棋譜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/03 16:17 UTC 版)
シャンチーの棋譜
シャンチーの手は「炮二平五」のように記す。この例は「炮の駒を二筋から真横に五筋へ移動」を意味する。チェスや将棋と異なり、左右方向の筋(競技者から見て右から左へ数える。)のみを記し、上下方向の座標は記さない。同じ筋でも先手と後手で異なる数字になることに注意。なお後手は算用数字を使用する。移動方向にはこの例の「平」のほかに「進」(上方向)、「退」(下方向)がある。真上または真下に移動する場合、移動後の筋のかわりに移動量を一から九までの数字で表す。
同じ筋に同じ種類の駒が2枚または3枚ある場合は、駒名の前に「前・中・後」をつけることで区別する。この場合、あいまいさがなければ移動前の位置は省略される。
囲碁の棋譜
囲碁の盤面図を印刷した用紙(碁罫紙)に、1手目から終局までの着手点を、1からの数字で順に記録したもの。現在では、記入の際には黒番と白番を別の色(黒と赤など)で書き分けて見やすくし、印刷する場合には黒番の着手を黒丸に白色数字、白番の着手を白丸に黒色数字で表示する。1局の全着手を1枚の盤面図に記載したものを総譜と呼ぶ。解説書や新聞の観戦記などでは見やすくするために数十手毎に複数の図に分割して記載することが多い。石取りなどで石が存在しなくなった箇所に打たれた場合や、コウなどで複数回同じ場所に打たれた場合は、「160は158の下」「159(157)」「159コウトリ(153)」などと盤面図の外に記す。また終局時のダメを詰める過程の着手(黒白どちらがその点に打っても地の増減に影響しない着手)は省略することが多い。
盤面の向きは、先手番の者から見た盤面となるようにするのが通例だが、後手番の者が記録した場合には逆向きになっていることもある。
持ち時間の決まっている公式戦などで、一手打つのにかかった所要時間の記録が必要な場合には、通常の棋譜と同時に所要時間の表を作る。
特に囲碁では棋譜を記録することを採譜と呼び、分割する際には第1譜、第2譜と表記する。
チェッカーの棋譜
チェッカーではチェスと違って駒が動けるマス目に通し番号を振る。白から見て左上端を1として、左から右へ、上から下へと数える。国際ドラフツの場合は1から50までの番号がつけられる。移動前のマスと移動後のマスの番号をハイフンでつなぐ。駒を取るときはハイフンのかわりに「x」を記す[4]。
注釈
出典
- ^ a b “成長の15局、囲碁への情熱伝える 一力遼三冠が「打ち碁集」刊行”. 河北新報オンライン (2024年6月14日). 2024年6月17日閲覧。
- ^ 『よくあるご質問:棋譜の表記方法』日本将棋連盟 。
- ^ “打碁集・事典”. 日本棋院. 2024年6月17日閲覧。
- ^ PDN 3.0 standard
- ^ Othello, Mattel
- ^ 実例は以下を参照:『棋譜鑑賞室』日本バックギャモン協会 。
- ^ “初代大橋宗桂 vs. 本因坊算砂 その他の棋戦”. 将棋DB2. 2023年9月28日閲覧。
- ^ “第3章 囲碁を学ぶ”. 「本の万華鏡」第22回「日本の囲碁-白と黒の戦い-」. 2023年9月28日閲覧。
- ^ “Francesc de Castellvi vs Narcis Vinyoles (1475) Old in Chess”. www.chessgames.com. 2023年9月28日閲覧。
- ^ AIによる将棋棋譜記録 | リコーグループ 企業・IR | リコー
- ^ 囲碁全対局、AIでデータに 日本棋院が自動記録システム: 日本経済新聞
- ^ (日本語) Why Championship Chess Sets Are So Expensive | So Expensive 2023年9月28日閲覧。
- ^ 加戸守行『著作権法逐条講義・五訂新版』著作権情報センター、2006年
- ^ 渋谷達紀『知的財産法講義II 第2版 著作権法・意匠法』有斐閣、2007年
- ^ a b “【将棋や囲碁の棋譜に著作権(著作物性)はないという傾向である】”. 弁護士法人みずほ中央法律事務所 司法書士法人みずほ中央事務所. 2018年12月24日閲覧。
- ^ 「棋譜情報は自由利用可能 配信ユーチューバー勝訴―大阪地裁」『時事ドットコム』、2024年1月16日。2024年1月17日閲覧。オリジナルの2024年1月16日時点におけるアーカイブ。
- ^ “日本チェス棋約” (docx). 日本チェス協会. 2019年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月15日閲覧。
- ^ “全日本チェス選手権 2020”. National Chess Society of Japan. 2020年12月15日閲覧。
- ^ http://bug.org/ML/shogi/onegai.txt
- ^ 大和証券杯ネット将棋利用規約http://www.daiwashogi.net/agreement.html
- ^ a b c d e “「棋譜」に著作権はある? 「無断中継」なぜNG? 朝日新聞に聞いた”. ITmedia NEWS. 2018年12月24日閲覧。
- ^ a b c d “将棋実況YouTuberに朝日新聞「権利侵害なので中止を」、何の権利侵害なのか?”. 弁護士ドットコム. 2018年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f “将棋「YouTube実況」めぐり議論 個人の「棋譜中継」は権利侵害になる?”. J-CASTニュース (2017年6月25日). 2018年12月24日閲覧。
- ^ “ケーススタディ | 公益社団法人日本複製権センター(JRRC)”. jrrc.or.jp (2018年1月4日). 2023年9月28日閲覧。
- ^ 国立国会図書館デジタルコレクション。「詳細検索」からNDC=795で囲碁、NDC=796で将棋の本が検索できる。
- ^ PDN 3.0 standard 1.0 documentation, World Draughts Federation
- ^ PBN Homepage
- ^ a b 株式会社インプレス (2018年1月29日). “日本棋院が公式で無償提供している囲碁の棋譜再生・編集ソフト「Kiin Editor」/局面のエクスポート機能が充実。クリップボード出力や画像出力、紙への印刷が行える【レビュー】”. 窓の杜. 2023年5月25日閲覧。
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