鉛中毒
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ローマ帝国における鉛中毒
ローマ帝国では水道管に鉛が使われていたため、慢性的に鉛中毒者を発生させて衰退の一因になったという説があるが、それに対する反論もある。
主な理由は2つある。
1つは水道内部に分厚く沈着したカルシウム炭酸塩が鉛管の内側にも付着し、鉛と流水を効果的に隔離したこと。もう1つはローマ水道における鉛管部分はごくわずかに過ぎず、総延長のほとんどは石造だった上、現代と違ってローマの水道には蛇口の栓というものがなく常時垂れ流しだったため、鉛の溶出が問題になるほど長時間に渡って水と鉛が接触することはなかったことである[38]。
だが、古代ローマではサパと呼ばれる酢酸鉛を主成分とした甘味料が多く摂取されていたことから、鉛中毒が多く発生したと考えられている。なお、この時代からすでに鉱山などの事例により鉛が健康被害をもたらすということは知られていた。また、古代ローマ人は頻繁にワインを嗜んでいたことから、鉛が多用されたワインの製造器具から醸造過程で多くの鉛が混入してローマ人の健康を蝕んだ可能性も指摘されている。実際、ヘルクラネウムで発掘された古代ローマ人の人骨からは高濃度の鉛が検出され、鉛中毒の被害が疑われた[39]。
関連項目
参考文献
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- ^ Hodge 1992, p. 308
- ^ 金子 史郎『ポンペイの滅んだ日』東洋書林、2001年、pp201-202
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