勲章 フランスの勲章

勲章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/05 09:32 UTC 版)

フランスの勲章

ナポレオンによる初のレジオンドヌール勲章授与式。(画)ジャン=バティスト・デブレ

レジオンドヌール勲章は制定の際に、中世の騎士団(ordre オルドル)を基にしたグランクロワ (Grand-Croix)、グラントフィシエ (Grand Officier)、コマンドゥール (Commandeur) 、オフィシエ (Officier)及びシュヴァリエ (Chevalier) の5等級が定められた。多くの国がその後勲章を制定する際これに倣ったため、現在でもヨーロッパの勲章には5等級のものが多い。フランス人に授与する場合、等級は年功序列によるが、外国人に授与する場合は単に功績に応じて決定される。

レジオンドヌール勲章 L'ordre national de la Légion d'honneur
1802年ナポレオン・ボナパルトにより制定され、今日もなおフランスの権威ある国家勲章となっている。世界的にも非常に有名で価値あるものとされる。最高位のグラン・クロワは、日本人では山本権兵衛らが受章している。
国家功労勲章 L'ordre national du Mérite
レジオンドヌール同様、大統領の決定によりフランス政府から叙せられる勲章。等級もレジオンドヌールと同じ5等級である。シャルル・ド・ゴールがそれまで多数あった省レベルの勲章を統廃合して1963年に新設した。
芸術文化勲章 L'ordre des Arts et des Lettres
フランス文化省が運用する、芸術分野での功績に対して与えられる勲章。コマンドゥール、オフィシエ、シュヴァリエの3等級がある。授与数が少なく希少価値がある。
日本人では石井好子北野武がコマンドゥール章、坂本龍一がオフィシエ章を受章している。
教育功労章 L'ordre des Palmes académiques
教育関係者に与えられる勲章。1808年にナポレオンが創設。コマンドゥール、オフィシエ、シュヴァリエの3等級がある。
農事功労章 L'ordre du Mérite agricole
農業水産大臣が、農業に貢献した人物に授与する勲章。1883年創設。現在は、上からコマンドゥール、オフィシエ、シュヴァリエの3等級が設定されている。フランスの農産物や食文化の普及に貢献した外国人に授与されることもある[13]。年間に3階級合計で4000人ほどが受賞し、通常はシュヴァリエから昇級していく[14]
2006年中川昭一農林水産大臣(当時)が日本人として初めて最高位のコマンドゥール章を受章した[15][16]。ここ10年間で約70人程の日本人受章者がいるが、外国人は国内規定に関わらず授与できると定められており[14]、儀礼的なものであることもある。日本人受章者によって フランス農事功労章受章者協会 (MOMAJ) が設立されている。
フランス社会功労奨励章 Encouragement Public (旧 L'ordre de l’Encouragement Public)[17]
社会公共、専門職業分野、芸術分野において、人類愛、博愛の面でフランス、海外フランス地域及び諸外国で功労貢献した個人又は団体に贈る褒章。1932年創設(フランス共和国の政令による制定)。現在は、上から大章(旧グランコルドン・一等)、「特別」胸付用「金」勲章(旧グラントフィシエ・二等)、王冠付金章(旧コマンドゥール・三等) 、月桂樹金製銀章(旧オフィシエ・四等)及び月桂樹銀章(旧シュヴァリエ・五等)の5等級が設定されている。日本人では画家の岡本太郎や俳優の三船敏郎などが受章している。前身である L'ordre de l’Encouragement Publicは、1920年11月6日の政令により規定されている[18][19][20][21]
スポーツ・青少年功労章 Médaille d'honneur de la Jeunesse et des Sports
スポーツや青少年教育に関する功績に対して与えられる金銀銅のメダル。Ordreではない。
国家最優秀職人章 Meilleur Ouvrier de France
3年に一度のコンクールで勝利した優れた職人に贈られる称号。料理人への授与で知られる。Ordreではない。

