勲章 アメリカ合衆国の勲章

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勲章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/08 14:14 UTC 版)

アメリカ合衆国の勲章

名誉勲章(左から陸軍、海軍・海兵隊、空軍用)
コメンデーションメダル(左から統合軍、空軍、陸軍、海軍・海兵隊、沿岸警備隊用)
善行章(左から陸軍、海兵隊、海軍、空軍、沿岸警備隊用)

アメリカ合衆国の場合、ほとんどのものが戦功章であり、授与対象者は軍人である。オーダーがなく、最上級のものも“メダル”であり、一部のメダルにはその上にクロスが存在する。序列は、イギリスでは全てのメダルの上にそれぞれの上級章であるクロスが位置するが、アメリカの場合、メダルの上にその上級章であるクロスが位置し、その上に別のメダルが位置付けられる。

戦功章は条件を満たせば何度でも授与された(パープルハート章など)。その為高位の戦功章は条件が特に厳しく設定されており、これを得るためには多大な功績を示さなければならなかった。

大統領自由勲章 (Presidential Medal of Freedom)
文民(退役軍人を含む)に対する最高位の勲章の一つ。議会名誉黄金勲章と同格とされる。1945年にトルーマン大統領により制定された。
名誉勲章 (Medal of Honor)
連邦議会の議決を経て授与される、軍人に対する最高位の勲章。
殊勲十字章 (Distinguished Service Cross)
陸軍軍人の軍功に対して与えられる勲章。名誉勲章の次位。海軍及び海兵隊は海軍十字章 (Navy Cross)、空軍は空軍十字章 (Air Force Cross) となるが、これは陸軍が最も古くからある軍隊であるため。
ディスティングシュドサービスメダル (Distinguished Service Medal)
殊勲章の訳が見られる。陸海空軍・沿岸警備隊及び各省庁が、「国に対する軍事上の重責ある顕著な功績」を挙げた軍人又は文民職員に授与する。
レジオン・オブ・メリット (Legion of Merit)
勲功章の訳が見られる。格別な功績を挙げた軍人に与えられる。チーフコマンダー (Chief Commander)、コマンダー (Commander)、オフィサー (Officer)、レジオネール (Legionnaire) の4等級があるが、アメリカ合衆国の軍人に対しては階級問わず授与されるのはレジオネールで、オフィサー以上の3等級は外国軍高官対象。
シルバースター (Silver Star)
銀星章の訳が見られる。軍人用。「戦闘において勇敢な行為をした」者に授与される。
ブロンズスターメダル (Bronze Star)
青銅星章の訳が見られる。軍人用。「作戦において英雄的、かつ名誉ある奉仕を行い、成果を挙げた」者に授与される。
コメンデーションメダル (Commendation Medal)
賞賛章の訳が見られる。軍人用。「敵軍との直接接触において勇敢な行動を取った」者に授与される。
パープルハート章 (Purple Heart)
戦傷軍人に与えられる。その名の通り紫のハートの形をしている。ジョージ・ワシントンが独立戦争の際に制定した最も古くからある勲章。2004年の大統領候補ジョン・ケリーはこれを3回受章したことを選挙におけるセールスポイントとするなど、アメリカの退役軍人としてはとりわけ名誉な賞である。
エア・メダル(Air Medal)
航空活動で功績を挙げた軍人に与えられる。
戦争捕虜章 (Prisoner of War Medal)
捕虜となり無事帰還した軍人に与えられる。1986年に創設されたが、第一次世界大戦以降の捕虜経験者に対して遡及して授与される。
善行章 (Good Conduct Medal)
「献身的奉仕を行い顕著な自発性を見せた者」、つまり志願兵や3年間規律違反を犯さずに勤めた軍人に与えられる。戦死した軍人には無条件で追贈される。
従軍章 (〜 Service Medal、〜 Campaign)
戦争もしくは海外派兵任務についた軍人に与えられる。任務ごとに種類があり、名称とデザインも異なる。

