誰も知らない
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/23 02:51 UTC 版)
スタッフ
- 監督・脚本・編集・プロデューサー:是枝裕和
- ゼネラルプロデューサー:重延浩、川城和実
- 企画 : 安田匡裕
- 企画協力:小林栄太朗、李鳳宇
- アソシエイトプロデューサー:浦谷年良、河野聡
- ラインプロデューサー:田口聖
- 撮影 : 山崎裕
- 録音 : 弦巻裕
- 美術 : 磯見俊裕、三ツ松けいこ
- キャスティング:新江佳子
- 助監督:熊谷喜
- 製作担当:白石治
- 音響効果:岡瀬晶彦
- 宣伝プロデューサー:佐藤志保
- 音楽:ゴンチチ
- 音楽プロデューサー:佐脇章太
- 挿入歌:タテタカコ「宝石」
- 制作プロダクション:テレビマンユニオン
- 配給・宣伝:シネカノン
- 宣伝:青木かおり、圷滋夫
- 「誰も知らない」製作委員会:テレビマンユニオン、バンダイビジュアル、エンジンフィルム、シィースタイル、シネカノン
賞歴
- 第57回カンヌ国際映画祭
- 最優秀主演男優賞:柳楽優弥
- フランダース国際映画祭
- グランプリ
- シカゴ国際映画祭
- 金のプラーク賞
- 第78回キネマ旬報ベスト・テン
- 日本映画ベスト・ワン
- 読者選出日本映画ベスト・ワン
- 読者選出日本映画監督賞:是枝裕和
- 助演女優賞:YOU
- 新人男優賞:柳楽優弥
- 第47回ブルーリボン賞
- 作品賞
- 監督賞:是枝裕和
- 第59回毎日映画コンクール
- 日本映画優秀賞
- スポニチグランプリ新人賞:柳楽優弥
- 録音賞:弦巻裕
- 第29回報知映画賞
- 作品賞
- 第19回高崎映画祭
- 最優秀監督賞:是枝裕和
- 最優秀新人女優賞:北浦愛
- 最優秀新人男優賞:柳楽優弥
- 第14回東京スポーツ映画大賞
- 作品賞
- 新人賞:柳楽優弥
- 第26回ヨコハマ映画祭
- 最優秀新人賞:柳楽優弥
- ベスト10:第3位
- 第9回ニフティ映画大賞
- ベスト10:第3位
- 第14回日本映画プロフェッショナル大賞
- ベスト10:第6位
- 第28回山路ふみ子映画賞
- 山路ふみ子福祉賞:是枝裕和
- 第28回日本アカデミー賞
- 優秀助演女優賞:YOU
備考
- 子役には台本を渡さず撮影された。是枝は「オーディションで選んだ4人の子供たちが、それまで演技経験のない子たちで、一度台本を渡してリハをやってみたら、下手だったんですよ。すごく。これはまずいなと思って。で違う形でできないかなと思って台本渡すのをやめました。その場で僕が『お兄ちゃんがこう言うから、こう言ってごらん』みたいな、口伝えでやってみたんです。そしたら子供たちが面白がったんですよ。それも、正確にではなくて、あいまいに伝えていく。できれば感じだけ伝えて、それが普段彼らが使っている言葉として出てくるのがベストだなと思って。」と語っている[2]。
- 母親の福島けい子役には、芝居・演技経験の少ないYOUが選ばれた。YOU本人が語ったところによると、是枝監督がある日バラエティ番組に出演していたYOUを見て「いかにも育児放棄しそうなキャラクター」という直感からオファーが来たという[3]。そのため下手な女優に演技をさせるよりも恐怖感が少なく、結果的にリアリティに繋がったのではないかと語っている[4]。是枝は「YOUさんも台本は読んでないんですよ。YOUさんは台本が嫌いで、バラエティ番組でも台本を読まずに現場へ入るらしいです。その感覚で現場に来て、シーンの説明を僕が子供にするのを脇で聞いてるんです。そこで、彼女から出てくる表情だったり言葉だったりが、瞬間的にすごく的確なんです。センスとしか言いようがないかな。」と語っている[5]。YOUは本作のカンヌ国際映画祭授賞後、バラエティ番組で自らを「カンヌ女優」と嘯くシーンが多く見られた。
- 主演の柳楽は撮影時期、成長期であり、撮影した1年で身長が146cmから163cmまで伸び、声変わりをしている。演じた役名の「明」は柳楽が考えた名である。
- 作中で茂がカップ麺に冷や飯を入れるのは、演じた木村飛影のアイディアである。また、ゆきの好物は台本ではいちごポッキーだったが、演じた清水萌々子がアポロが好きだったことからアポロに変更された[5]。
- 子供たちが泣くシーンがないことについて是枝は「子供が泣く芝居って嫌いなんだよね」「泣き顔の代わりに手を撮ろうと思った。手が泣いているという風に手で哀しみを表現できるように決めて撮ってるつもりなんですけど」と語っている[5]。
- 子供たちが暮らしていたアパートは1年近く借りていたもので、撮影に使用しない時は助監督が実際に住んでいた[6]。
- 繰り返し登場する階段は中野区上高田にあり、階段を降りて川を越えた所に公園のシーンが撮影された西落合公園がある[7]。
- カンヌ国際映画祭では2日目と、受賞には不利と言われる早いタイミングで上映された。2004年の審査委員長だったクエンティン・タランティーノのコメント「個人的には、彼(柳楽)の表情が一番印象深かった。毎日多くの映画を見たが、最後まで印象に残ったのは彼の顔だった」と語っている。
- カンヌ滞在中、柳楽は自分が表紙になった雑誌を見て「皆で表紙になりたいです」と言っており、カンヌ受賞も「皆を代表してとった」という認識でいる[8]。「『誰も知らない』が何も取らないより取れた方がいいから」という理由で受賞を「嬉しい」と言ったり、学校では聞かれない限りその話はしないなど謙虚な発言が目立っていた。柳楽のポスターは現地で「あのポスターをくれないか」と大人気だった。
- 第57回カンヌ国際映画祭の授賞式には柳楽はちょうど学校の試験があり出席できず、代わりに監督が出席した[8]。
- YOUと柳楽はその後、2006年にダイハツ工業「ミラ」のCMで母と子として再共演を果たしている[9]。
- ^ 「2004年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報』2005年(平成17年)2月下旬号、キネマ旬報社、2005年、152頁。
- ^ 是枝裕和 監督 「♯1撮影現場が生み出す自然体の演技」
- ^ なお、YOUには2人目の結婚相手との間に男児を設けている(後に離婚)。
- ^ 『おぎやはぎの愛車遍歴』 2016年4月23日放送分より
- ^ a b c 是枝裕和×河瀬直美 対談 @奈良国立博物館
- ^ カンヌ映画祭で話題の『誰も知らない』一般に初披露
- ^ 『誰も知らない』兄妹が歩いた階段
- ^ a b “迫力ある目力&演技力!柳楽優弥を知れる出演作3選”. music.jp. (2016年2月15日) 2019年6月13日閲覧。
- ^ ダイハツ 新型「ミラ」発表会レポート!新CMで、YOUさんと柳楽優弥さんが再び共演!
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