土木工学 土木の語源

土木工学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 10:22 UTC 版)

土木の語源

日本語

名前の由来は中国の前漢時代の古典「淮南子(えなんじ)」にでてくる築土構木という言葉から来ているといわれているが、実際のところははっきりしない。

古代では漢詩や漢文等で使用された「土木」であったが、明治新政府で官職として初めてその名称が使われるようになる。1869年(明治2年)5月に民部官のもとに「土木司」が置かれ、事務分掌は「道路橋梁堤防等営作ノ事ヲ専管スルヲ掌ル」とされた[2][3]。一方で公共建築物は「営繕司」が担当することになり、ここで土木と建築の事務は分離されたのである。1877年(明治10年)に土木局が置かれ、これは現在における国土交通省の源流にもあたる。すなわち、明治以降の政治体制から日本語の「土木」として用語が定着したのである。

2019年(令和元年)9月に刊行された大辞林第四版では、「あらゆる産業・経済・社会等人間生活の基盤となるインフラを造り、維持・整備してゆく活動」とされた。建設工事の総称に留まらず、社会資本整備そのものを意味する言葉であることを表している。

英語

日本で取り扱っている建築の技術部門や環境に関する部門も外国では土木として扱われることがあり、日本の土木工学/建築学とは対象分野の境界が少し異なっている。外国では橋などの土木構造物のデザインもarchitectureが担うことがある。 これに対し、日本では構造物の種類や目的によって土木工学/建築学が分かれているため、建築家も構造計算を行い、生活環境に関する研究を建築学者も行う一方、構造を扱う土木技術者もデザインを学習し行うこともある。

今日の英語圏においてはフレーズ civil engineering が日本語圏における土木工学にほぼ相当するが、由来(歴史)的には単純にそのように対応しているわけではない。「engineer」という語は、今日では軍民の区別に関係なくニュートラルに使われているが、古くは「工兵」の意があり、その派生語として軍と関係ないが同様の土木工学を指す句として、1771年にイギリスの機械技術者ジョン・スミートンが、軍事以外の部門を意味する civil を付けたのが由来とされる。 なお現代ではそのような由来にもとづく意識はほぼ残っておらず、"mechanical engineering"(機械工学)や "electrical engineering"(電気工学)といった句と同様に使われており「非軍事の」という特段の意味はない。非軍事の技術的問題のすべてが対象となる分野とされていて、軍事で建設される公共施設に土木技術は適用されるので軍事or非軍事と言う区分、つまり厳密には民間技術ということでCivil engineeringである、とはいわない。

こうした区分は『古市公威とその時代』(土木学会土木図書館委員会, 土木学会土木史研究委員会編)にも指摘あるとおり、フランスの場合でグランド・ゼコールエコール・デ・ポリテクニーク」を出て、さらに土木最高の学校「ポン・ゼ・ショッセー」を出た技術者が過去官庁や軍工兵部隊へ奉職し、「エコール・デ・サントラル」出身者がおもに民間企業へという流れから来ていることがあげられ、明治時代には諸芸学と称されていた。








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