってくれない」 大学を休学し、中高生に講演する二十歳の環境活動家【#チェンジメーカーズ】”. SDGs ACTION!. 朝日新聞社 (2021年9月25日). 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b 木村充慶 (2021年3月27日). “「大人にイライラしない」20歳の環境活動家が見つけた〝戦い方〟”. withnews. 朝日新聞社. 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e “コスメ事業を立ち上げ!★スゴい18歳女子の中高時代って⁉”. Seventeen. 集英社 (2020年3月9日). 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 木村充慶 (2021年3月26日). “唯一の武器は講演スキル、露木志奈さんの戦い方 SDGsをボトムアップ”. withnews. 朝日新聞社. 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d 神里晏朱 (2021年9月25日). “地球の未来 行動次第 環境へのやさしさ届けたい”. 朝日新聞DIALOG. 朝日新聞社. 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b 「環境保護を訴える露木志奈(つゆき・しいな)さん(20) ゴミを外国へ輸送「地球の現状知って」」『産経新聞』、2021年9月17日。2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d “全国の学校に足を運ぶ、環境活動家・露木志奈さん。”. ソトコト (2021年9月8日). 2021年10月2日閲覧。
- ^ “世界を襲う異常気象 “未来のための金曜日” 若者たちの訴え”. NHK (2019年9月20日). 2020年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f “大学を休学し、中高生への講演を始めた19歳の環境活動家が伝える、今地球で起こっていること”. 先生の学校. スマイルバトン (2020年12月22日). 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c 「日々の選択が世の中つくる 環境活動家・露木しいなさん OSP年次フォーラム・特別講演」『琉球新報』、2021年4月1日。2021年10月2日閲覧。
- ^ 西村悠輔「「地球が持たない」大学休学 英語1だった19歳の挑戦」『朝日新聞』、2020年12月17日。2021年10月2日閲覧。
- ^ a b “【この人に聞く!】環境活動家をなくしたい! 大学を休学して講演活動を続ける露木志奈さん”. OVO. 共同通信社 (2021年10月7日). 2021年10月24日閲覧。
- ^ “環境活動家・露木志奈氏SDGs講演会”. 福井県立鯖江高等学校 (2021年6月28日). 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b Tomoko Takahashi (2021年5月11日). “地球と共に美しく!露木しいなが「未完成のコスメ」を売る理由”. COSMOPOLITAN. ハースト婦人画報社. 2021年10月2日閲覧。
- ^ “露木志奈(環境活動家)のプロフィール|朝日新聞デジタル「コメントプラス」”. 朝日新聞デジタル. 2022年4月7日閲覧。
- ^ “フューチャーランナーズ”. フジテレビ (2021年). 2021年10月2日閲覧。
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