五瓣の椿 五瓣の椿の概要

五瓣の椿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/08 14:58 UTC 版)

五瓣の椿
作者 山本周五郎
日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
発表形態 雑誌連載
初出情報
初出講談倶楽部
1959年1月 - 1959年9月
刊本情報
出版元 講談社
出版年月日 1959年
総ページ数 252
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新潮文庫版でロングセラーとなっている。また、ドラマ・映画・舞台にもなっている。

あらすじ

「紅あかい一枚の椿の花片」が現場に残される連続殺人が起きた。平簪で男を突き死に至らしめるが、そこには躊躇った様子が見えなかった。捜査にあたる八丁堀の与力、青木千之助は現場で目撃された若く美しい娘を探すが正体が掴めない。しかし幻の女が現れる場所で再び男が殺されていく。

天保5年正月に亀戸天神近くの白河端にある薬種商「むさし屋」の寮より火事が出て、主人の喜兵衛(45)、妻のおその(35)、娘のおしの(18)と一家3人が亡くなった。遺体は損傷がはげしく男女の区別さえつかない様子だった。おしのは老舗で財産家の一人娘らしくおっとりとして母親譲りのうつくしい娘だった。

おしのの最愛の父・喜兵衛が死んだ。婿に入って以来、遊びもせず身を粉にして働いた身体は労咳(結核)に蝕まれていた。一方、母・おそのは夫を避けて寮に移り住み、遊興に耽り、男を連れ込んで、不行跡を続けていた。おそのが夫の死を知ったのは、おしのと見舞いに行く約束を破って、役者と行った箱根から帰ってきてからだった。おそのは夫の遺骸を前にしても悲しまないばかりか、死人の側にいるのを嫌がる。おしのに、父への不人情をなじられると、夫を悪く言い、この人は本当の父ではないから悲しむことはないと言い放った。呆然としたおしのは一人、部屋にこもり、己を恥じない母を汚れていると思った。母の血が流れる自分の身体も汚れていると身震いした。そして実の子でない自分への父の愛情を思った時、女ばかりか人間ぜんぶを辱める罪を犯した母と母と一緒に父を苦しめた男たちに、罪を償わしてやると誓う。寮には、父が眠り、母と役者が酒を飲み抱き合って眠っている。おしのは、そこへ火を放ち、去っていった。

一年後、おりうという女が一人の男を殺した。男の傍らに一片の花びらが落ちていた。それは、喜兵衛が子どものころ悲しいことがあった時に見てすごしたと、おしのに語った椿の花びらだった…。

登場人物

書誌情報


注釈

  1. ^ ドラマのオリジナルの人物。

出典

  1. ^ a b 北日本新聞』1969年4月11日付朝刊、テレビ欄。
  2. ^ 『長野放送二十年の歩み』(1989年5月25日、長野放送発行)174頁『昭和44年4月基本番組表』より。
  3. ^ a b 「テレビ視聴率季報(関東地区)」ビデオリサーチ。
  4. ^ “国仲涼子:デビュー17年目 自分の“いやな顔”も受け入れられるように”. MANTANWEB(まんたんウェブ) (MANTAN). (2015年1月30日). https://mantan-web.jp/article/20150129dog00m200007000c.html 2017年3月5日閲覧。 
  5. ^ 再放送情報「五瓣の椿」”. NHKドラマ. 日本放送協会 (2017年1月27日). 2017年2月3日閲覧。
  6. ^ 日本放送協会『五瓣の椿https://www.nhk.jp/p/ts/856NY4WYR7/2022年12月3日閲覧 






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