機動戦士ガンダム0079カードビルダー 発売後の稼動状況

機動戦士ガンダム0079カードビルダー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/13 21:53 UTC 版)

発売後の稼動状況

稼動当初は以下の問題が発生した。

  • アーケードカードゲームにしては珍しく、オンライン対戦が出来ない。
  • そのゲームシステムを悪用した初心者狩りが多発し、ブログ等でも報告された。サブのICカードを使い、最大コストを落として下の階級に当たるようにする狩り行為は『0083』以降でもある。
  • バグ等が数多く確認。

開発チームはこれらの対策として下記のバージョンアップを行った。特に大きな違いが出た点とともに記す。

  • 2006年7月:同軍対戦を可能とし、再出撃機能を追加したことにより、プレイ時間の延長を図る。またゲーム中のパラメーターはいじられており、格闘の命中率は大幅に減少し、テンションやクリティカルによる結果次第では、約半数が外れる事も珍しくない。
  • 2006年9月:前述のVer.2.0で、新カードの追加。なおキャラクターカードで絵柄が更新されたものがあるが、絵柄だけでなくカード識別コードや特殊能力も新たに割り振られており、ゲームに使用するとキャラ名の後に(Ver.2.0)と表示される。
  • 2006年10月:オンライン対戦のロケーションテストを実施。

またゲームバランスの調整も問題となっている。前述通りある効果的な戦法が編み出されると、次のバージョンアップでその戦法に必要なステータスが弱体化される。すると強化されたカードを使って新しい戦法が編み出され、次のバージョンアップでその戦法に必要なステータスが弱体化されるという具合に、ユーザーとメーカーでイタチごっこが続いている。

その他

参加作品に主題歌がある場合、主題歌がBGMとして使われる事がある。ただし、映画1作目の主題歌「砂の十字架」は使われていない。これは歌手のやしきたかじんが、この曲を歌ったことを嫌っているためである。詳細については「砂の十字架」を参照。

機動戦士ガンダム0083カードビルダー

『0079』の続編として2006年2月に発表され、ゲームセンターGiGOなどを振り出しに複数店舗でロケテストを行い、一度ロケテ終了後、2007年3月15日から登場した。なお同年6月に各種能力値の修正のバージョンアップが行われた。

初回準備

  • ICカードは、新規作成ではコスト700から開始。『0079』から引継ぐとコスト900から開始だが、二度目の引継ぎは不可能。なお、引継いだ場合はチュートリアルはない。また使用カードも『0083』用はデザインが異なる。
  • 戦跡、勝率は引継がれる。経験値・キャラクターレベル・母艦は引継がれず一からやり直しとなる。
  • 通常秘書に4人目として、アン=マリー・ベルナール(連邦)、ノーラ・ファルケンマイヤー(ジオン)が追加。
  • 隠し秘書は『0079』からの引継ではすぐ、新規作成では400回以上から使用可。さらに条件を満たすと、連邦士官仕様のレイコとジオン士官仕様のキャシーに変化する。
  • 初心者向けのスターターパックの中身が変更。『0079』でパイロットは低ステータスの無名同然のキャラ、MSも連邦は通常のジムよりも性能の低いジム先行量産型、ジオンもザクI だったのに対し、『0083』からはパイロットにスターター専用のシロー・アマダ、クリスチーナ・マッケンジー、アイナ・サハリン、バーナード・ワイズマンのいずれかが封入、MSも連邦はジム指揮官仕様とジム・キャノン、ジオンはザクIIFS型指揮官仕様とザクII改が封入と『0079』時よりも中身が充実している。

出撃前準備

  • シナリオは「一年戦争」と「デラーズ紛争」を順番に進めていく。
  • 出撃時に以下のモードを選択する。
    • 全国対戦 - 全国通信。中尉以上に昇格するには、全国で勝たなければならない。対戦相手は階級が近い相手からランダムで選択される。
    • 店内対戦 - 人数表示はこれのみ。対戦相手はコストが近い相手からランダムで選択される。
    • 一人用 - 少尉以上でも選択可。
  • 場所は全国から最大4ヶ所(地上、宇宙、水中かコロニー、特殊作戦)、店内と一人用は特殊作戦の場所以外から全てを選択。
  • 一等兵以上になるとチュートリアルの選択が消滅する。
  • 対戦開始時、両プレイヤーの使用コスト(最大保有コストではない)が表示される。

