中岩ダム 中岩ダムの概要

中岩ダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/21 17:52 UTC 版)

中岩ダム
所在地 栃木県日光市高徳
位置
河川 利根川水系鬼怒川
ダム諸元
ダム型式 重力式アーチダム
堤高 26.3 m
堤頂長 107.9 m
堤体積 12千
流域面積 697 km²
総貯水容量 1488千 m³
有効貯水容量 171千 m³
電気事業者 東京電力リニューアブルパワー
施工業者 五月女組・田淵組
着手年/竣工年 1922年/1924年
出典 [1]
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概要

1924年、日本初の発電用コンクリートダム「黒部ダム」および下滝発電所で行われていた東京市電への電力供給のための長距離送電における発電量のさらなる増大を目的に、小田急電鉄の前身である鬼怒川水力電気株式会社によって建設された[2]

ダム湖「中岩貯水池」には鬼怒川発電所(旧:下滝発電所)、竹之沢発電所の放流水および男鹿川からの水が流入し、中岩ダムは常に一定量を放流する逆調整の役目を担っている[3]。戦後の再開発で発電に使う水量が増加したことに伴い、1963年西古屋ダムが建設された。以降、中岩ダムと西古屋ダムの2つが鬼怒川発電所の調整池として機能している。

中岩貯水池で取水した水はダム横の東京電力リニューアブルパワー中岩発電所で発電に利用され、鬼怒川に放流される。

ダム右岸にはアイスハーバー式の魚道が設けられており、アユヤマメウグイなどが遡上する[4]

水利紛争

中岩ダムは鬼怒川上流域の全流量を調整する位置に建設され、電力需要の少ない早朝はダム放流が止められていた[5]

そのことで早朝と電力ピークの夕方では大きな差が生じ、放流量の日内変動は下流平野部の河川水位に大きな変動を及ぼした。これによって、ダム運用開始時から、鬼怒川水力電気と下流の農業水利組合との間で放流の方法を巡る激しい水利紛争が起こった[5]

1932年栃木県知事の調停によって、「中岩ダムが灌漑期間中、自然流量を放流する逆調整を行う」という条件で妥結し、紛争は和解した[6]

改修

1967年から1969年にかけて大規模な改修が行われ、越流部は10門から6門に変更されたほか、堤高は1.7 mかさ上げされている。

アクセス

東武日光線 新高徳駅から1 km(徒歩13分・車で3分)[7]


  1. ^ a b 中岩ダム [栃木県]”. ダム便覧. 2019年10月14日閲覧。
  2. ^ 堀川洋子 2019, p. 5.
  3. ^ ダムカード
  4. ^ 栃木県 中岩ダム”. 電力供給のしくみと設備. 東京電力ホールディングス株式会社. 2019年10月14日閲覧。
  5. ^ a b 堀川洋子 2019, p. 6.
  6. ^ 堀川洋子 2019, p. 7.
  7. ^ 一般開放はされていないため近くで見ることはできない。


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