簡易宿所 概要

簡易宿所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 12:58 UTC 版)

概要

簡易宿所営業

簡易宿所は旅館業法でいう「簡易宿所営業」すなわち「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のもの」(旅館業法2条4項)を行う施設をいう[1]。客室数の制限なし、玄関帳場不要、延床面積33㎡以上が必要。1998年には67,891件あった旅館営業許可件数は、減少を続け2014年には41,899件まで下がったのに対し、簡易宿所は25,150件から2005年前後に向け漸減したものの、その後、微増を続け2014年には26,349件まで増え続けた。同期間のホテルは7,944件から9,879件に微増している[1]

旅館業法施行令に定められる構造設備の基準によれば、旅館業のうち旅館営業をなすには原則として5部屋以上の客室とそれに伴う定員を必要とすることから(旅館業法施行令1条2項)[1]、その基準に達しない4部屋までとか2段ベッド等階層式寝台を設置している施設が簡易宿所に該当することとなる。スポーツ合宿所、民宿もこれに該当する事が多い。また、カプセルホテルもこれに該当する。2018年6月の民泊法制化(住宅宿泊事業法施行)に伴い、民泊としての営業は年間で最大180日に限られることから、簡易宿所として認可を取る方向に動く例もある[2]

簡易宿所営業を含め旅館業を経営しようとする者は、都道府県知事政令指定都市中核市保健所政令市では市長、特別区では区長)の許可を受ける必要がある(旅館業法3条1項)。

構造設備の基準

簡易宿所営業の施設の構造設備の基準については、旅館業法施行令で次のように定められている(旅館業法施行令1条3項)。

  1. 客室の延床面積は、33平方メートル以上であること。
  2. 階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1メートル以上であること。
  3. 適当な換気採光照明、防湿及び排水の設備を有すること。
  4. 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること。
  5. 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
  6. 適当な数の便所を有すること。
  7. その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

  1. ^ a b c d 厚生労働省 - 簡易宿所について”. 2022年9月9日閲覧。
  2. ^ “ビジネスとしての魅力そがれた、民泊に“180日”の壁”. ニュースイッチ (日刊工業新聞社). (2018年6月8日). https://newswitch.jp/p/13229 2018年6月9日閲覧。 
  3. ^ 大阪・あいりん地区の格安宿、外国人旅行者に人気[リンク切れ] - 朝日新聞2007年8月31日記事
  4. ^ 11人死亡、2年、変わる川崎の簡宿2割廃業、転居拒む高齢者 毎日新聞(2017年5月15日)2017年5月15日閲覧


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