寄生獣 (映画) 寄生獣 (映画)の概要

寄生獣 (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/17 15:18 UTC 版)

寄生獣 / 寄生獣 完結編
監督 山崎貴
脚本 古沢良太
山崎貴
原作 岩明均寄生獣
製作 川村元気
佐藤貴博
守屋圭一郎
出演者 染谷将太
阿部サダヲ
深津絵里
橋本愛
大森南朋
余貴美子
北村一輝
國村隼
浅野忠信
音楽 佐藤直紀
主題歌 BUMP OF CHICKEN
前編:「パレード
完結編:「コロニー
撮影 阿藤正一
制作会社 ROBOT
製作会社 映画「寄生獣」製作委員会
配給 東宝
公開 前編:
2014年10月30日TIFF
2014年11月29日
完結編:
2015年4月25日
上映時間 前編:109分
完結編:117分
製作国 日本
興行収入 20.2億円(前編)[1]
15.0億円(完結編)[1]
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2部構成の作品である、前編にあたる『寄生獣』は2014年11月29日に公開され、後編にあたる『寄生獣 完結編』(きせいじゅう かんけつへん)が2015年4月25日に公開された[2]

監督は山崎貴、主演は染谷将太。脚本を山崎貴と古沢良太が共同で手がけ、深津絵里橋本愛らが出演。


注釈

  1. ^ a b 原作では「ひかり第一公園」という名称の公園という設定であったが、実写映画版では「東福山動物公園」[52]という名称の動物園に変更されている。
  2. ^ 原作では、パラサイトたちは物語冒頭において空から降ってくるという描写がされていたのに対し、実写映画版ではパラサイトが深海から浮上するという描写に変更されている[7]。「#設定」も参照。
  3. ^ 原作では、「A」を新一と引き合わせた高校教師のパラサイト「田宮良子」は間もなく学校を去って黒幕的な立場となり、また新一は蘇生した直後に母親の仇討ちのために旅立つが、実写映画版では「A」は行方をくらまし、「田宮良子」は学校に残って、ミギーとの融合で変化した新一の観察を継続する。
  4. ^ 物語途中で他の部員から里美をモデルにしているのではないかと勘ぐられて怒り、剥離剤をかけて一度台無しにしている。なおこの剥離剤はその後、「島田秀雄」が正体を現した際に里美によって投げつけられ、原作において裕子が投げつけた硫酸の瓶の役回りを担う。
  5. ^ 劇中では幾度もAppleのロゴマークが描写されている。
  6. ^ 原作では数学教師という設定であった。
  7. ^ これも母性をテーマとして強調することを意図した変更の一環であることが読み取れる[17]
  8. ^ ただし原作では里美の自宅であったのに対し、実写映画版では「後藤」との対決の場でもあるごみ焼却施設に捨てられている寝具の上というロケーションに変更されている。
  9. ^ 原作では裕子から投げつけられるが、実写映画版では里美から投げつけられる。原作では硫酸[23]であったと言及されていた薬品は、同年のテレビアニメ版と同じく油彩剥離剤。
  10. ^ a b 原作では「A」が「田宮良子」の策略によって爆殺され、テレビアニメ版では原作の描写に沿って大型の酸素ボンベで爆殺される様子が描写されているが、実写映画版では「島田秀雄」が「田宮良子」から手製の火炎瓶を投げつけられて負傷する展開となっている。