  1. ^ ドイツ語では“Orden”と“Ehrenzeichen”を併せてOrden und Ehrenzeichenと称する。
  2. ^ 但し、イギリスではそれらのほとんどが1993年の制度改正で廃止されている[3]
  3. ^ 勲爵士と訳される言葉には他に英語の“Companion”がある。
  4. ^ 法令上は正式なものではない場合もある。
  5. ^ イギリスでは、デコレーションと同様に、遺族による保持が認められるようになったのは第二次世界大戦後である。しかし、一部のものは現在でも返還が義務付けられている[9]
  1. ^ 岩倉・藤樫 第1章
  2. ^ 造幣局百年史 p 101
  3. ^ Duckers Chapter 13
  4. ^ a b c 小川 第II部
  5. ^ 例:小川 P 93 と 君塚 P 16
  6. ^ 栄典制度の在り方に関する懇談会(第2回)議事録(平成12年11月21日)
  7. ^ 小川 p 122
  8. ^ 小川 p 95
  9. ^ 君塚 補論
  10. ^ 君塚 p26
  11. ^ 略小勲章の一覧
  12. ^ 独立行政法人 造幣局 : 略小勲章
  13. ^ 農事功労章”. 在日フランス大使館 (2005年1月26日). 2010年11月6日閲覧。
  14. ^ a b フランス農事功労章受章者協会 (MOMAJ) - <フランス農事功労章 創設の歴史>[リンク切れ]
  15. ^ 衆議院議員 中川昭一 公式サイト : 活動報告(フランスより農事功労章(コマンドゥール)受賞の一コマ)[リンク切れ]
  16. ^ “中川農相、フランスの農事功労章受章 - 東京”. フランス通信社. (2006年5月27日). https://www.afpbb.com/articles/-/2061715?pid=586462 2010年3月11日閲覧。 
  17. ^ Welcome” (フランス語). Encouragement Public. 2023年3月16日閲覧。
  18. ^ 陶芸文化、世界に 島田在住の道川さんにフランス社会功労奨励章”. あなたの静岡新聞. 静岡新聞社. 2023年3月16日閲覧。
  19. ^ 本学卒業生のインド映画女優・舞踊家 板倉リサ氏が、「フランス社会功労奨励章」コマンドゥール(旧 3等・「現」大冠付金章)を受勲されました。”. 武蔵野大学. 2023年3月16日閲覧。
  20. ^ 本学大学院修士課程に在籍中の池田有沙さんが 最年少23歳で仏社会功労 奨励勲章の月桂樹銀賞受賞しました”. 桐朋学園音楽部門. 2023年3月16日閲覧。
  21. ^ 卒業生幕田魁心氏フランス社会功労月桂冠奨励勲章受章/お知らせ”. 書道研究所 大東文化大学. 2023年3月16日閲覧。
  22. ^ 小川 第II部 第6章
  23. ^ Guy Stair Sainty (1991). The Orders of Saint John. The American Society of The Most Venerable Order of the Hospital of Saint John in Jerusalem 
  24. ^ a b Guy Stair Sainty (1991). The Orders of Saint John. The American Society of The Most Venerable Order of the Hospital of Saint John in Jerusalem 
  25. ^ Order Pro Merito Melitensi”. 2020年8月29日閲覧。
  26. ^ 那珂馨『勲章の歴史』雄山閣出版、1973年、203頁。NDLJP:11894505/133 
  27. ^ 那珂馨『勲章の歴史』雄山閣出版、1973年、204頁。NDLJP:11894505/134 
  28. ^ 1967年(昭和42年)、佐藤栄作に贈られた物。国立公文書館所蔵(請求番号:寄贈01877100)。
  29. ^ a b Implementing Rules and Regulations of Executive Order 236 of Executive Order 236”. 2018年7月21日閲覧。
  30. ^ Republic Act No. 646”. 2018年7月21日閲覧。
  31. ^ President Aquino's speech at the International Assembly of the Knights of Rizal”. フィリピン共和国政府. 2016年3月24日閲覧。






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