ボルボ・V70 3代目

ボルボ・V70

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/20 04:53 UTC 版)

3代目

ボルボ・V70(3代目)
3代目フロント
3代目リア
概要
製造国  スウェーデン
販売期間 2007年11月 -2016年2月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ ステーションワゴン
駆動方式 FF
4WD
パワートレイン
変速機 6速AT
車両寸法
ホイールベース 2,815 mm
全長 4,825mm
全幅 1,890mm
全高 1,545mm
車両重量 1,750 kg
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V70は2007年2月に3代目へとフルモデルチェンジされた。全長×全幅×全高=4825×1890×1545mmと更に一回り大きくなったボディには2.5L直列5気筒ターボ[1]に加え、4輪駆動車にはV70初となる世界的にも珍しい横置きの直列6気筒エンジンが搭載されることになった。日本市場における当初の販売価格もベーシックな2.5TLEで498万円、上級グレードのT-6 TE AWD 4WDで770万円と大幅に上昇した。

2008年5月 小変更で2.5Tと3.2SEにレザーシートやハイパフォーマンスオーディオ(3.2SEはプレミアムサウンドオーディオ)を標準とし、また全モデルにメタリック・パール塗装やサービスパスポートも付いた。

2009年1月 スポーティな装いを持つ「R-DESIGN」が新設定。

2009年7月 マイナーチェンジが行われ、フロントグリルに大型化されたアイアンマークが採用された。2.5L直列5気筒ターボエンジンに改良が施され、最高出力で231ps・最大トルク34.7㎏と約16%アップとしながら、燃費は9.5km/Lと約10%向上されている。また、新たにエントリーグレード、ノルディックが追加されたほか、グレードの整理が行われ直列6気筒エンジン車はターボエンジンのAWD駆動を持つT-6TEに統一。

2010年7月 小変更により、3.0Lの直列6気筒ターボエンジンが改良によりエンジン出力が304馬力・最大トルク44.9㎏へと大幅にパワーアップしたほか、燃費性能向上の両立が図られた。これにより、2010年度燃費基準+5%を達成している。また、安全性能も向上され左右リアヘッドレストに前席よりスイッチひとつで作動する「ワンタッチ前方可倒式」が採用された。

2011年2月 マイナーチェンジ。エンジンが新開発の1.6L直列4気筒直噴DOHCエンジンを採用したエントリーグレード、V70・DRIVe(ドライブ・イー)が追加された。このモデルはエコカー減税対象となる。V70 T5 SEには、これまた新開発の2000cc直噴ターボエンジンが採用された。なお、このマイナーチェンジにより日本向けから直列5気筒エンジンは消滅。さらに追突事故を防止する自動ブレーキを含む独自の安全技術、シティセーフティを最上級グレードに標準装備。その他にもオプションで用意された。2011年以降北米での販売を中止された。

2012年8月 V70・DRIVe(ドライブ・イー)⇒T4に改称。この頃から販売の主軸がV40V60に移行していく。

2013年8月 マイナーチェンジで内外装デザインを刷新。また、「シティセーフティ」の作動速度域が30km/hから50km/hに引き上げられ、「追突回避・軽減フルオートブレーキシステム」にサイクリスト検知機能が加わるなど、安全性能が向上している。さらに、T4に代わるエントリーグレード「T4 SE」が新たに設定されている。

2015年7月 小変更を実施。装備充実のクラシックを設定。また、V70のトップグレード、「T6・AWD」は廃止され、前輪駆動のみのラインナップとなった。

2016年 ボルボ・V90が後継車となる。V70では最終生産モデルに使用される「クラシック」がある。グレードは、「T4・クラシック」「T5・クラシック」

2017年2月 ボルボ・V90ボルボ・S90が発表される。これらがそれぞれV70とS80の後継車となり、V70とクロスカントリータイプのXC70 は生産終了となった。

V70 プラグインハイブリッド

スウェーデンの電力会社であるバッテンフォールとの合弁事業でボルボは2台のV70をディーゼル・電気式プラグインハイブリッド実証車として改造して2009年12月からヨーテボリで公道試験が行われている[2]。バッテンフォールは顧客に風力発電水力発電等の再生可能エネルギーによって発電された電力を供給することを試みるなど[3]、この試験は電気自動車にとって不利な低温環境での経験を積むことを目標としている[2][3]

V70 PHEV試験車は11.3kWhリチウムイオン充電池を使用する[4]。テストドライバーの報告によるとV70 プラグインハイブリッド実証車は電気のみの走行で20キロメートル (12 mi) から30キロメートル (19 mi) 走行する。実証車は運転手が電気やディーゼルエンジンのどちらでもいつでも切り替えられるようにボタンが設置されている[2][5]。公道試験の第一段階は2010年6月に終了し16家族を含むボルボまたはバッテンフォールの従業員の全てが1か月間に1、5週間参加した。第2段階は2010年7月から12月までバッテンフォールヨーテボリストックホルムの全ての従業員を対象に実施された。第一段階で鍵となる以下の要素が見出された[2][5]

  • 大半の運転手は街中では低速時に電気走行を選択するが高速道路ではディーゼル走行に切り替える。
  • テストドライバーは20 から 30kmの電気での走行距離では不十分であることを見つけ、50キロメートル (31 mi)から80キロメートル (50 mi)、さらに将来的には150 - 200キロメートル (93 - 124 mi)の走行距離を要求した。
  • 全てのテストドライバーは日中に充電したが公道試験のために設置された公共の充電設備は誰も使用しなかった。
  • 公道試験前、運転手達は歩行者や自転車の乗員に対して電気自動車の静粛性に関して危険性を考慮していた。試験後これらの懸念は取り越し苦労であったことが明らかになった。

ボルボは2009年に2010年に認証を取得して2012年初頭にディーゼル電気式ハイブリッドの量産に入る予定であることを発表した。ボルボはプラグインハイブリッドはヨーロッパの試験サイクルで1USガロンあたり125マイル (1.88 L/100 km; 150 mpg-imp) に達する事が可能と主張している[5][6]


  1. ^ 排気量が2,500ccをわずかに超えたため、同じ2.5Lでも年間の自動車税が45,000円から上がって51,000円になる。
  2. ^ a b c d Vattenfall (2010年9月). “Having a plug-in hybrid as your family car -what is it actually like?”. PluginCars.com. 2010年9月5日閲覧。 pp. 3-4
  3. ^ a b Volvo Cars and Vattenfall to Develop New Plug-in Diesel-Electric Hybrids; Three V70 PHEV Demonstrators on the Road This Summer”. Green Car Congress (2009年6月1日). 2009年6月4日閲覧。
  4. ^ Brad Berman (2010年3月9日). “Volvo V70 Plug-in Hybrid”. PluginCars.com. 2010年10月5日閲覧。
  5. ^ a b c Volvo Reports Reactions from First Drivers of Volvo V70 Plug-in Hybrid”. PluginCars.com (2010年10月1日). 2010年10月5日閲覧。
  6. ^ John Voelcker (2009年6月2日). “Volvo to Introduce Plug-In Diesel by 2012”. Fox News. 2009年6月4日閲覧。


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