特殊作戦

『0079』の無差別戦の名称を改めたもので、投票対象もメカ・キャラでなく「次回の特殊作戦のレギュレーション」に変更された。これは戦闘条件を

  • 階級差なしフリーマッチ
  • コスト制限800
  • コスト無制限だが出撃数は2機のみ
  • 出撃数1機のみ
  • 女性キャラクターのみ
  • レアカード、アンコモンカード合計3枚のみ
  • コモンカードのみ
  • アンコモンカードのみ
  • 武器カードなし
  • カスタムカードなし
  • 初期配置自由
  • 敵軍デッキ情報表示なし
  • 予備戦力なし
  • 補給なし
  • 隊長機を破壊すれば勝ち
  • 母艦を破壊すれば勝ち

の内3つがプレイヤーによって投票され、多数決で次回の特殊作戦が決定、決定してから3日間これが続く。

ステータス

  • 少尉の下に二等兵、一等兵、上等兵、伍長、軍曹、曹長、准尉等が追加された。
  • 階級、コスト、運用母艦は固定対応されている。
  • 通り名と呼ばれるニックネームが設定でき、ニックネームの前に稼動店舗の地名も冠される。
  • プレイヤー階級や各キャラクターレベルの、次回昇級に必要な経験値が、棒線グラフで表示される。
  • キャラクターレベルに上限が付いた。これによって低コストパイロットが高コストのエースパイロット並の強さにすることは難しくなったが、一部特化することは依然として可能である。
  • 戦功次第でプレイヤーは昇格・降格もある。ただし少尉以下は降格しない。また「店内対戦」を選択すると昇格戦・降格戦は発生しない。
  • 部隊レベルは廃止。
  • 終戦時の戦功ボーナスポイントは廃止。
  • パイロットステータスと艦長ステータスの成長が分けられている。
  • 各階級が上がるごとに、少尉以上ではコストが50プラスされる。

戦闘時

  • 戦術変更ボタンの押し方により特殊能力を使用出来るメカが、若干追加された。
  • 『0079』時代からのカードに、特殊能力が変更されたものがある(戦功レベルの廃止に伴い、同じ効果を持つアリス・ミラーとゼナ&ミネバなど)。
  • 戦闘中カスタムカードだけでなく、キャラクターカードの特殊能力も表示される。
  • テンション上昇条件を満たしていると、攻撃画面のメカの背後にオーラが出る。
  • 武器や、格闘攻撃で盾が破壊されると、貫通ダメージが起きる。
  • 武器の射程範囲や特定の地形でのダメージなど、攻撃に関する値も変更。
  • 一人用でプレイしている時に条件を満たすと「特殊部隊」と呼ばれる、いわゆる原作の部隊がCPUで現れることがある。
  • 戦略兵器としてガンダム試作2号機が登場し、アトミック・バズーカも使用可能。威力は絶大だが核は戦闘開始後90秒待たないと撃てない上、専用シールドも装備しなければ発射は出来ず、シールドが破壊されると使用不能となる。味方も巻き込んで被害を出す可能性もある。
  • 攻撃重視・防御重視でも「回避」が出るようになる。

カード

  • 新カードは主に『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』から追加。
  • 袋の色は青となった。
  • デザインも『0079』からの継続カードを含め、背景や枠がリニューアルされた(絵は『0079』最終版と同じ)。
  • 能力値の上限が25から30に引き上げられた。
  • 前述したver.2.0新規カードの問題点を踏まえ、『0083』では新規カードの封入率も比較的多めである。ただし『0083』新規カードはアンコモンやレアが多く、一概に入手しやすくなったとは言えない。またver.2.0で追加されたにもかかわらず『0083』で排出停止になったカードも多い。前述のノエル・ミユ・クスコ・メイも排出停止で、トレード価格の高騰に拍車をかけている。