(参考)英語版 アメリカ合衆国勲章カテゴリ


  1. ^ ドイツ語では“Orden”と“Ehrenzeichen”を併せてOrden und Ehrenzeichenと称する。
  2. ^ 但し、イギリスではそれらのほとんどが1993年の制度改正で廃止されている[3]
  3. ^ 勲爵士と訳される言葉には他に英語の“Companion”がある。
  4. ^ 法令上は正式なものではない場合もある。
  5. ^ イギリスでは、デコレーションと同様に、遺族による保持が認められるようになったのは第二次世界大戦後である。しかし、一部のものは現在でも返還が義務付けられている[9]
  1. ^ 岩倉・藤樫 第1章
  2. ^ 造幣局百年史 p 101
  3. ^ Duckers Chapter 13
  4. ^ a b c 小川 第II部
  5. ^ 例:小川 P 93 と 君塚 P 16
  6. ^ 栄典制度の在り方に関する懇談会(第2回)議事録(平成12年11月21日)
  7. ^ 小川 p 122
  8. ^ 小川 p 95
  9. ^ 君塚 補論
  10. ^ 君塚 p26
  11. ^ 略小勲章の一覧
  12. ^ 独立行政法人 造幣局 : 略小勲章
  13. ^ 農事功労章”. 在日フランス大使館 (2005年1月26日). 2010年11月6日閲覧。
  14. ^ a b フランス農事功労章受章者協会 (MOMAJ) - <フランス農事功労章 創設の歴史>[リンク切れ]
  15. ^ 衆議院議員 中川昭一 公式サイト : 活動報告(フランスより農事功労章(コマンドゥール)受賞の一コマ)[リンク切れ]
  16. ^ “中川農相、フランスの農事功労章受章 - 東京”. フランス通信社. (2006年5月27日). https://www.afpbb.com/articles/-/2061715?pid=586462 2010年3月11日閲覧。 
  17. ^ Welcome” (フランス語). Encouragement Public. 2023年3月16日閲覧。
  18. ^ 陶芸文化、世界に 島田在住の道川さんにフランス社会功労奨励章”. あなたの静岡新聞. 静岡新聞社. 2023年3月16日閲覧。
  19. ^ 本学卒業生のインド映画女優・舞踊家 板倉リサ氏が、「フランス社会功労奨励章」コマンドゥール(旧 3等・「現」大冠付金章)を受勲されました。”. 武蔵野大学. 2023年3月16日閲覧。
  20. ^ 本学大学院修士課程に在籍中の池田有沙さんが 最年少23歳で仏社会功労 奨励勲章の月桂樹銀賞受賞しました”. 桐朋学園音楽部門. 2023年3月16日閲覧。
  21. ^ 卒業生幕田魁心氏フランス社会功労月桂冠奨励勲章受章/お知らせ”. 書道研究所 大東文化大学. 2023年3月16日閲覧。
  22. ^ 小川 第II部 第6章
  23. ^ Guy Stair Sainty (1991). The Orders of Saint John. The American Society of The Most Venerable Order of the Hospital of Saint John in Jerusalem 
  24. ^ a b Guy Stair Sainty (1991). The Orders of Saint John. The American Society of The Most Venerable Order of the Hospital of Saint John in Jerusalem 
  25. ^ Order Pro Merito Melitensi”. 2020年8月29日閲覧。
  26. ^ 那珂馨『勲章の歴史』雄山閣出版、1973年、203頁。NDLJP:11894505/133 
  27. ^ 那珂馨『勲章の歴史』雄山閣出版、1973年、204頁。NDLJP:11894505/134 
  28. ^ 1967年(昭和42年)、佐藤栄作に贈られた物。国立公文書館所蔵(請求番号:寄贈01877100)。
  29. ^ a b Implementing Rules and Regulations of Executive Order 236 of Executive Order 236”. 2018年7月21日閲覧。
  30. ^ Republic Act No. 646”. 2018年7月21日閲覧。
  31. ^ President Aquino's speech at the International Assembly of the Knights of Rizal”. フィリピン共和国政府. 2016年3月24日閲覧。






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