バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2
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スタッフ
- 監督:ロバート・ゼメキス
- 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディ
- 脚本:ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル
- 音楽:アラン・シルヴェストリ
- 撮影:ディーン・カンディ
- SFX:ILM
日本語版
- | ソフト版 | テレビ朝日版 | BSジャパン版 |
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演出 | 伊達康将 | 左近允洋 | 向山宏志 |
翻訳 | 島伸三 | たかしまちせこ | |
調整 | 小野敦志 | 飯塚秀保 | 髙見元太 |
効果 | PAG | 桜井俊哉 | |
選曲 | N/A | 猪飼和彦 | N/A |
担当 | 岩渕昇 | 別府憲治 宮地奈緒 | |
プロデューサー | 圓井一夫 | 夏目健太郎 久保一郎 | |
制作 | 東北新社 | グロービジョン | HALF H・P STUDIO BSジャパン |
テレビ放送履歴
回数 | テレビ局 | 番組名 | 放送日 | 放送時間 | 吹替版 |
---|---|---|---|---|---|
初回 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 1992年10月4日 | 21:02 - 23:12 | テレビ朝日版 |
2回目 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 1994年4月2日 | 21:03 - 23:09 | |
3回目 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 1995年12月8日 | 21:03 - 23:14 | |
4回目 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 1997年9月27日 [注 2] | 21:00 - 23:09 | |
5回目 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 1999年6月24日 [注 2] | 21:02 - 22:54 | |
6回目 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 2002年11月22日 | 21:03 - 22:54 | |
7回目 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 2005年10月6日 | 21:05 - 23:04 | |
8回目 | 午後のロードショー | 2009年6月9日 [注 3] | 13:30 - 15:30 | ||
9回目 | TBS | 水曜プレミア | 2013年5月29日 | 21:00 - 23:04 | |
10回目 | BS-TBS | 2017年2月7日 | 21:00 - 23:24 | ソフト版 | |
11回目 | BSジャパン | シネマクラッシュ | 2018年7月4日 [注 4] | 19:50 - 21:54 | BSジャパン版 |
12回目 | BSテレ東 | 新春シネマスペシャル | 2020年1月1日 [注 5] | 23:00 - 翌1:05 | |
13回目 | 日本テレビ | 金曜ロードSHOW! | 2020年6月19日[注 4] | 21:10 - 23:04[注 6] | ソフト版 |
14回目 | フジテレビ | 土曜プレミアム | 2022年7月9日[注 4][注 7] | 21:00 - 23:10 |
作品解説
パート2とパート3は元々1本の映画として企画され、当初は「パラドックス」という3時間半の大作になる予定だったが、上映時間の都合のため配給会社側から短くカットするよう要求された。しかし制作側は、上映時間短縮のためだけにアイディアを削ることはできないとし、結局2本の映画に分けた経緯がある。撮影時の仮タイトルはパート2は「PARADOX」、パート3は「THREE」であった。パート2は話が途中で終わってしまう物語であったため、一部の観客からは不満の声も上がったが、ロバート・ゼメキスはこのことについて「ハン・ソロが解凍されるまで3年かかったことに比べたら、6か月なんて大したことないよ」と述べていた。
この映画はラストのパート3の予告編までが本編である。ただし、予告編の映像にはパート3に使用されなかったカットがいくつか存在している。ビデオ版、テレビ朝日版には吹き替え音声も存在しているが[注 8]、思い出の復刻版disc2ではテレビ版はカットされている。テレビ初放送時は「来年をお楽しみに」というテロップが付けられ、翌年パート3が放送された。日本で最初に発売されたビデオ・LD版にも「PART3 1990年の夏をお楽しみに!」という字幕が付いていたが、以降に発売されたビデオ・DVDではカットされている。BDはすべて搭載済みである様子。
パート2のプロローグ(冒頭のシーン)は、パート1のラストシーンをそのまま流用したように見えるが、ジェニファー役がクローディア・ウェルズからエリザベス・シューに交代したため、ジェニファーが映っているカットのみ新たに撮り直されている。その他のカットはパート1の流用である。
1987年から1988年にかけてパート2を撮影した際に、ユニバーサル・スタジオ内の時計台広場を2015年のシーンのセットとして使用したが、時計台広場がユニバーサル・スタジオ内見学ツアーのトラムのコース上にあったことや、ティーザー効果を狙うこともあり、セットを見学ツアーのトラムに乗った観客に隠すことはしなかった。
配役
パート1でジョージ・マクフライ役を演じたクリスピン・グローヴァーは、本作では「他の役に挑戦したい」という理由から「役を引き受けるつもりはない」と断った。しかし、ボブ・ゲイルのインタビューでは「出演料の折り合いが付かなかったために降板した」と語られた[注 9]。そこで、パート2では時空の歪みが生んだもう1つの1985年、通称「1985年A(Alternate 1985)」において、ジョージは死亡しているという設定になった。パート2と3では、背格好が酷似したジェフリー・ウェイスマンが演じており、老人となった2015年のジョージ以外は顔が目立たないように撮影されている。グローヴァーに似せるために、偽の鼻や頬骨の特殊メイクを行い、結果彼のイメージを侵害することになった。
