完全先付け 完全先付けの概要

完全先付け

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/20 14:36 UTC 版)

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用語解説

先付け(さきづけ)とは、「先に役を確定させること」を意味する麻雀用語である。もともとは現在の用法とは意味が逆であり、「先に副露して、後からを確定させること」を指していた。これは金融用語の「の日付けが記された小切手」という意味の「先付け」(先に小切手を振り出し、後から現金になる)から転じたものである。[要出典]いつの間にか麻雀では意味が逆転し、原義どおりの役の付け方は「から役を付ける」ので「後付け」(あとづけ)と呼ばれるようになった。また、完全先付けのルールを厳格に解釈する者たちの間では「和了のときに初めて役を確定させる」ことのみを「後付け」と呼び、「途で役を付ける」ことを「中付け」(なかづけ)と呼ぶこともある。

先付けの和了のみを認め、中付けや後付けの和了を認めない(チョンボとする)ルールのことを完全先付けと呼ぶ。

完全先付けはナシナシ(「クイタンなし、後付けなし」の略)と呼ばれることもある。対義語として、標準的な「食い断あり、後付けあり」のルールをアリアリと呼ぶ。2009年7月のルール変更以前の第1東風荘のような「食い断なし、後付けあり」のルールはナシアリと呼ばれる。

歴史

完全先付けは日本昭和30年代後半から昭和40年代前半あたりに、中付けや後付けの和了を好まない者たちが、そのような和了を禁止したルールとして生まれたと考えられているが、詳細は不明である。完全先付けは日本麻雀独特のルールであり、中国麻雀台湾麻雀などには完全先付けの存在は確認されていない。

完全先付けの統一されたルールは存在せず、完全先付けのプロ麻雀団体や競技麻雀団体もないため、ローカルルールやハウスルールのバリエーションが非常に多い。そのため、プレイヤーにより見解の相違が起こることが多く、トラブルの原因になることがある。また、学校の先輩と後輩、会社の上司と部下などプレイヤーの実生活上の立場に差のある場合や、仲間内の麻雀に一人だけゲストが参加した場合などに、解釈が曖昧であることを悪用して目上側に有利な運用がなされたり、恐喝まがいの麻雀になったりする場合もある。

現在のフリー雀荘のルールは、関東ではアリアリにほぼ統一されている。一方関西やその他の地方では4人打ちについては関東流のルールが進出していることからアリアリが多く(アリアリを「東京麻雀」と呼んでいる雀荘もわずかながら存在する)、一方で西日本が本場とされている3人打ちでは4人打ちに比べて非常に和了しやすいために完全先付けが多い傾向にある。

テレビゲームゲームセンターの麻雀ゲームでもアリアリが主流であるが、初期のゲームでは完全先付けが採用されることがあった。また、東風荘ハンゲームなどのオンライン麻雀の標準ルールで食い断なしが採用されているか、あるいはルール選択で食い断ありと食い断なしが選択できる場合であっても、完全先付けは選択できず、後付けありに固定されているのが普通である。これは、完全先付けの解釈の差に起因するクレームを嫌ってのことと言われている。

仲間内の麻雀ルールは千差万別であるが、特に完全先付けが多い地方は存在せず、日本各地に分布している。ただし、完全先付けの解釈の傾向には地方差があるとされる。完全先付けは「門前での役作りをじっくりと楽しみたい」という人には好まれている一方で、スピードや駆け引きの技術を重視する人にはあまり好まれていない。最近は後者が重視される傾向にあり、麻雀ゲームの普及もあって仲間内の麻雀でも完全先付けは減少傾向にある。

基本ルール

完全先付けには2つの基本ルールがある。1つは「門前を崩した和了の制限」(中付けの禁止)であり、もう1つは「片和了りの禁止」(後付けの禁止)である。

門前を崩した和了の制限

門前を崩した和了は、最初の副露(第1副露)をに必ず絡めるか、副露していない手牌の中で役を構成する牌がすべて揃っていなければならない。そうでない和了は、完全先付けでは自摸和栄和にかかわらず不可とされる。第2副露以降には特に制約はなく、役に全く絡まなくてもかまわない。以下の例では右から順に副露したものとする。

例1-1

この手牌の場合、先にをチーし、後から役牌をポンしているので第1副露が役に絡んでおらず、完全先付けでの和了は不可である。

例1-2

逆にこの手牌の場合は、先に役牌のをポンし、後からをチーしているので第1副露が役に絡んでおり、完全先付けでの和了もである。

例1-3

この手牌の場合、副露していない手牌の中に役牌の暗刻で存在するため、第1副露が役に絡まなかったとしても、完全先付けでの和了もである。第1副露のときにが暗刻でなかったとしても、和了したときには第三者には確認できないためにそれは問わないものとする。

例1-4

この手牌の場合、第1副露のが678の三色同順に絡んでいるので、完全先付けでの和了もである。

例1-5

この手牌の場合、副露していない手牌の中で678の三色同順を構成する牌がすべて揃っているため、第1副露が役に絡まなかったとしても、完全先付けでの和了もである。

例1-6

逆にこの手牌の場合は、第1副露が役に全く絡んでおらず、また副露していない手牌の中で678の三色同順を構成する牌がすべて揃っていないため、完全先付けでの和了は不可である。

例1-7

このパターンの場合、混一色という役を確定させているため、を副露しても役として数えられる場合がある。

片和了りの禁止

片和了り(かたあがり)とは2つ以上の待ち牌がある聴牌で、少なくとも1つの待ち牌が縛りを満たさないために和了ることができない聴牌のことをいう。このような聴牌形での和了の場合、たとえ和了れるほうの待ち牌であっても、完全先付けでは自摸和、栄和にかかわらず不可とされる。これは門前かそうでないかを問わないが、門前での自摸和は門前清自摸和が必ず成立するため片和了りとはならない。

例2-1

この手牌は三面待ちではあるが、一気通貫となるものの、では、何も役がつかないために和了ることができない。したがってこれは片和了りとなり、完全先付けでの和了は不可である。

例2-2

この手牌では待ち牌がであるが、どちらの待ち牌でも一気通貫となるために片和了りではなく、完全先付けでの和了もである。

例2-3

この手牌では待ち牌がの1つだけであり、和了れない待ち牌はないため片和了りではなく、完全先付けでの和了もである。

その他の制約

完全先付けでは前記の2つの基本ルールに抵触する和了をした場合にはチョンボとなるが、その他にも以下の制約があるのが一般的である。




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