その他

  • プレイヤーのいない筐体は『0079』では青と緑に光ったが、『0083』では黄色に光る。
  • 文字や画像の周囲のフレームなど、細かいデザインが変更。全体的に『0079』よりシャープなデザインとなった。
  • 戦闘モードに入る時の「連邦の攻撃」「ジオンの攻撃」の「軍」が無くなった。これは、ガンダム世界での正規の戦争としていたのが一年戦争のみで、デラーズ紛争は軍事衝突だが戦争ではないからである。
  • 戦績とランキングは、デラーズ紛争終了時に小計した「前大戦の戦績上位者」と、全戦績を総計した「総合戦績上位者」の二種類を全国規模で集計、表示。この結果でもゲームの戦略的展開が変化する。
  • センターモニターのアニメーションの種類が増えた。一年戦争編では『哀戦士』、デラーズ紛争編では『THE WINNER』のオープニング風アニメが流れる。サンライズ謹製の新規作画アニメで、特殊作戦に準じたデモアニメは大半が新しく収録された。特に『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』関連は、各種ゲーム媒体を含めても久々の新規作画である。

戦法

ゲーム自体の変更点ではないが『0083』からの新戦法を、便宜上こちらに並べる。

ロングレンジ戦法
ドダイ等のサポートメカが弱体化したことと、近距離で乱戦が起きやすいことによりLRの編成はほとんどいない。
ゲルクローン戦法
ゲルググの代わりに地上ではイフリート、宇宙ではリック・ドムII、連邦に至ってはピクシーで構成されたデッキが存在し、強行軍コンボデッキ及びワラワラデッキと組み合わせて編成がなされていた。
バリケード核デッキ
『0083』より編み出された戦法であり、通称バリ核。バリケードを設置可能なMSであるザクタンクと、核バズーカを装備した機体及びGP02Aを用意する。
戦闘開始直後画面端にバリケードを設置し、母艦と核持ち機体を囲うようにして、あとは時間が経てば、核バズーカを発射して敵機を殲滅するだけである。
バリケードが張られている間はキャノン砲等、遮蔽物越し射撃可能武器以外では攻撃できず、バリケードにぶつかれば機動力低下を起こし、またバリケードは繰り返し作り直す事が出来るため、相手のデッキ編成によっては何もさせないまま勝つことが出来る。
ただしこの戦法は非常に単調かつ攻略が非常に困難となっているため、多くのプレイヤーから批判されている。後にバージョンUpの影響でバリケードによるMSの停止時間が短縮されたため、ある程度は攻略し易くなっている。
強行軍コンボデッキ
『0083』より編み出された戦法。カスタム強行軍を使った戦法で強行軍の効果である「予備戦力を消費して攻撃力上昇する」能力と、艦長キャラのVer.2ギレンおよびVer.2レビルの能力である「劣勢時にテンションが上昇する」を組み合わせたもの。
これにVer.2ドズルおよび連邦のワッケインの能力である、「テンションMAX時に味方全員が同一メカの数に応じて攻撃力上昇」の効果等を意図的に発動させることにより、序盤から圧倒的火力で敵機を殲滅していくもの。
このコンボデッキは劣勢時に発動をするものであり、効果的な対策があまり無いため非常に強力なデッキとされている。イフリートやリック・ドムIIが良く使われる。連邦の場合ワッケインのパイロット能力が低いため、運用はジオンと比べやや厳しい。
高火力援護射撃デッキ
『0083』のバグを利用した戦法。上記の強行軍コンボと組み合わせるのが基本で、ドズルやワッケインの特殊能力を発動させると援護射撃のダメージが大幅に上昇し、シールド防御をしても援護射撃一発でシールドが破壊され、ビーム兵器を無効化するカスタム「ビーム・バリア」を装備していても貫通ダメージが発生する。
まともに援護射撃のダメージを受けた場合、バルカン程度の低火力武器でも一撃で撃破出来てしまう理不尽な戦法であり、多くのプレイヤーが開発側に改善を求めていた。
高速ロック編成
『0083』より登場したデッキの1種。連邦でテンションMAX時に味方全員のロック速度を上昇させるハロに、敵機数が自軍より多いとロック速度が上昇する能力を持つサウス・バニング(Rバージョン)を組み合わせることで、通常では有り得ないロックスピードとなり、相手にロックされないまま常に攻撃を行う。