  11. ^ 原作では「田村玲子」の殺害を決断するのは「草野」の独断とされ[28]、その後の広川も「田村玲子」と「草野」らの間に何が起こったのかを掴みかねている描写になっている[29]
  12. ^ やや上質の仕立てという設定で作られており[30]、あまりに役者の体型に細かく合わせて作られた背広であったので、役を演じた北村は撮影が終わったらそのまま貰えるのかと思ったほどだったという[26]
  13. ^ 原作では、山中に不法投棄された産業廃棄物の山の上であった。
  14. ^ この設定変更については、ある放射線科医師により「科学考証上、放射性物質が悪影響を及ぼす過程について、映画鑑賞者に根本的な誤解を与える」との指摘がある。「寄生獣 完結編」終盤の問題について(TwitLonger より抜粋)
  15. ^ 原作では「後藤」との戦いの詳細が描かれ、彼の率いる特殊部隊が与えたダメージが新一の最後の戦いでヒントになるという役割が与えられていた。
  16. ^ 劇中では「島田秀雄」によって惨殺される場面で、里美から名前を呼ばれる描写がある。
  17. ^ 公式ウェブサイトの人物紹介一覧には掲載されておらず、また映画プログラムでもこの女子生徒の名前が「裕子」であるという短い言及があるのみで[19]、登場人物としての紹介はされていない。
  18. ^ ただし、このように映像化権の獲得を経て映画化が発表されながらも、企画段階のまま立ち消えとなってしまうことは、ハリウッド映画ではよくあることである[37]
  19. ^ 多くの場面はCGが用いられているものの、模型を用いた部分もある。例えば主人公とミギーが入浴する場面は、水没する部分をすべてCGで表現することは技術的に困難であるため、ミギーの下半分は模型、目玉や手などの上半分はCGを用いている[40]。また前編のクライマックスにおいて、主人公の母親を乗っ取った「A」と決着を付ける場面でミギーが変形した剣は、CGではなく模型が用いられている[40]
  20. ^ これは日本においては映画業界よりも、ゲーム業界の方が資金力を持っており、日本の映画業界が持っていない技術や施設を保有しているためであるという[9]
  21. ^ ただし具体的な説明はされず、それがパラサイトが人造生命体であることを意味するのか、宿主側に残った人間性がそのような行動に駆り立てるという意味なのか、あるいは「後藤」の的外れな推測に過ぎないのかといった答えは示されない。
  22. ^ なお原作では、「田宮良子」が主人公を「A」と引き合わせるのは喫茶店で、「島田秀雄」はまだ登場していないという描写となっており、水族館が登場するのは実写映画版独自の描写である。
  23. ^ セットでの撮影現場でモーションキャプチャーの収録を同時に行うのは、本作が日本映画では初の試みであるとしている[26]
  24. ^ 『完結編』公開前夜に前編をテレビ放送用に再編集(PG12指定を受けたシーンに配慮など)し、後篇(完結編)の一部も加えたアナザーバージョンに相当する作品となっている。監督自らが新たに書き下ろして物語の再構築を行い、ミギーによる回想の形式で描かれた内容になっている。特別版の制作にあたっては、阿部サダヲが新たに「ミギーの心の声」を収録している。

