闘将ダイモス 概要

闘将ダイモス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 01:34 UTC 版)

概要

長浜忠夫監督による「長浜ロマンロボット3部作」の第3作に数えられており、前作までと同様に東映が企画し、制作を日本サンライズに委託するという制作体制が踏襲されている。

「友情」をテーマにした『超電磁ロボ コン・バトラーV』、「父子の愛」をテーマにした『超電磁マシーン ボルテスV』に続き、本作品では「男女の愛」がテーマとして掲げられた。『ロミオとジュリエット』のオマージュとして[1]ロボットアニメに異星人同士の恋愛要素を持ち込んだ。地球を攻撃する異星人側も、一方的に侵略戦争を仕掛けるのではなく、平和裡の移住を求めた交渉の場で起きた惨事から戦争に発展し、戦時下でも民主化や地球との和平を求めるレジスタンス運動が存在することが描かれるなど、よりドラマ性を重視した作劇が志向されている。

また本作品では実写畑からきた鈴木武幸プロデューサーの発案で、アニメでありながら殺陣師として高橋一俊を起用。本作品のアクションシーンは高橋の動きを撮影したものをトレースして描かれており、鈴木によると「実写のアクションによる面白さを加味できた」としている[2]

本作品の放送当時、テレビアニメは16mmフィルムで撮影したものが主流だったが、本作品では珍しくそれよりも格上の35mmフィルムで撮影されている。これは16mmの撮影台が他の作品と重なり使えず、35mmの撮影台しか空いていなかったことに起因するものである。先方の都合ということもあり、16mmと同じ料金でクオリティの高い35mmを使えたため、制作者としては願ったり叶ったりだったという[3]

長らく映像商品化されず、レンタルビデオも存在しなかった。スカイパーフェクTV!での放送以外では視聴困難な作品であったが、2007年にDVD-BOXが発売された。


注釈

  1. ^ 第1話から第6話、第22話では神谷明が担当。第13話のみ槇大輔が担当。
  2. ^ 後半からのナレーションは槇大輔に交代している。
  3. ^ デビュー作。敵メカ担当。浪人時代にスタジオ見学に訪れた際に、敵メカのアイデアを求めていた監督の長浜忠夫から誘われ、第16話頃から参加した[8]
  4. ^ 本放送当時は既に静岡県民放送(現:静岡朝日テレビ)が開局していたが、当時日本テレビ系列とのクロスネットであったために編成に余裕が無かったことから、系列外局の静岡放送で放送された。
  5. ^ 本放送当時は岡山県のみで放送。
  6. ^ 本放送当時は香川県のみで放送。
  7. ^ DVD-BOXに特典として再録した冊子が同梱され、描き下ろしの最終話も収録されている。
  8. ^ 容姿や服装は本作品のエリカそっくりな淑やかな美少女だが、これらは実は猫被りで、その本性は「ダイモスのお竜」の二つ名で呼ばれる不良達の元締めであった。

出典

  1. ^ 闘将ダイモス VOL.1 作品紹介”. 東映ビデオ. 2021年1月24日閲覧。
  2. ^ 大全 2003, pp. 200, 第5章 スタッフインタビュー RESPECT 鈴木武幸
  3. ^ 鈴木武幸 (2018.11). 夢を追い続ける男. 講談社. p. 121. ISBN 978-4-06-513762-8. OCLC 1084264251. https://www.worldcat.org/oclc/1084264251 
  4. ^ 大全 2003, pp. 256, 第7章 長浜忠夫 証言集
  5. ^ 小野塚謙太「3 デザインへの衝動 メカと車への憧れ、それが出発点だった。」『カラー版 超合金の男-村上克司伝-』アスキー・メディアワークス〈アスキー新書 105〉、2009年4月10日、56-57頁。ISBN 978-4-04-867798-1 
  6. ^ 『CONBATTLER V・VOLTES Ⅴ・DAIMOS ROMAN ROBO ANIME CLIMAX SELECTION』株式会社マジックボックス、1980年11月1日、271頁。 
  7. ^ 鈴木武幸 (2018.11). 夢を追い続ける男. 講談社. p. 124-125. ISBN 978-4-06-513762-8. OCLC 1084264251. https://www.worldcat.org/oclc/1084264251 
  8. ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 出渕裕」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1985 電撃戦隊チェンジマン講談社〈講談社シリーズムック〉、2018年5月25日、33頁。ISBN 978-4-06-509612-3 
  9. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1978年12月号、徳間書店、50 - 52頁。 
  10. ^ 河北新報』1979年4月30日 - 6月28日付朝刊、テレビ欄。
  11. ^ 秋田魁新報』1978年11月15日付朝刊、テレビ欄。
  12. ^ 日刊スポーツ』1978年5月4日 - 10月12日付テレビ欄。
  13. ^ 福島民報』1978年4月1日 - 1979年1月27日付朝刊、テレビ欄。
  14. ^ 『福島民報』1978年4月5日 - 1979年2月13日付朝刊、テレビ欄。
  15. ^ 『日刊スポーツ』1978年5月1日 - 10月9日付テレビ欄。
  16. ^ 『日刊スポーツ』1979年1月24日、1月31日付テレビ欄。
  17. ^ a b アニメージュ』1978年9月号『全国放映リスト』59 - 61頁。
  18. ^ 北國新聞』1979年10月1日付、1979年10月8日付各朝刊、テレビ欄。
  19. ^ 『北國新聞』1978年6月2日付朝刊、テレビ欄。
  20. ^ 『北國新聞』1978年11月2日付朝刊、テレビ欄。






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