フォーミュラ・ドリフト フォーミュラ・ドリフトの概要

フォーミュラ・ドリフト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/09 23:20 UTC 版)

フォーミュラ・ドリフト
カテゴリ ドリフト
国・地域 アメリカ
開始年 2004年
最終
ドライバーズ
チャンピオン
フレデリック・アースボ英語版
公式サイト www.formulad.com

主催はスポーツカークラブ・オブ・アメリカ(SCCA)と、アメリカのマーケティング企業である「Slipstream Global Marketing」傘下のFormula Drift Inc.が手がけている。

本記事では、日本国内で開催されるシリーズのフォーミュラ・ドリフト ジャパンについても扱う。

フォーミュラ・ドリフトの大会で走行するダッジ・バイパー

概要

日本の全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)の成功や、映画ワイルド・スピードシリーズのヒットに刺激される形で、2004年にカテゴリーが発足。

2022年現在、最上級カテゴリーの「PRO」シリーズ(2022年は全8戦)をメインに、その下位カテゴリーである「PROSPEC」(旧・PRO 2)や「PRO AM」でシリーズが構成されている。さらに2014年には、日本でも「フォーミュラ・ドリフト ジャパン」が富士スピードウェイでエキシビジョンとして開催され(後述するアジアシリーズの1ラウンド扱いとなっており、アジアラウンドのポイントが付与された)、2015年には正式なシリーズ戦としてスタートしている[1]

2008年11月には、本シリーズ以外にD1グランプリなど世界各国のドリフト競技シリーズの上位入賞者を集めた「Red Bull Drifting World Championship」がスペシャルイベントとして開催された。また、2015年から2017年にかけて、PROシリーズの上位クラスとして世界各地で開催される「Formula Drift World Championship」シリーズが開催された。同年は全10戦でPROシリーズなどとの共催であるが、富士スピードウェイや中国などこのシリーズ限定のラウンドも設定された。また、以前は東南アジアを舞台としたアジアシリーズ(2008年発足)や、日本のいかす走り屋チーム天国に相当する「Team Drift」イベントなども行われていたが、現在は開催されていない。

PROシリーズは、オーバルコースのバンクを利用したコースレイアウトが最大の特徴となっている。決勝の走行ではそのバンクをうまく利用したか否かが評価の対象となるのが、他のドリフト競技の大会とは異なるポイントといえる。また、ロングビーチなどの市街地コースも存在する。

日本からは吉原大二郎が2004年のカテゴリー発足当初から参戦しており、2011年にはシリーズチャンピオンを獲得した。また、2009年シーズン以降、三木竜二植尾勝浩らD1グランプリのシリーズチャンピオン経験者も参戦するなど、日本人ドライバーが大きく増加しており、2012年には斎藤太吾が吉原に次いで日本人2人目のシリーズチャンピオンとなった(斎藤はこの年アジアシリーズのタイトルも獲得し2冠を達成している)。2018年からは田口和也が、2022年からは益山航が参戦するなど、近年は若手ドライバーのエントリーも見られる。

マイクロソフトの『Forza Motorsports』シリーズとコラボレーションしており、ゲーム内にて一部の参戦車両に搭乗することが可能になっている。

車両

車両の駆動方式は、ドリフト競技の特性上FRが基本となる。ほとんどの場合ベースの車両もFRであるが、FFからFRに駆動方式を変更したカローラ・ハッチバックなどの例もある[2]

ドリフト走行に必要なパワーを得るために、エンジンにはフルチューンに近いチューニングが施され、1000馬力以上の出力を発揮する車両も存在する[3]。また、高出力を狙うことができる大排気量エンジンへの換装がなされることも少なくない。2JZ-GTEへの換装がポピュラーなD1グランプリに対し、フォーミュラ・ドリフトではGMのスモールブロックエンジン(en:General Motors LS-based small-block engine)などのV型8気筒エンジンが用いられることが多い。

車両重量は2700ポンド(約1225kg)以上3400ポンド(約1542kg)以下である必要がある。また、重量に応じて使用可能なタイヤの幅も異なり、2700ポンドの車両では最大260mmであるが、3400ポンドの車両では最大320mmのものまで使用できる[4]。タイヤは2022年シーズンはファルケンフェデラルネクセン、GTラジアル、ニットーの5社が参入しており、レギュレーションで指定されたモデルのタイヤのみ使うことができる[4]

サスペンション形式の変更は不可とされており、ストラットダブルウィッシュボーンなどベース車両の形式を保持している必要がある[4]

サスペンション形式の変更などが可能なD1グランプリより改造範囲は若干狭いが、D1グランプリの下位シリーズであるD1ライツよりは大幅な改造が許されているという形である。


  1. ^ a b c d FDJ History Formula Drift Japan、2022年4月6日閲覧
  2. ^ トヨタ カローラハッチバック 新型に1000hpのドリフトレーサー…ニューヨークモーターショー2018 Response、2018年4月3日
  3. ^ a b 2021 Formula DRIFT PRO & PROSPEC Championships Head to St. Louis for More Tire-Burning Action MEN'S JOURNAL、2022年4月6日閲覧
  4. ^ a b c PRO TECHNICAL REGULATIONS FORMULA DRIFT、2022年4月6日閲覧
  5. ^ TMAR FDJ参戦マシンを作る!斎藤太吾 TMAR 八王子の大ちゃんねる、2022年3月12日
  6. ^ FORMULA DRIFT JAPAN / FDJ2 TECHNICAL REGULATIONS Formula Drift Japan、2022年4月6日閲覧
  7. ^ FD JAPAN Round.5 鈴鹿ツイン 開催中止のお知らせ - フォーミュラ・ドリフト・ジャパン公式サイト(2020年12月4日付)
  8. ^ 第5戦が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となったため、第4戦までの成績で決定した。


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