さらにパート2の冒頭のロレインと一緒に、マーティとジェニファーをドア越しに見るシーンと、1955年のシーン(ジョージの顔がはっきり写っているシーン)はパート1の映像を利用し、新聞の顔写真にもグローヴァーの写真を用いている。これら2点に関してグローヴァーは自身の許可を一切取っていなかったとして、ゼメキスとゲイルを相手取って訴訟を起こした。結局、示談の末グローヴァー側の要求が全面的に認められることとなり、俳優組合にも新しい協約が設けられることとなった。
パート1でジェニファー役を演じていたクローディア・ウェルズは、母親が癌と診断されたことで、看病のため女優業を一時休業したため、本作以降はエリザベス・シューが代役を務めた。ウェルズはその後、1996年の映画『Still Waters Burn』で活動を再開した[注 10]。
当初、2015年のマーティの息子マーティJr.はパート1でジョージを演じたグローヴァーが、娘マーリーンはロレインを演じたリー・トンプソンが演じる予定だった。しかし前述の通りグローヴァーは降板したため、マイケルがマーティと息子と娘の三役を演じることになった(シリーズを通じては、パート3に出てくる先祖を含めて四役となった)。
特撮
当時、最新合成技術であったリアルタイムのモーション・コントロール・カメラ『ビスタ・グライド・システム』が使用されている。モーションコントロール・カメラでカメラの動きを完全制御し、小道具はすべてセットに固定し、同じ俳優を別位置で撮影し、フィルムの境界をぼかしながらつなげる技術である。このビスタ・グライド・カメラのお陰で従来のカメラを固定したままという制約から解放されている。合成の制約上、合成相手に触れたり、物を受け渡したり、フィルムAからフィルムBに移動することはできない。
2015年から1985年Aに戻ってきたデロリアンが空から降下しながらタイヤを変形させ、着地してそのまま道路を走るシーンは、空中のシーンから画面手前の街灯を通るまでは模型の、街灯を通り過ぎてからは実車のデロリアンで撮影されており、模型と実車をワンカットで連続して見せることに成功している。
注釈
- ^ 第1作の流用シーン。
- ^ a b 先週にPART1が放送された。
- ^ 前日にPART1、翌日にPART3が放送された。
- ^ a b c 先週にPART1、翌週にPART3が放送された。
- ^ 2019年12月30日にPART1、2020年1月3日にPART3が放送された。
- ^ 『プロ野球DRAMATIC BASEBALL2020「巨人×阪神 開幕戦」』の中継(17:50 - 21:04)が延長したため、10分繰り下げ。
- ^ 4Kレストア版をノーカット放送。
- ^ BSジャパン版は初回放送はカットし、視聴者の声を受けて再放送では導入されたが吹替作業が行われていなかった為、原音対応。
- ^ ゲイルの解説によると、グローヴァーがパート2の出演交渉で、フォックスの2倍のギャラを要求したため、話にならず降板したと語っている。一方グローヴァーは、後年のインタビューにおいて、「ボブ・ゲイルの話は全くのデタラメ。自分は他のメインキャストの半額以下のオファーしか受けず、悔しい思いをした。前作の俳優が戻ってくるとき、誰かが出演料でも犠牲にならなければいけなかった。僕は求められていないと感じた」と語っている[9]。
- ^ 『Still Waters Burn』は2008年2月にDVDとしてリリースされている。
出典
- ^ a b c “Back to the Future Part II (1989)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月11日閲覧。
- ^ “歴代ランキング - CINEMAランキング通信” (2016年3月28日). 2016年5月7日閲覧。
- ^ “日本映画産業統計 過去配給収入上位作品 (配給収入10億円以上番組) 1990年(1月~12月)”. 社団法人日本映画製作者連盟. 2010年4月11日閲覧。
- ^ “ダークボのふきカエ偏愛録”. ふきカエル大作戦!!. 2018年6月1日閲覧。
- ^ “バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2”. BSジャパン. 2018年6月20日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “バック・トゥ・ザ・フューチャー 新録・吹き替え版”. ふきカエル大作戦!!. (2018年7月4日) 2018年7月4日閲覧。
- ^ 佐々木優子 [@mikumamanari] (2020年6月18日). "番宣第二弾ゴメンなさい⋯". X(旧Twitter)より2022年7月14日閲覧。
- ^ 源 (2020年9月26日). “「バック・トゥ・ザ・フューチャー」<日曜洋画劇場>日本語吹替えバージョンを異例の劇場初公開!”. SCREEN ONLINE 2022年7月9日閲覧。
- ^ Mike Hickerson (2010年3月19日). “Glover Says Why He Was Left Out of “Back to the Future” Sequels” (英語). Slice of SciFi(英: Slice of SciFi). Film News. 2019年2月26日閲覧。
- ^ 二見書房刊『大怪獣ゴジラ99の謎』より
- ^ Magsurf[リンク切れ]
- ^ LEXUS SLIDE
- ^ 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のナイキ MAG発売、1500足限定でチャリティオークション
- ^ http://news.nike.com/news/nike-mag-2015
- ^ Michael Zennie, "Chicago Cubs Swept Out of Playoffs on the Day They Were Predicted to Win World Series in Back to the Future," People.com, October 22, 2015. 2015年10月22日閲覧。
- ^ http://www.disc-support.com/bttf/bttf_faq.html#08
- ^ “『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』スタントウーマン、元夫との銃撃戦で死亡”. シネマトゥデイ (2020年2月18日). 2022年7月2日閲覧。
固有名詞の分類
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