ボルドー液 危険性

ボルドー液

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 04:50 UTC 版)

危険性

ボルドー液に使われる硫酸銅は劇物に指定されているが、ボルドー液自体の安全性は高く、収穫物に残留するレベルの量ではヒトへの危険性はない。ボルドー液のような無機銅農薬を使用した農産物は、日本農林規格(JAS)において「有機農産物」の表示が認められている[26]

ただし、硫酸銅は水棲生物(魚類、甲殻類、藻類)に強い毒性を有するため、ボルドー液が河川、湖沼、養殖池および海域に飛散、流入しないよう注意が必要となる。

また、生石灰は水と発熱反応する[27]ほか、石灰が皮膚に直接触れると、と反応して化学熱傷の原因になる[28]。また、作物の種類や不適切な混用などによっては、作物に汚損などの薬害を起こす場合もある[29]。そのため、ボルドー液の使用に際しては、適切な装備と適切な用法を心掛ける必要がある。

かつてはボルドー液に酢酸フェニール水銀やエチルリン酸水銀などを配合した水銀ボルドー液が使用された時代もあった。これは銅化合物の予防的効果に有機水銀の即効的な殺菌効果を付加したものであった[30][31]が、水銀が人体へ与える危険性が広まるにつれて使用されることは無くなった。

参考文献

関連項目


  1. ^ 松村 2006
  2. ^ 化学用語辞典編集委員会 1992, p. 81
  3. ^ 三重県農産物安全課
  4. ^ 農林水産省 2012, p. 1,7
  5. ^ 日本土壌協会 2010, p. 272-274
  6. ^ くぬ刀 1996, p. 35
  7. ^ 米山 2012, p. 菌8
  8. ^ a b 安東 2002, p. 118
  9. ^ 高屋 1982, p. 110
  10. ^ 田代 2009, p. 26
  11. ^ 田盛 1966, p. 31
  12. ^ 吉田 2007, p. 1
  13. ^ 渡辺 2000, p. 6の10
  14. ^ 奥谷 1983
  15. ^ Ainsworth 1981, p. 111
  16. ^ Mehrotra 2013, p. 16
  17. ^ Millardet 1885
  18. ^ 小島 1892
  19. ^ 井上 2007, p. 81
  20. ^ 大澤 2010, p. 199
  21. ^ 大田 2014, p. 368
  22. ^ 細辻 1986, p. 516
  23. ^ 大阪府環境農林水産部農政室推進課病害虫防除グループ
  24. ^ 松中 2002, p. 11
  25. ^ 井上石灰工業
  26. ^ 「有機」表示のできる農薬 http://www.greenjapan.co.jp/yuki_hyoji_noyak.htm
  27. ^ 化学工学会SCE・Net編 2011, p. 180
  28. ^ 永美 2010
  29. ^ 濱地 1985
  30. ^ 慶野金市「ボルドー液」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p292 日本林業技術協会 1984年(昭和59年)発行
  31. ^ 田中彰一, 北島博, 山田しゅん一「柑橘潰瘍病に対する殺菌剤,特に抗生物質の効果」『園芸試験場報告. B』第1号、農林省園芸試験場、1962年3月、 172-181頁、 ISSN 0424-9968NAID 220000126786


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