出典

  1. ^ a b 2015年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
  2. ^ a b c d 伝説の漫画「寄生獣」を山崎貴監督が2部作で映画化!染谷将太×深津絵里が参戦”. 映画.com (2013年11月20日). 2013年11月20日閲覧。
  3. ^ 実写映画版完結編プログラム, p. 27.
  4. ^ a b c 実写映画版完結編プログラム, p. 38.
  5. ^ a b c d 実写映画版前編プログラム, p. 18.
  6. ^ a b c 実写映画版前編プログラム, p. 39.
  7. ^ a b c d 九龍ジョー (2014年11月25日). “哲学的モチーフ、ギリギリの衝撃映像、役者の力が後編への期待をあおる”. 映画.com. 2014年11月28日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h 山崎貴(インタビュー)「山崎貴監督に聞く・下 後編のラストは「壮大な舞台を用意」」『まんたんウェブ』、2014年12月16日https://mantan-web.jp/article/20141216dog00m200002000c.html2014年12月16日閲覧 
  9. ^ a b c d e f g h i j 山崎貴(インタビュアー:泊貴洋)「いまこそ語られるべき物語……映画『寄生獣』製作秘話」『ユリイカ2015年1月臨時増刊号』、2014年12月20日。 
  10. ^ a b c d 実写映画版前編プログラム, p. 19.
  11. ^ 実写映画版前編プログラム, p. 30.
  12. ^ 実写映画版前編プログラム, p. 30-31.
  13. ^ 実写映画版前編プログラム, p. 4.
  14. ^ 実写映画版前編プログラム, pp. 4, 18.
  15. ^ a b c d e f g h i j 実写映画版前編プログラム, p. 9.
  16. ^ a b c 山崎貴(インタビュー)「山崎貴監督に聞く・上 “顔割れ”シーンは日本のゲームメーカーの高い技術で実現」『まんたんウェブ』、2014年12月3日https://mantan-web.jp/article/20141203dog00m200046000c.html2014年1月3日閲覧 
  17. ^ a b 高瀬司「混ざること、問われること」『ユリイカ2015年1月臨時増刊号』、青土社、2014年12月20日、215-221頁。 
  18. ^ 実写映画版前編プログラム, pp. 5, 11.
  19. ^ a b c d 実写映画版前編プログラム, p. 11.
  20. ^ 染谷将太; 橋本愛(インタビュアー:黒豆直樹)「【インタビュー】染谷将太&橋本愛 『寄生獣』で体感した恐怖、衝撃…そして感動」『シネマカフェ』、2014年12月3日https://www.cinemacafe.net/article/2014/12/03/27768.html2014年12月14日閲覧 
  21. ^ 実写映画版完結編プログラム, p. 11.
  22. ^ a b c d 実写映画版前編プログラム, p. 13.
  23. ^ アフタヌーンKC版第4巻, 第23話.
  24. ^ a b c 実写映画版前編プログラム, p. 16.
  25. ^ a b 実写映画版完結編プログラム, p. 39.
  26. ^ a b c d e 実写映画版完結編プログラム, p. 19.
  27. ^ a b c 実写映画版完結編プログラム, pp. 27–28.
  28. ^ a b アフタヌーンKC版第7巻, p. 189, 第44話.
  29. ^ アフタヌーンKC版第8巻, pp. 184–187, 第51話.
  30. ^ a b 実写映画版前編プログラム, p. 31.
  31. ^ 「寄生獣」に原作イメージ通りの豪華キャスト結集!浅野忠信、東出昌大ら”. 映画.com (2014年7月15日). 2014年11月28日閲覧。
  32. ^ a b c d e f 実写映画版前編プログラム, p. 17.
  33. ^ a b c d e f 実写映画版完結編プログラム, p. 28.
  34. ^ アフタヌーンKC版第10巻, p. 136, 第62話.
  35. ^ テレビアニメ『寄生獣 セイの格率』第23話。
  36. ^ a b “毒舌超絶美少女 山谷花純が映画『寄生獣 前編』でも大活躍”. GirlsNews (レゾリューション). (2014年11月30日). http://girlsnews.tv/actress/191713 2014年12月7日閲覧。 
  37. ^ a b c d e f g “「寄生獣」実写映画化、TVアニメ化発表 映画化権を東宝が獲得”. アニメ!アニメ!ビズ (イード). (2013年11月24日). http://www.animeanime.biz/archives/18908 2014年11月23日閲覧。 
  38. ^ a b コジマ (2008年2月29日). “どうなる「寄生獣」実写映画化、米ニューライン社が40年の歴史に幕。”. Narinari.com. https://www.narinari.com/Nd/2008028943.html 2014年11月23日閲覧。 
  39. ^ 実写映画版前編プログラム, pp. 4, 18–19, 22–23, 29, 34, 36.
  40. ^ a b c 実写映画版前編プログラム, p. 29.
