神坂峠 吉野拾遺に見る御坂(神坂)

神坂峠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/01 20:49 UTC 版)

吉野拾遺に見る御坂(神坂)

後宇多天皇の崩御後の吉野拾遺に、

一とせ。木曾の御坂のあたりさすらえ侍りしとき、山のたゝずまひ、河の清き流れに、心とまり侍りしかば、こゝには思ひとゞまりぬべき所にこそ侍れとて「思ひたつ木曾のあさ衣あさくのみそめてやむべき袖の色かは」と詠じて、庵ひき結びて、しばし侍りしに、國の守の鷹狩りにあまた人具し給ふさまの、あさましくたえがたかりければ「こゝもまたうき世なりけりよそながら思ひしまゝの山里もがな」と眺めすてゝ出侍りしと。

この國の守とは遠山氏であろうと考えられる。

東山古道

古代には信濃坂と呼称され、東山道はこの急峻な峠を越えて伊那方面に抜ける形になっていたが、中山道は比較的緩やかな馬籠峠を経由して木曽方面へ行くように整備された。西側の強清水から神坂峠まで林道を何度も横切るルートとして、東山古道の登山道として整備されている。

岐阜県恵那市から長野県塩尻市にかけてほとんど中山道と並行している形となっている国道19号に対して、中央自動車道恵那山トンネルはこの峠の約1km北側に掘られており、中央自動車道の道筋もまたそのほとんどが奈良時代以前の東山道沿いとなっている。

周辺の山

峠は、恵那山、富士見台高原、神坂山などへの登山口となっている。峠から北北東500m程の林道終点には、阿智村の山小屋「萬岳荘」があり、無雪期に営業を行っている[5]

  • 富士見台(富士見台高原) - 1,739m
  • 神坂山 - 1,684m
  • 大判山 - 1,696m
  • 恵那山 - 2,191m

脚注

関連項目

外部リンク


  1. ^ 武部健一『道路の日本史』中央公論新社〈中公新書〉、2015年5月25日、50-51頁。ISBN 978-4-12-102321-6 
  2. ^ 土木学会中部支部『中部の土木史―土木学会中部支部五十周年記念誌』1988年1月30日、75頁。 
  3. ^ 市澤英利 (2008.3.15). 東山道の峠の祭祀. 新泉社 
  4. ^ 神坂峠遺跡 - 文化遺産オンライン
  5. ^ 萬岳荘 阿智村、2011年2月2日閲覧。


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葉上照澄千日回峰行大行満大阿闍梨、大僧正。東京帝国大学を卒業、大正大学教授をしていたが、敗戦を機に決然として比叡山にのぼり千日回峰行を満行する。祖賢師とは義兄弟の契りを結ぶ仲だった。葉上師は祖賢師を「300年に1人の人材、天海大僧正以来の人物」と評価する。勧修寺信忍千日回峰行大行満大阿闍梨、大僧正。祖賢大阿闍梨の御所土足参内に貢献した元伯爵。葉上照澄師に続き千日回峰行を満行叡南覚照前赤山禅院住職、千日回峰行大行満大阿闍梨、大僧正。1927年生まれ。1960年、33歳のときに千日回峰行を満行。「赤山の御前さま」と呼ばれる。祖賢師に師事する小僧の筆頭であった。叡南覚範毘沙門堂門跡第61世門主、大僧正。天台教学の最高位「探題」に就任。世界連邦日本仏教徒協議会会長。藤光賢曼殊院門跡門主、大僧正。佐賀県神埼郡吉野ヶ里町・金乘院住職。村上光田信州善光寺長臈、大僧正。比叡山延暦寺東塔院住職、信州善光寺福生院住職。最澄が東山道の難所である神坂峠に開いた布施屋広拯院を復興し、信濃比叡広拯院を開山した。他、比叡山の諸堂の仏像を数体寄進し、復興に寄与している。堀澤祖門三千院門跡門主、大僧正。前叡山学院院長。京都大学学生時代に比叡山にのぼり、仏道をきわめたいと中退し弟子となる。「侍真」として十二年籠山行を満行。これにより明治以来途絶えていた本格的な十二年籠山比丘が復興した。中野英賢比叡山延暦寺観樹院住職、大僧正。堀澤祖門師に続いて十二年籠山行を満行。東塔の復興新築に寄与。叡南俊照
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