編集プロダクション 概説

編集プロダクション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/25 03:18 UTC 版)

概説

雑誌、書籍、冊子などの企画立案から取材デザイン、執筆、印刷所への入稿、校正など文字画像媒体の制作業務の一切を行うが、契約内容やプロダクションの能力、専門性によって一部分だけを行うこともある。それぞれが媒体の種類や内容ごとに特化しているのが普通で、設備や人材は個々のプロダクションによって大きく異なる。

社内にスタッフを多く抱えず、請け負った仕事ごとにフリーランスクリエイターに外注することが多く、さらには編集プロダクション同士で元請けと孫請けの関係で仕事をすることもあり、仕事によってそれが逆転することもある。このように編集プロダクションは多様で柔軟な形態を持ち、製造業などいわゆる普通の会社の人が外から見ると、誰が社員で一体どんな仕事をしているのかわからないこともしばしばである。

資本形態は、大手出版社などの子会社から、有志の出資で設立された会社、法人登記をしていない単なるフリーランスのチームまでさまざまである。株式上場しているような規模の会社は存在しない。

特定分野に強みを持つ編集プロダクションの場合、複数の出版社から同時に同じ分野の出版物を請け負うことも珍しくない。実際に版元が異なり競合関係にある雑誌でも、同じ編集プロダクションにより編集されていることもある[注釈 1]。 また雑誌の誌面リニューアルを機に、出版社の編集部から編集プロダクションに、もしくはある編集プロダクションから別のプロダクションに業務が交代されることもある。

一般企業から(多くの場合は広告代理店や印刷会社を通して)編集制作を受注するケースもある。なかでも家電製品のマニュアルやメーカーの総合カタログなどは、より見やすくわかりやすいことが求められるため、編集プロダクションの活躍の場となる。ほかに社内報や社史など企業が刊行する文字媒体は多く、しかも書店で販売する書籍・雑誌より作業単価が高いので、編集プロダクションとしては受注すれば気遣いは多いがおいしい仕事となることが多い。

テレビ番組の制作プロダクションに対し番組構成に必要な資料を提供するなど、文字以外の媒体との関係を持つプロダクションもある。たとえば番組のスタッフだけでは対応できない数多くの店舗などの調査・取材を、編集プロダクションが雑誌編集の要領で取材したり、すでに持っている取材資料から提供したりすることが行われている。

アダルトビデオのように一般向けの刊行物や広告と関係が薄い業界と結びついて、動画と文字媒体とのメディアミックスを図る編集プロダクションもある。


  1. ^ 例:『オートスポーツ』(三栄書房)と『Racing On』(ニューズ出版)。どちらも現在は株式会社イデアが編集。





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