  41. ^ a b c 「寄生獣」山崎貴監督、染谷将太らが最初に直面した最大のハードル”. 映画.com (2014年11月27日). 2015年1月4日閲覧。
  42. ^ 小峰克彦 (2014年11月28日). “ナヨナヨ系男子必見! 映画『寄生獣』が教えてくれる、人生における2大重要な女“好きな人と母”との接し方”. マイナビニュース. ソーシャルトレンドニュース (マイナビ). http://news.mynavi.jp/news/2014/11/28/395/ 2015年1月4日閲覧。 
  43. ^ a b c d e 実写映画版完結編プログラム, p. 9.
  44. ^ a b c d e f g 実写映画版前編プログラム, p. 32.
  45. ^ 実写映画版前編プログラム, pp. 18–19, 30.
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  47. ^ 実写映画版前編プログラム, p. 19,30.
  48. ^ a b c d 実写映画版前編プログラム, p. 7.
  49. ^ a b c d e f 河崎裕介 (2014年11月28日). “銀幕の四日市に注目 「寄生獣」29日公開”. 中日新聞 (中日新聞社). http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20141128/CK2014112802000025.html 2014年12月13日閲覧。 
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  51. ^ a b 実写映画版完結編プログラム, p. 13.
  52. ^ a b c d e f g h i 実写映画版完結編プログラム, p. 37.
  53. ^ a b c d 実写映画版完結編プログラム, p. 17.
  54. ^ a b 実写映画版完結編プログラム, p. 17,19.
  55. ^ a b c 実写映画版完結編プログラム, p. 21.
  56. ^ 「寄生獣」ワールドプレミアに山崎貴監督&染谷将太、感慨無量”. 映画.com (2014年10月30日). 2014年12月28日閲覧。
  57. ^ 「寄生獣」本編冒頭10分以上を封切り前にテレビで放送!山崎監督「大盤振る舞いです」”. 映画.com (2014年11月25日). 2014年11月28日閲覧。
  58. ^ 映画「寄生獣」公開直前に「頭から見せちゃう」 本編を10分以上放送決定”. アニメ!アニメ!. イード (2014年11月25日). 2014年11月30日閲覧。
  59. ^ 壬生智裕 (2014年12月2日). “『寄生獣』が初登場1位!原作ファンが劇場に集結!【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ. 2014年12月28日閲覧。
  60. ^ a b “実写『寄生獣』不安拭う絶賛の嵐”. web R25. リクルート (Yahoo! JAPAN). (2014年12月1日). http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20141201-00039355-r25 2015年1月11日閲覧。 
  61. ^ Taka (2014年11月29日). “「これじゃない感が強い」 『前田有一の超映画批評』で『寄生獣』が25点(100点満点中)”. ガジェット通信 (東京産業新聞社). http://getnews.jp/archives/710704 2015年1月11日閲覧。 
  62. ^ 新野漸 (2014年12月11日). “ブログを読んでから観に行く映画「寄生獣」 -【はてなの風景8】”. はてなニュース (はてな). http://hatenanews.com/articles/201412/23123 2015年1月11日閲覧。 
  63. ^ 安部偲 (2014年11月28日). “ミギーのキャラクターに賛否!? ハリウッドも狙った実写版『寄生獣』の完成度は?”. 日経トレンディネット. 日経BP. p. 5. 2015年1月11日閲覧。
  64. ^ 『寄生獣』伊映画祭でヨーロッパ初上映!『永遠の0』に続き受賞なるか”. シネマトゥデイ (2015年3月18日). 2015年3月8日閲覧。
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  66. ^ “東出「恐れ多い」裕次郎新人賞/映画大賞”. 日刊スポーツ. (2014年12月4日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp1-20141204-1404386.html 2014年12月5日閲覧。 
  67. ^ 2014年 第88回キネマ旬報ベスト・テン”. KINENOTE. 2015年1月8日閲覧。
  68. ^ キネマ旬報ベスト・テン発表、「恋人たち」「マッドマックス」が1位に輝く”. 映画ナタリー (2016年1月8日). 2016年1月8日閲覧。
  69. ^ 第89回キネマ旬報ベストテン 個人賞”. KINENOTE. 2016年1月8日閲覧。
  70. ^ CGとVFXの祭典、VFX-JAPANアワードで「バクマン。」が実写映画部門の頂点に”. 映画ナタリー (2016年3月4日). 2016年3月7日閲覧。





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