マクワウリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/11 09:03 UTC 版)
概要
メロンの亜種で糖度は低いが、甘い瓜である。大量生産が容易で、市場では普段使いの野菜として安価に取り引きされ、昭和までは手頃な甘味として親しまれていた。平成以降は生産技術の向上でネット系メロンが安価になり、代替品のマクワウリを食べる機会は少なくなっている。種としてのメロン (Cucumis melo) は北アフリカや中近東地方の原産であり、紀元前2000年頃に栽培が始まった。そのうち、特に西方に伝わった品種群をメロンと呼び、東方に伝わった品種群を瓜(ウリ)と呼ぶ。マクワウリもその一つで南アジア原産とされる[2]。日本で古くから栽培されているマクワウリは、オリエンタルメロンと呼ばれる小型メロンの仲間である[2]。この系統のウリが日本列島に渡来したのは古く、縄文時代早期の遺跡(唐古・鍵遺跡)から種子が発見されている[2]。
日本におけるマクワウリの栽培史は20世紀初頭に導入されたメロンより遥かに長く、2世紀頃から美濃国(岐阜県南部)真桑村(のちの真正町、現:本巣市)が良品の産地であった。マクワウリの名前は名産地の真桑村に由来する。奈良時代末期に成立されたという『万葉集』にも登場し、歌に詠まれている[2]。
古くから日本で食用にされ、古くは「うり」と言えばマクワウリを指すものだった[3]。現在の甘い「メロン」が一般的になる昭和中期までは、マクワウリのことを「メロン」と呼んでいた[2]。他、アジウリ(味瓜)、ボンテンウリ(梵天瓜)、ミヤコウリ(都瓜)、アマウリ(甘瓜)、カンロ(甘露)、テンカ(甜瓜)、カラウリ(唐瓜)、ナシウリ(梨瓜)といった様々な名称で呼ばれる。
品種が多く、果実も様々な色や形のものがある。代表的なものはアメリカンフットボールのような形。果皮の色については#品種を参照。
マクワウリと同じ種類の言葉
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