厄祓い 厄祓いの概要

厄祓い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 04:22 UTC 版)

概要

厄祓いは厄年に行われることが多いが、日々の生活で少しずつ溜まっていく厄(日常厄)をこまめに祓う意味で、厄年以外に行う場合もある。厄を避ける方法によっては、厄除け(やくよけ)、厄落とし(やくおとし)などとも呼ばれる。また、厄払いの字を当てる場合もある。

寺や神社などで行うのが一般的であるが、お祓いの専門家に依頼する場合もある。また、日常厄を寄せ付けない方法としては、厄除けとなるものを身に付けるという方法も用いられる。

時期

厄年における厄祓いの時期は、地域によって異なるものの、「年の節目である新年正月元旦に行う」ケース(一番祈祷)[1]、「年の節目を旧正月と考え、厄年の区切りも旧正月からとし、節分にあわせて行う」ケース(厄払い節分祭など)[2]、「年始から節分までに行う」ケースが多く見られる。もっとも、厄年を無事乗り切るために祈願するということが厄祓いの本質であるため、その時期を越えてしまったからといって厄祓いを依頼できなくなるわけではない。厄年の残りを無事に乗り切るための祈願に遅すぎるということはない。

神社によっては喪中を嫌う場合があるが、四十九日の忌明後であれば問題ないとする神社もある。また、お寺であれば喪中を嫌うといったこともないため、お寺での厄祓いを選択するという方法もとられる。

子供の厄祓いは、誕生初参りや七五三などのお参りと合わせて行うことが多い。元来、七五三は厄祓いを起源とするものである。

日常厄は日々積もる厄であるため、厄祓いの時期はとくに決まっていない。「正月一番祈願や誕生日など、年次の節目に定期的に行う」ケース、「何か災厄が立て続けに発生してしまい、大厄を小厄に、小厄を無厄に、と願い、思い立ったそのときに行う」ケースなどがある。

ご利益の類型

厄祓いのご利益を得るための方法の類型には、以下のようなものがある。

  • 厄を近づけない
厄を近づけないように、神仏に守ってもらうというもの。魔除けのお守りも、同様の考えに基づくものである。
  • 厄を追い出す
を焚き、邪気を外に追い出すというもの。
  • 身代わり
災厄を、神仏が身代わりとなって背負ってくれるというもの。お参りの際に、身に付けている小物をわざと落とし、それによってを一緒に落とすという風習の地域もあるが、これも同様の考えに基づくものである。その他、節分祭礼で餅や豆と一緒に厄を撒き、他の人に拾ってもらい、厄を分担してもらうという風習の地域もある。

厄祓いで有名な神社については、厄年の該当項を参照のこと。

厄除けの贈り物

日常厄はもとより厄年への対応でも、厄除けとなるもの(御札、御守など)を身に付ける方法を取る場合がある。これが転用され、厄年の人に厄除けとなるものを贈り物するという近年の流行がある。

この場合の贈り物には、肌身離さず持てるもの、長いもの、うろこ模様のもの、七色のものが好いとされている。そのため、男性向けにはネクタイベルトなどが、女性向けにはマフラースカーフ、ネックレス、ブレスレット等のアクセサリー類などが贈り物としてよく用いられる。また、男女共通に財布などもよく用いられるが、いずれも伝統・宗教的裏付けはなく、あくまで商業上の理由による販売促進策である。


  1. ^ 和田神社の正月一番祈祷
  2. ^ 仙台成田山の厄払い節分祭会
  3. ^ a b c d 佐野厄除大師のページ、中段参照
  4. ^ 地球の歩き方』御朱印シリーズ(学研)P38-39「厄除け開運大師龍泉寺


「厄祓い」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「厄祓い」の関連用語

厄祓いのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



厄祓いのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの厄祓い (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS