湧網線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/05 21:46 UTC 版)
廃止後の状況
常呂駅跡の北見共立駅跡寄り - 大曲仮乗降場跡間の線路跡の大半が、サイクリングロードとして活用されている[11](北海道道1087号網走常呂自転車道線)。その他の区間は、路盤跡や橋桁が面影を残す程度となっている。駅跡は当時の駅舎はほとんど残っておらず、一部でバスターミナルとして建て替えられている。中湧別駅、計呂地駅、佐呂間駅、卯原内駅には車両が静態保存されている。
代替バス
鉄道廃止後は、代替として網走バスにより転換バス「湧網線」が中湧別 - 網走間で運行された[10][12]。運行当初は、全線通しの他、中湧別 - 佐呂間、佐呂間 - 網走といった区間便や、佐呂間を経由しない幌岩経由の便も設定された[12]。
しかし、乗客数減少、沿線自治体の財政負担増に加え、佐呂間町でスクールバス混乗による佐呂間町ふれあいバスの導入を行うことから路線廃止の提案が行われ、2010年(平成22年)10月1日に「湧網線」が廃止、網走 - 常呂・サロマ湖栄浦間の「常呂線」「サロマ湖栄浦線」に短縮された[13]。
2021年時点では、旧鉄道並行区間に以下のような各バス路線の設定があるが、いずれも代替バスではないため廃止各駅をたどる経路とはなっておらず、町界をまたぐ区間では分断されている。また、一部路線は曜日限定や予約制となっている。
- 中湧別 - 計呂地:湧別町営バス計呂地・中湧別線[14]
- 浜床丹 - 佐呂間:佐呂間町ふれあいバス若里・トカロチ浜線[15]
- 佐呂間 - 浜佐呂間:佐呂間町ふれあいバス富武士線、浜佐呂間線[15]
- 北見共立 - 常呂:北海道北見バス常呂線[16]
- 常呂 - 網走:網走バス常呂線[17]
このほか、佐呂間町ふれあいバスが週に水曜の1日のみ、佐呂間 - 常呂間(希望者がいる日に限り網走まで延長)に1往復の運行を行っている[18]。また、北見市常呂町内を佐呂間町方面へ向かうバスとして、常呂町中心部と佐呂間町浜佐呂間との境界近くにある「サロマ湖入口」を結ぶ北見市営バス栄浦線・鐺沸線[19]がある。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳』1号 北海道、新潮社、2008年、p.49
- ^ a b c d e f g h i j k l m 宮脇俊三編著『鉄道廃線跡を歩く』IV、JTB、1997年、p.200
- ^ 『交通公社の時刻表』1986年12月号、日本交通公社、p.522
- ^ 宮脇俊三『時刻表2万キロ』河出書房新社〈河出文庫〉、1980年、143-144頁。
- ^ 「鉄道省告示第457・458号」『官報』1935年10月14日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「鉄道省告示第314・315号」『官報』1936年9月22日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「鉄道省告示第443・444号」『官報』1935年10月5日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「鉄道省告示第312・313号」『官報』1936年9月22日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 池田光雅『鉄道総合年表1972-93』中央書院、1993年、pp.84,98
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』第21巻第7号、鉄道ジャーナル社、1987年6月、99頁。
- ^ 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1995年10月25日)
- ^ a b 「代替バス運行について」(PDF)『広報さろま』第353号、佐呂間町、1987年3月、12頁、2021年12月28日閲覧。
- ^ “湧網線代替バス廃止に伴う新たなバス路線について” (PDF). 北見市. 2014年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月23日閲覧。
- ^ “町営バス・民営バス”. 湧別町. 2021年12月28日閲覧。
- ^ a b “佐呂間町ふれあいバス町内路線時刻表”. 佐呂間町. 2021年12月28日閲覧。
- ^ “路線図・常呂線”. 北海道北見バス. 2021年12月28日閲覧。
- ^ “常呂・常呂栄浦線”. 網走バス. 2021年12月28日閲覧。
- ^ “佐呂間町ふれあいバス町外路線時刻表”. 佐呂間町. 2021年12月28日閲覧。
- ^ “北見市交通ターミナル(常呂)”. 北見市. 2022年2月22日閲覧。
- 1 湧網線とは
- 2 湧網線の概要
- 3 路線データ(廃止時)
- 4 廃止後の状況
- 5 脚注
固有名詞の分類
- 湧網線のページへのリンク