惑星ソラリス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 00:01 UTC 版)
短縮版について
上記の、東宝から発売された『名作・ソビエト映画』吹替版VHSは、オープニングとエンディングにオリジナル版に存在しないケルヴィンのナレーションが流れ、彼の父親とバートン飛行士、そして有名な首都高速の映像を全てカットした(それでいてオープニングのキャスト紹介の字幕では、彼等二人の配役と役者の名前がちゃんと紹介されている)ヴァージョンである。これは、東京12チャンネルが2時間枠のテレビ放送用に1979年にザックプロモーションに発注して作成したものであり[4]。、このヴァージョンではその他にも、ソラリス・ステーションでケルヴィンとハリーが彼等の家族が映ったホーム・ムービーを観るシーンや、ケルヴィンが夢の中で母親と再会するシーンなど数多くのシーンがカットされていて、165分のオリジナル版が正味約94分になっている(画面サイズはスタンダード)。
地球シーンが無いことなど、実は「映画版」と「小説」が乖離している部分がかなりカットされており、タルコフスキーの世界観を度外視するならば、奇しくもレムによる原作に近い仕上がりになっていると言える。
リメイク
2002年にアメリカの映画監督スティーヴン・ソダーバーグによりリメイクされた。製作者側によるとこの作品はタルコフスキーの作品のリメイクではなく、あくまでも原作小説のソダーバーグによる映画化とのことである。 とは言っても、レムの小説よりはタルコフスキーの映画からの影響と思われる要素も多く見られる。実際、DVDの特典に収録されているソダーバーグの脚本には「スタニスワフ・レムの小説および、アンドレイ・タルコフスキーとフリードリッヒ・ゴレンシュタインの脚本に基づく」と書かれている。映画本編のクレジットではレムだけが記載されている。
- 登場人物名の変更について
- クリスの前妻はオリジナルではハリーだが、リメイク版は「レイア」にされている。これはハリーという名前が英語圏では男性名にあたり、英訳版の「ソラリスの陽のもとに」ではハリーをアナグラム化して「レイア」という名前になっていることからリメイク版では英語名が優先されている(なお、英語版では「スナウト」も「Snow」に変更されており、かなりの異同がある)。
- ^ ポーランド語原題で「ソラリス」(Solaris)となるところがロシア語では「ソリャリス」(Солярис)となっているが、これは言語上の単純な対応関係の問題であって深い理由のあってのことではない。ポーランド語の軟子音「l」(エル)に対応するロシア語表記が「ль」(エリ)であるため、「Solaris」(ソラリス、ソラーリス)をそのまま転写すると「Солярис」(ソリャリス、ソリャーリス)となるのである。邦題では原作のポーランド語表記に準じている。
- ^ 朝日新聞be「みちのものがたり」(2015年5月9日参照)。
- ^ 『亡くなる心得』PANARION、9月23日、189頁。
- ^ 外画 吹き替え
固有名詞の分類
- 惑星ソラリスのページへのリンク