バニングの他に劣勢時にロック速度が上昇するカスタム「生存本能」や、機動力が非常に高いGP系MS2機以下の編成との組み合わせで、更に強さが増すデッキであり、実力差が無い限り、機体数の多いワラワラデッキ等では勝つのは不可能に等しく、下記の精鋭デッキの使用者を増やした原因の一つと言える。
『両雄激突』では非常にコストの高いガンダム試作3号機デンドロビウムやノイエ・ジールが登場したことにより、更に精鋭デッキは増えた。
バニコウデッキ
連邦で高コストの機体に攻撃をすると一瞬でテンションMAXとなるレア版コウ・ウラキ(Ver.1)と、サウス・バニングとのコンビとなる編成であり、バニングはアンコモン版かレア版で運用が変わる。
アンコモンの場合UCバニングの能力である「傑出した統率力」(味方がテンションMAXを繰り返すたびに攻撃力が上昇する能力)とコウが持つ能力「終わりなき追撃」(同じ機体を攻撃するたびに攻撃力が上昇する能力)を組み合わして、非常に高火力となる火力特化の編成。
レア版の場合上記の高速ロック編成と同じく、ハロを組み合わせコウでテンションを上げてお手軽にロックスピードを上げる編成。
コウは連邦の高性能機体であるガンダム試作1号機等に適性があるため、ただでさえ火力の高い機体が更に高くなったり、高速ロックで一方的に攻撃が可能となる強力すぎる編成のため、『両雄激突』でコウのテンション上昇幅が抑えられた。
超絶回避デッキ
『0083』より登場したデッキの1種。連邦のVer.2レアアムロ(通称脱走アムロ)とニナ・パープルトンの能力「MSシステムエンジニア」を使ったデッキ。
脱走アムロには交戦した敵よりもHPが少ないと命中率、回避率の上昇するカスタム「対抗心」と同じ能力を持ち、これにHP1/3以下で命中率、回避率、移動速度が上昇するカスタム「EXAMシステム」と、予備戦力消失後に再出撃した機体にカスタム「教育型コンピューター」と同じ効果を付ける「MSシステムエンジニア」を組み合すことで、アムロが驚異的な回避率を叩き出す編成となる。
「対抗心」「EXAM」「教育型コンピューター」全てが発動した状態になると、ありとあらゆる攻撃を回避するようになり、アムロ一人で部隊を壊滅できてしまう強力なデッキであるが、いくらアムロとはいえどんなエースパイロットの攻撃も回避できてしまうのは、あまりにもゲームバランスが悪すぎると批判された。
不死身デッキ
『0083』からは上記の強行軍コンボを利用することで、開戦直後からテンションをMAXにすることが容易になり、非常に強力な機体をつくりあげることが出来る。
この戦術に関しては最初に挙げた、起死回生を持つカードが両方とも排出停止になっており、新しく始めることが困難になっている。またテンションMAX時に無敵の機体も、その時以外に攻撃されるとすぐに撃墜されるという弱点も持ち合わせている。
単機精鋭デッキ
『0083』になり、連邦ではGP-01fbやGP-03ステイメン、ジオンではガーベラ・テトラに代表される超高機動機が加わったため、ロックオンの振り切り等が可能となって強力となり、単機ゆえに操作に集中出来る、強力な回避力と攻撃力を有すると優位性がある一方、複数機でもロックオン速度については優位性がないなどから、対抗するには同型機を使用する、もしくはそれに対応し得る技術(相手の動きを読んで機体を先回りさせるなど)を必要とする。
また上級者にはコストに余裕が出て、随伴機にも同様の機体を使用すること(例:GP-01fbにサリー、ガーベラ・テトラにトップと言ったコストを400未満に設定した機体)もあり、これによって上記の超高機動機体を最大で4機撃墜する事を必要とされる場合もある。
これに関してはサブICを用いて初心者狩りを行う際に顕著に見られる傾向があり、そのため初心者は全国大戦に出ることを敬遠させられる事になった。対戦格闘ゲームのようなゲーム性が出る一方、独自の編成や低性能機などの意味は喪失してしまい、このゲームの独自性は弱くなり、レアカード等が揃っている熟練者以外のプレイヤーが離れてしまう結果となっている。







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