ボリス・ベッカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 03:58 UTC 版)
記録
- ウィンブルドン選手権最年少優勝「17歳7ヶ月」
- パリ・マスターズ優勝「3回」
- マラト・サフィン、ノバク・ジョコビッチとタイ記録。
- 世界ランキング1位の選手に勝利「19勝」
- ラファエル・ナダルとタイ記録。
- セット0–2 からの逆転勝利数「10回」
- アーロン・クリックステイン、ロジャー・フェデラーとタイ記録。
4大大会優勝
- 全豪オープン:2勝(1991年、1996年)
- ウィンブルドン選手権:3勝(1985年、1986年、1989年) [準優勝4度:1988年、1990年、1991年、1995年]
- 全米オープン:1勝(1989年)
年 | 大会 | 対戦相手 | 試合結果 |
---|---|---|---|
1985年 | ウィンブルドン | ケビン・カレン | 6-3, 6-7, 7-6, 6-4 |
1986年 | ウィンブルドン | イワン・レンドル | 6-4, 6-3, 7-5 |
1989年 | ウィンブルドン | ステファン・エドベリ | 6-0, 7-6, 6-4 |
1989年 | 全米オープン | イワン・レンドル | 7-6, 1-6, 6-3, 7-6 |
1991年 | 全豪オープン | イワン・レンドル | 1-6, 6-4, 6-4, 6-4 |
1996年 | 全豪オープン | マイケル・チャン | 6-2, 6-4, 2-6, 6-2 |
4大大会シングルス成績
- 略語の説明
W | F | SF | QF | #R | RR | Q# | LQ | A | Z# | PO | G | S | B | NMS | P | NH |
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.
大会 | 1984 | 1985 | 1986 | 1987 | 1988 | 1989 | 1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 通算成績 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全豪オープン | QF | 2R | - | 4R | A | 4R | QF | W | 3R | 1R | A | 1R | W | 1R | A | A | 29–9 |
全仏オープン | A | 2R | QF | SF | 4R | SF | 1R | SF | A | 2R | A | 3R | A | A | A | A | 26–9 |
ウィンブルドン | 3R | W | W | 2R | F | W | F | F | QF | SF | SF | F | 3R | QF | A | 4R | 71–12 |
全米オープン | A | 4R | SF | 4R | 2R | W | SF | 3R | 4R | 4R | 1R | SF | A | A | A | A | 37–10 |
※: 1984・85・87年の全豪は96ドロー(1985・87年は1回戦Byeでの出場)である。
破産と訴訟
2015年10月に負債超過状態に陥り、ロンドンの破産裁判所に申し立てた負債支払い延期の要請が却下され、2017年6月21日午前11時23分に破産宣告された[2]。破産手続きが進む中、2018年4月に中央アフリカ共和国のスポーツ・文化・人道担当大使に任命されたことを利用してイギリス高等法院に外交免除まで主張した[3]が、中央アフリカ共和国によりベッカーの所持しているパスポートは偽物であると認定された[4]。
結局、総額5000万ポンド(約68億円)にも及ぶとされる負債を返却するため、優勝トロフィーや記念品などを売却することとなり、2019年7月のオークションでは合計82点が総額68万7000ポンド(約9300万円)で落札された[5]。しかし4大大会のトロフィー5個などは所在不明となっていたため、2018年1月には1992年バルセロナ五輪ダブルスの金メダルも含めた情報提供を呼びかけた[6]。
ベッカーは本来売却して返済に充てるべきだった資産を引き渡さず資金・資産の情報開示を怠ったとして19の容疑で検察当局より訴追され、2020年9月24日にはウェストミンスター治安判事裁判所で行われた公判に出廷し無罪を主張[7]。その後も訴追内容が追加され、同年10月22日はサザーク刑事法院での公判に出廷し、全ての容疑について無罪を主張した[8]。
ベッカーはトロフィー9個やメダルなどの資産を引き渡さなかったほか、ドイツで所有していた車販売代理店を売却して得た113万ユーロ(約1億5000万円)の隠蔽、銀行口座への資金移動、ドイツやロンドンにて所有していた不動産、82万5000ユーロ(約1億900万円)にも及ぶ銀行ローンを申告をしていなかったなどの疑いをかけられ、2022年3月21日にロンドンのサザーク刑事法院で開始された裁判では言い逃れはしていないと主張している[9]。4月7日、サザーク刑事法院はベッカーに対し財産開示不履行や債務隠しの2件など計4件について有罪判決を下したが、残り20件の罪状については無罪とした[10]。4月29日に禁錮2年半の有罪判決が言い渡され収監された[11]。服役中には自らに関連した報道記事をチェックしており、一部の記事については作り話であるとして弁護士に改善を申し入れている[12]。12月15日に釈放され、ドイツに強制送還された[13]。
- ^ “ジョコビッチ、ベッカー氏とコーチ解消「目標は完璧に達成できた」”. スポニチアネックス. (2016年12月7日) 2016年12月7日閲覧。
- ^ “15年10月から債務超過状態、「最後のチャンス」懇願も…21日に言い渡し”. THE ANSWER. (2017年6月22日) 2022年4月5日閲覧。
- ^ “破産のベッカー氏、外交特権の適用を申し立て”. AFPBB News. フランス通信社. (2018年6月16日) 2022年4月5日閲覧。
- ^ “ベッカー氏のパスポートは「偽物」、中央アフリカ”. AFPBB News. フランス通信社. (2018年6月19日) 2022年4月5日閲覧。
- ^ “破産したベッカー氏のGS優勝トロフィーなど、計9300万円で落札”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年7月12日) 2022年4月5日閲覧。
- ^ “テニス元王者ベッカー氏、トロフィー売って借金返済 BBCに「名声」を語る”. BBC News. BBC. (2019年7月12日) 2022年4月5日閲覧。
- ^ “ボリス・ベッカー氏が無罪主張 破産関連の刑事責任を否定”. AFPBB News. フランス通信社. (2020年9月25日) 2022年4月5日閲覧。
- ^ “ベッカー氏、情報開示義務に従わずトロフィーなど資産隠しか”. AFPBB News. フランス通信社. (2020年10月23日) 2022年4月5日閲覧。
- ^ “破産のベッカー氏、「言い逃れ」否定 トロフィー紛失めぐり”. AFPBB News. フランス通信社. (2022年4月5日) 2022年4月5日閲覧。
- ^ “破産のベッカー氏に有罪評決、最大禁錮7年の可能性”. AFPBB News. フランス通信社. (2022年4月9日) 2022年4月30日閲覧。
- ^ “Boris Becker jailed: Tennis champion sentenced over bankruptcy”. BBC News. BBC. (2022年4月29日) 2022年4月30日閲覧。
- ^ “服役中のベッカー氏、「作り話」の報道にいら立ち 弁護士”. AFPBB News. フランス通信社. (2022年5月21日) 2022年12月16日閲覧。
- ^ “ベッカー氏釈放、ドイツへ強制送還”. AFPBB News. フランス通信社. (2022年12月16日) 2022年12月16日閲覧。
固有名詞の分類
- ボリス・ベッカーのページへのリンク