マクワウリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/11 09:03 UTC 版)
マクワウリと西洋メロン
ネット系の西洋メロンが日本の市場に流通するのは1925年(大正14年)以降、マスクメロンの温室栽培に成功してからである[4]。しかし当初は一般家庭には手の届かない高級品であり、庶民はもっぱら安いマクワウリを食べていた[4]。マクワウリに続いて導入された、ハネデューメロンやホームランメロン等のノーネットメロンは美しい網目の形成が不要で大量生産を行いやすいため安価に流通する傾向にあり、庶民の家庭では普段使い用に重宝されている。
利用
食用とする果実は香りが良く、果肉がややかための食感で、さっぱりした甘味がある[2]。食材としての主な旬は7 - 9月とされ、全体に色が均一で重みのあるものが市場価値の高い良品とされる[2]。放射状に切って先割れスプーンなどですくったり、そのままかぶりついたりして食べるが、大型のネットメロンほどの甘味は無い[2]。浅漬けや糠漬けにもされる。
お盆のお供えとしてよく使われる。
カリウムが他の果物に比べて特に豊富に含まれおり、利尿作用により体内水分のバランスを整えるほか、高血圧や動脈硬化、糖尿病の予防に効果が期待できるといわれている[2]。その他、ビタミンCや、貧血予防に役立つといわれる葉酸も比較的多く含まれている[2]。
栽培
栽培難度はふつうで、栽培期間は5 - 8月、苗の植え付けは晩春(5月中旬)に行い、夏期(6月下旬 - 8月上旬)に収穫する[2]。寒さに弱い高温性植物で、栽培適温は25 - 30度とされる[2]。連作障害があるため、ウリ科作物を2 - 3年作っていない畑で栽培する[2]。家庭菜園や植物の解説ではメロンに準じて扱われる[5]。
畑は元肥を入れて良く耕しておき、高さ5 - 10センチメートル、幅100センチメートルの畝を作り、十分に暖かくなった晩春に苗を植え付ける[2]。定植時の株間は100センチメートル程度とし、根浅性のため深植は厳禁とされる[2]。初夏から夏期にかけては生長期で、つるが伸びたら本葉5 - 6枚で親づるを摘芯して、小づるを3本伸ばすようにする[2]。さらに小づるが伸びて本葉が15 - 20枚のころに摘芯して、孫づるに実をつけるようにする[2]。果実がつき始めたら、早めに摘果を行って、1株あたり6 - 8個の果実が残るように育てられる[2]。追肥は、2週間に1度の間隔で行われる[2]。夏期に実が十分に膨らんで大きくなったら収穫の目安となり、開花後40 - 50日目で果実は成熟する[2]。
品種
多くの品種があり、色や形はさまざまである[2]。果実の形は俵形をしているものが多く、果皮の色については黄色系・緑色系・白色系の3色の系統があり、代表的なものは果皮が黄色系で果肉が白色である[2]。品種改良が進み、糖度の高いものも市場に流通しており、他種との交配で作出されたプリンスメロンがよく知られている[2]。
- 緑色系
- 白色系
- 1 マクワウリとは
- 2 マクワウリの概要
- 3 概要
- 4 マクワウリと西洋メロン
- 5 交配品種
マクワウリと同じ種類の言葉
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