多重線型写像 対称性・反対称性・交代性

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多重線型写像

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/28 09:29 UTC 版)

対称性・反対称性・交代性

写像

  • 対称的 (symmetric) であるとは、2つのベクトルを交換しても結果が変わらないことをいう:
  • 反対称的 (antisymmetric) であるとは、2つのベクトルを交換すると得られる結果が符号が逆になることをいう:
  • 交代的 (alternating) であるとは、2つのベクトルが同じであるとき結果が 0 になることをいう:

明らかに、交代多重線型写像は反対称である。逆に、反対称多重線型写像は標数 2 でないとき交代、標数 2 のときは対称になる。反対称性のことを交代性と呼ぶこともしばしばある。 より一般に、文字 {1, …, k} 置換の成す対称群 Lk(E; F) への作用を

即ち k-重線型写像の k 個の引数の置換として定める(σ(τf) = (στ)f となることに注意せよ)とき、fLk(E; F)

  • 対称であるとは、∀σ に対して σf = f となること;
  • 反対称であるとは、∀σ に対して σf = sgn(σ)f となること

と述べられる。ここに sgn(σ) は置換 σ符号である。

逆に、 の作用の平均化を行うことにより、対称化作用素

および反対称化作用素

を定めれば、任意の k-重線型写像 f を対称化 Sf および反対称化 Af することができる。しばしばこれらの作用素が冪等であるようにするために、k! で割る文献もある(が、それは正標数の体では常に可能とは限らない)。


注釈

  1. ^ 上記の関係式では ~f の値は単純テンソル上でしか与えられていないが、単純テンソルの全体はテンソル積空間全体を生成するから、線型写像 ~f はこれだけで一意に決定されることに注意する。
  2. ^ より具体的に、交代形式の分解公式は行列式の代わりに小行列式を用いて
    と与えられる。

出典

  1. ^ Lang. Algebra. Springer; 3rd edition (January 8, 2002)


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